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 デザイン工房兼ギャラリーショップ、frafu(フラフ)さんが、本日平成24(2012)年5月25日、オープンされました。

 場所は大阪市北区天神橋1丁目1番13号小西ビル2階201号室、
 つまりビオンボ堂と同じ建物の中です。

 最近、天神橋1丁目界隈で素敵な空間を発見する機会が何度かあったのですが、今度は同じ建物の中で見つけたわけです。
 出入り口付近からの店内。逆光になったので暗く見えますが、他の画像でも分かるとおり、お店の中は至極明るく、落ち着いたたたずまいです。
 床は木でできています。
 店主手づからのものだけでなく、知人の方のものもふくめ、作品が並んでいます。
 窓際。壁に取り付けられた長い1本の木のカウンター。ここにも作品がさりげなく置かれています。
 店内には作家さん向けのギャラリースペースもあります。
 今、ギャラリースペースにて展示されているのは、温川典子さんの作品「サンクスズメ」です。
 木でできた不思議なスズメたち。 
 木のハンドルを時計回しに回すと何かが起こります。ぜひ、furafuさんにてお確かめください。

 furafuさんの営業日は当分、金、土曜日のみで、いずれは月曜日を定休日に、そして日曜日を不定休日とされるようです。営業時間は11時から18時です。


furafu
http://furafu.jimdo.com/
 furafuさんのサイトです。


 今のところfurafuさんは、うちと同様、表に看板を出していらっしゃらないので、最寄り駅からお越しの方法等、ビオンボ堂のブログの最寄り駅からの道筋をご参照ください。
# by manewyemong | 2012-05-25 14:19 | | Comments(0)
 implant4さんでプログラマブルアナログポリフォニックシンセサイザー、SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-T8を触らせていただきました。今回試奏した個体は、以前、Roland SH-32試奏記におまけとして記したのと同一機と思われます。
 SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-T8は、歴史上初のMIDIシンセサイザーSEQUENTIAL CIRCUITS prophet-600から、さほど時を経ずに発売がアナウンスされた記憶があります。

 昭和57(1982)年にRoland SH-101を買った楽器店さんから、たしか翌年前半にprophet-600取り扱いに関するダイレクトメールをいただいたのですが、そこにprophet-T8の姿も小さくですが載っていました。

 その年、つまり昭和58(1983)年末、私は知人のお供で大阪城ホールでのYMO(イエローマジックオーケストラ)の散開公演に行ったのですが、その折、坂本龍一さんのブースにprophet-T8を見た記憶があります。

 昭和63(1988)年、NHK特集「海のシルクロード」のBGMを担当していたS.E.N.S.(センス)が、同じ時期に催された地方博「なら・シルクロード博」のイベントで使用したシンセサイザーの中に、prophet-T8がありました。

 また、1980年代前半だったと思うのですが、ハワード・ジョーンズさんがフジテレビ系「笑っていいとも!」に出演した時、prophet-T8を弾いていました。

 prophet-T8は、prophet-10、Pro-One、 prophet-600と、 SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5がベースになったシンセサイザーの最後のモデルではないでしょうか。この後、シーケンシャルサーキット社は、six-trak、Pro-8、Prophet-VS等、毛色の変わったモデルを出していきます。
 SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-T8のフロントパネル。

 デジタルアクセスコントロールの要素は一切無く、全ての操作子が露出しています。また、フロントパネルは若干の傾斜があります。デジタルアクセスコントロールタイプではないシンセの常として、各パラメータのバリューを視認する事はできません。
 SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-T8の、この筐体の薄さ。
 奏者側の縁(へり)の部分にある「SEQUENTIAL CIRCUITS」「prophet-T8」のロゴ。厚味があるのでプレートが埋め込まれているようにも見えるのですが、おそらくステッカーだと思います。
 ホイールと鍵盤。鍵盤は木製でベロシティとアフタータッチを備えています。

