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「早池峯」(アルバム「遠野」より)

 蝦夷(えみし)は騎射に長け、時に10倍に及ぶヤマトの兵力を、しばしば機智に富んだ戦術で破りました。「早池峯(はやちね)」に、陸奥、出羽の