 鍵盤は光センサーを用いているそうです。鍵盤を押すと光を遮蔽してシンセサイザーエンジンに押鍵が伝わるのだと思います。キーベロシティセンシティビティ、つまり押鍵の強弱は、おそらく光を遮蔽する速さを検出するのだと思います。また、prophet-T8の鍵盤はニュートラル位置に帰る強さをも反映するそうですが、これは逆に遮蔽されていた光が輝度を取り戻す速さを感知しているのではないでしょうか。本当のところは分かりません。

 それにしてもこの部分、アナログかデジタルかで分ければ、後者に属する技術が活きているのかもしれませんが、からくり的、つまりアナログ的な着想を感じます。今、直接人間が手にする様々な工業製品に求められているのは、実はこういう視点ではないでしょうか。そして、我々日本人が、こういうことに不向きだとは思えません。

 アフタータッチは押された鍵盤群が一つの値を共有するのではなく、最大8鍵盤が各々独立して圧力を採るポリフォニックプレッシャータイプです。

 ここに記して良いものか否か分からないので内容を秘しておきますが、今回のこの個体の鍵盤まわりのメンテナンスに関して、implant4さんの大胆な発想と費やした手間ひまに、ほとほと感服しました。
 白鍵は木の表面をプラスチックで被って(囲って?)います。
 黒鍵は白鍵に隠れている部分が黒く塗られた木で、露出部分はプラスチックが乗っています。
 左側のピッチベンド用はニュートラル位置まで勝手に帰るものではなく、戻さなければなりません。
 リアパネル側。こちらから見ると、シンプルなデザインである事が分かります。

 「SEQUENTIAL CIRCUITS INC」のそばにある電源ボタンは自照型です。
 モジュレーションまわりの音色設定操作子群。
 二つのVCO、グライド、キーアサインモード等。prophet-5と違い、ポリフォニックポルタメントが使えます。
 VCF。

 ENVはprophet-5同様、アタックタイムを緻密に設定できます。ベロシティでアタックタイムの短い/長い(速い/遅い)をコントロールできる事と併せて、アナログシンセにしては豊かな表情を出すことができます。

 ただ、これもprophet-5と同様なのですが、ディケイタイムとサスティンレベルの関係性は、私には受け入れ難いものでした。奏者やマニピュレータが予め脳裏に思い描く径時変化のシナリオに、絶対的かつ奴隷的に恭順であるというのが、私がシンセを選ぶ目安の一つなのですが、やはり、prophet-T8も音を探す系(Roland JD-800試奏記参照)の人向きではないでしょうか。まあ、所詮アナログシンセはあまねくそうなのでしょうけど。
 ベロシティに関する設定操作子及びVCA ENV。
 ロワー/アッパーをLEFT/RIGHTとしています。個別に二桁のダイオード表示をします。

 prophet-5と同じ形状、感触のボタン群。たしか後年、E-MUとensoniqで共通の筐体を用いたモデル、E-MU PK6、XK6、ensoniq halo等と感触が似ていて、どうも好きになれません。ボタンの脆弱感に関して酷評したワークステーション機、KORG M3(KORG M3試奏記2参照)の方がましだと思いました。
 このSEQUENTIAL CIRCUITS prophet-T8と同じ時期、あのYAMAHA DX7が登場し、世界を席巻しました。価格はprophet-T8の十分の一程度であるにもかかわらず、桁違いの豊かな表現力を持っていました。デジタルシンセの革新性とアナログシンセの割高感は、この後、多くのアナログシンセの老舗メーカーに引導を渡したのではないでしょうか。
 システムシンセであれコンンボタイプであれ、現代のアナログシンセはプログラマブルやポリフォニックである必要は無いと思うのですが、その一方でデイブスミスインストゥルメント(Dave Smith Instruments)社が、もしこのprophet-T8を現代に甦らせるとしたらどんなモデルになるかなと、思いを巡らせてしまいました。
 implant4さんで、Roland V-Synth GT Version 2.0を試奏させていただきました。美品であり、早晩implant4さんのサイトの在庫リストにアップされる個体だと思います。
 Roland V-Synth GTは、KORG M3R3YAMAHA MOTIF XSと同じ、NAMM SHOW 2007で発表されました。

 平成19(2007)年3月、私は発売数ヶ月前でプリセット音が半作りの状態のV-Synth GTを試奏させていただく機会があり、Roland V-Synth GT試奏記にまとめました。
 その後、Roland V-Synth GTはVersion 2.0へと進化しました。Roland V-Synth GT Version 2.0に記しています。そこでも書いたのですが、Version 2.0への進化はあくまでソフトウェア上の事であり、物理的に何かが増装されたという事ではなく、V-Synth GTの旧機もVersion 2.0にアップデートできます。
 ただ、このステッカーが貼ってあるか否か、つまりV-Synth GT Version 2.0の状態で出荷された個体か否かにこだわる向きがあると聞いた事があります。私はV-Synth GT Version 2.0にしてもKORG M3 XPANDEDにしても、ステッカーが無い方が良いのですけどね。

 Roland V-Synth GT 2.0のあまりにも多岐に渡る機能を、限られた時間で試す事は難しく、このRoland V-Synth GT Version 2.0試奏記では、Roland V-Synth GT試奏記で触れた使用感やAP-SYNTHESIS(Articulative Phrase Synthesis)を、もう少し踏み込んだ形で記したいと思います。
 Roland V-Synth GT Version 2.0のフロントパネル。

 演奏操作子はタッチビューの左側に、そして、音色設定の操作子は右側に集約されています。
 V-Synthシリーズの機能及び外観上の特徴の一つであるタイムトリップパッド。
 V-Synthシリーズ独特のランプが二つ付いたDビームコントローラー、機能を任意に割り振れる二つのつまみ、アルパジエーターのオンオフボタンやテンポコントロールのつまみ、公演時等の為に音色を一つのボタン操作で呼び出す為のパッチパレット等。

 画面上にタブとして存在するRoland Fantom Gとは違い、プロエディットボタンが物理的に露出する形でフロントパネル上にあります。
 タッチビューと、音色エディットのページ毎に役割を割り振られているE1~E8つまみ。
 カーソルボタンに囲われる形のダイヤル、各パラメータのバリュー入力には使えないテンキー、DEC/INCボタン。

 細かい事なのですが、ダイヤルとDEC/INCボタンの位置関係に関して、私はV-Synthの前モデルの方が使いやすく感じました。
 ここの操作子はタッチビュー上でも出来る事ばかりです。Roland V-Synth 2.0試奏記の時と同様、今回の試奏でも私が手指で触れることは全くありませんでした。

 ストラクチャー表を見ても分かるとおりAP-SYNTHESYSは、アナログモデリングやバリフレーズ、COSMの流れとは独立した形で存在しています。
 しかしながら、AP-SYNTHESYSのエディットに入るタッチビュー上のAPSynタブは、この流れの最後、TVAの後ろに付随するように存在しています。
 V-Synth GT Version 2.0の鍵盤。
 他のモデル同様、裏におもりが付いています。
 ベンダーレバーと、アサイナブルボタン。コルグの場合、TRINITYの時からあったのですが、ローランドのシンセでこの位置にアサイナブルボタンが設けられたのは、このV-Synth GTからです。
 リアパネル。

 今回の試奏を、もっぱらAP-SYNTHESYSに費やしました。以下、それについて記します。
 先ほど触れたAPSynタブを指定するとAP-SYNTHESYSのエディットページに入ります。

 フレーズモデルページは、波形モデルとフレーズモデルで楽器のモデルを組みます。画面は竜笛の波形とフルートの組み合わせです。
 モディファイページは、選択したフレーズモデルで内容が変わります。画面はフルートの不レースモデルの状態で、スラーノイズ(息を吹き込んだまま指孔を押さえ変えた時の音)のレベルや、ブレスノイズレベルがあります。
 アドバンストページ。ここもフレーズモデルの選択で内容が変わります。主に鍵盤やコントローラーによる変化に関するパラメータ群です。

 AP-SYNTHESYSの音色としての生々しさや演奏上のマニュアル感は素晴らしいのですが、同時に奏者の特徴を、シビアには汲まないシンセサイザーエンジンのような気がしました。

 また、周期変化や径時変化に、もう少し本来のシンセサイザーの要素が加味できたらとも思いました。もっとも、システムシンセのアナログシーケンサーやKORG MS2000シリーズRADIASのモッドシーケンスのような機能、V-Synthのマルチステップモジュレータは、この辺の事で威力を発揮するのかもしれません。しかしながら今回、試すのを忘れました。

 AP-SYNTHESYSは、木管や二胡(アルフー)等をそつがなくそれっぽく聴かせる分には便利だと思うのですが、自分のキャラクターを加味する上で、私ならワークステーション機のシンセサイザーエンジン部と併せる形で一つの音を作る事になると思います。もちろんV-Synth GTにはアナログモデリングやバリフレーズ、ボーカルデザイナーといった別の音源が組み込まれているので、それらと併用することを前提での設計なのかもしれません。
 NAMM 2007で発表された各メーカーの上級機のうち、今も現行機なのは、このRoland V-Synth GT Version 2.0だけです。また、機能も奏者やマニピュレータとの接点も、とにかく贅を尽くした感のあるモデルは、やはりこのRoland V-Synth GT Version 2.0だけだと思います。

 ワークステーション機Fantom Gの製造終了に伴う後継機のアナウンスが無く、現時点でローランドにおいて上級機と呼べるラインナップは、V-Synth GT Version 2.0とJUPITER-80です。

 JUPITER-80のシンセサイザーエンジンSuper NATURALとV-Synth GTのAP-SYNTHESYSは、用途が被ります。もしV-Synth GTの後継機があるとしたら、AP-SYNTHESYSを略し、そのコストを奏者やマニピュレータとの物理的な接点の部分に回されたものを希望したいと思います。
 つまり、V-Synth GT Version 2.0の後継機とは、実はV-Synth 2.0の後継機であってほしいというのが、今回試奏してみての感想です。それとENVに関して、ADSRではなくワークステーション機のようなタイムとレベルで構成されたものであってほしいと思います。


Roland V-Synth GT Version 2.0
http://www.roland.co.jp/synth/V-SynthGT_ver2/index.html
 implant4さんでアナログポリフォニックシンセサイザー、YAMAHA CS-50を試奏させていただきました。
 YAMAHA CS-50は昭和52(1977)年に登場しました。この年、ヤマハはCS-80、CS-60、このCS-50の系統、そしてCS-30LからCS-5に至る黒い筐体の系統を一気に発売します。

 YAMAHA CS-50の発声数は4声ポリフォニックで、1声あたり1VCO-1VCF-1VCAです。キーアサイナー方式のSEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5Roland JUPITER-4が登場する前のモデルですが、鍵盤の数だけシンセを載せる独立発振方式ではありません。どうやって4VCO-4VCF-4VCAを4声に割り振るのか、私には分かりません。
 49鍵機なのですが重量は35kgもあります。1990年代のワークステーションの88鍵機より重く、今回の設置に際してimplant4さんには、お忙しい中、本当にお骨折りいただきました。ありがとうございました。
 筐体は当時流行っていたハードケース一体型。上蓋を取り付けるとケースに収納された形になります。

 シンセサイザーのACコードは通常、リアパネルから伸びているのですが、CS-50は付け根が筐体底部にあり、まとめて内部に格納できるようになっています。また、底部には脚を4本取り付けるようになっていて、スタンドを用意しなくても設置する事ができます。
 リアパネル側。
 音声出力はモノラル。エクスプレッションペダル端子、そしてサブオシレータ(LFO)のソースとしての音声入力端子があります。
 音叉マークの付いた「YAMAHA」のロゴ。

 YAMAHA EX5試奏記にも書きましたが、CSシリーズのプログラマブルモデル、YAMAHA CS70MやCS01、DX7あたりからロゴの前に音叉マークが無かったのですが、CS-50には付いています。リアパネルのロゴにこのマークが復活するのは、平成11(1999)年のYAMAHA S80とCS6xからです。
 鍵盤。49鍵でアフタータッチが使えます。CS-50でいうタッチレスポンスという語はベロシティの事ではなくアフタータッチです。ベロシティはありません。

 鍵盤の感触は、後年ヤマハやコルグのデジタルシンセに使われる、ヤマハ製FS鍵盤に似ていると思いました。影響を与えたのかもしれません。
 フロントパネル。
 取扱説明書にブロックダイアグラムが載っているアナログシンセは多いのですが、CS-50はフロントパネルに描かれています。
 VCO。とにかく音程が安定していて、デジタルシンセかと思えるくらいでした。電源投入直後からきちんと音階を演奏することができました。

 PWMの変調ソース専用のレイト、PWM、PW、矩形波/パルス波及び鋸歯状波のオン/オフボタン、ホワイトノイズジェネレータ。

 PWMとPWを併用できます。パルスウィズは90%が上限です。シンセサイザーのノウハウが一般的でなかった当時、パルスウィズを100:0にした時に音が消えるのを、故障と解釈されるのを避けたからではないでしょうか。これはVCFのカットオフを下げ切っても音が消えない事とも共通していると思います。

 YAMAHA CS-50で喜多郎mini KORG 700Sリードを模する場合、パルスウィズをこの画像のあたりで探ってみてください。

 YAMAHA CS-5やCS-10等のように矩形波/パルス波と鋸歯状波の混ぜ具合を設定する事はできません。あくまで両者のオン/オフだけです。
 VCF。ハイパスフィルター、ローパスフィルターを併用できます。レゾナンスを上げきっても自己発振はしませんでした。EGデプスやキーボードトラックはありません。
 VCF EGはヤマハのアナログシンセサイザー独特の要素、イニシャルレベル、アタックレベルを設定できます。ADSRタイプか、より簡便なものしか無かった頃、ヤマハは既にこんなEGを載せていました。
 VCA。VCFからの信号をどれだけのレベルで持って来るか、トレモロのデプス、EG(アタックタイム、ディケイタイム、サスティンレベル、リリースタイム)、そしてVCAレベル。
 リングモジュレータの操作子。
 スライダーではなく弧を描いて動くレバーです。設計者は奏者やマニピュレータに対して、ここを音色設定の操作子だけではなく、演奏操作子として使わせたかったのではないでしょうか。ここを操作しまくると、とにかく狂気的に音色が変わっていき、つい遊んでしまいました。
 YAMAHA CS-50はプログラマブルシンセではないのですが、予め設定されたプリセット音が13種用意されています。当時のエレクトーンと同じ操作子で選択するようになっています。
 フロントパネルの音色操作子による設定、つまりマニュアル音を使う場合は、この白い「PANEL」ボタンを押します。
 アフタータッチの設定操作子。ここもスライダーではなくレバーです。アフタータッチそのものはKORG TRINITYM3-61/73KRONOS 61のような押し込み具合を感知するタイプではなく、オンオフのみです。演奏中のこのレバーの操作との兼ね合いで、効果にバリエーションを持たせる事ができると思います。
 このサブオシレータとはLFOのことです。

 ファンクションはLFO波形。サイン、降昇二つのタイプの鋸歯状波、矩形波、ピンクノイズ、そして外部音声入力。

 LFOの波形にノイズがあるモデルは後年のRoland SH-101があります。ビブラート、グロウル効果、トレモロのソースにノイズを使うと、ホワイトノイズと併せた爆発音や濁りを帯びた木管などに使えます。

 またポルタメント/グリッサンドの設定もここで行います。
 右端に電源の投入ボタンがあります。
 あるいはminimoog(ミニモーグ)の影響かもしれません。
 音色設定上の仕様や音質でいえば、YAMAHA CS-50は私には全く使い道が無いシンセサイザーです。しかしながら、鍵盤、ボタン、スライダー、レバーといった、奏者やマニピュレータとの接点に関して、現行機とはちがい、丁寧に作られている感があります。製造から35年が経過しているにもかかわらず、鍵盤や操作子に疲労が感じられない、心地よい使用感でした。
 このまま実体のあるシンセサイザーが、ソフトウェアとの消耗戦に敗れて滅び去る前に、人が触れる部分にこのYAMAHA CS-50に負けないくらいのこだわりが貫かれたモデルが、日本のメーカーから一つでも出て来てくれないものかと思います。

 それにしても今回試奏させていただいた個体、素晴らしい美品だと思います。implant4さんの最終的なチェックが入った後、サイトの在庫リストにアップされる事になると思います。


YAMAHA CS-50
http://jp.yamaha.com/product_archive/music-production/cs50/?mode=model
 大阪市立美術館での特別展「草原の王朝 契丹」を観てきました。
 この展覧会のことは、既に特別展「草原の王朝 契丹」が催されますで触れています。

 契丹の可汗や身分の高い人の副葬品がメインで、実際の生活で使う道具や庶民に関わるものは少なかったような気がします。ただ、身分の高い人でさえも、携帯型の錐(きり)といった草原で使う小道具群を懐に持っていたところに、自らが牧畜民であるという気風を感じました。

 特別展「草原の王朝 契丹」が催されます、あるいは十三湊の勃興と衰亡で触れたとおり、牧畜や狩猟の民の国である契丹は、黄金に対して格別の思いがあったようです。多くの展示品が鍍金製品でした。

 契丹の公主(皇室でいえば内親王にあたる)の副葬品と思われるものは、贅を極めつつ、どこか可愛らしいものがありました。龍を象った小さな腕輪があったのですが、これは持ち主の公主が女児といえるほど幼かったのではないかと思われます。もちろんそれは現代日本人の尺度なのかもしれません。

 馬具や装飾品等に織り込まれた人物のモチーフは、やはり牧畜民の特徴が出ていました。つまり、多くが頂の尖った帽子を被り、袖がすぼまった、そして丈も靴が見える程度の長さの服を着ているということです。

 しかしながら宗教的なものの中には、漢人の宗教である道教(特別展「道教の美術」を観ました参照)を取り入れたものもあり、被り物の天辺に道教の神か道士、つまり袖が広く、丈も引きずるほど長い衣を着たモチーフを付けたものもありました。

 今回の契丹の文化に限らず、日本の物も含めた多くの古い文物を見る度に思うのですが、赤や紅、緋色の塗料は、他の色が剥げた後もよく残っています。今回の彩色木棺や釈迦涅槃仏、名を失念したのですがほとんど材料の石の色が出てしまっている人物像に、赤や緋だけは若干残っていました。

 「草原の王朝 契丹」公式サイト「展覧会のみどころ」にある、契丹の勢力図を見るとよく分かるのですが、漢人国家である宋は、北方を遼(契丹)、西を西夏(せいか)、吐蕃(とばん)と、叛服常ならない国々に囲まれていました。契丹は時に自身が宋と事を構えながら、反面、宋と他の国との休戦の仲介等も行い、当事国以上の利を得たりしました。宋が西の国々との仲が上手くいっていない時、契丹は宋と西域の通り道にもなったと思います。交易品と思われる物は西のイスラム世界のものまであり、国際色豊かでした。
 一つの特別展に3種用意されたチラシ。
 裏面は3種とも同じです。3種刷ることの意義を全く感じないのですが…。橋下徹大阪市長がこれをご覧になったら、どうお感じになるでしょうね。
 来る平成24(2012)年9月15日から11月25日まで大阪歴史博物館で、特別展「ウクライナの至宝 スキタイの黄金美術の煌めき」が催されます。

 司馬遼太郎の「街道をゆく」の「モンゴル紀行」に、馬に乗り、簡便な幕舎に住み、家畜を逐って移動するという生活を編み出したのは、スキタイであるとあった記憶があります。

 NHK特集「シルクロード」第2部オープニング映像のスキタイ・サカ族の黄金人間や、第5集「炎熱・イラン南道」でのペルセポリスの様々な民族の朝貢使節を描いた浮き彫りの映像の中に、尖った帽子のスキタイ人がいました。頂が尖った帽子はその後、匈奴や契丹、そして元寇の敵兵の兜にまで継承されています。


「草原の王朝 契丹」
http://kittan.jp/

特別展「草原の王朝 契丹」(大阪市立博物館)
http://www.osaka-art-museum.jp/special/kittan.htm
# by manewyemong | 2012-04-20 10:12 | | Comments(0)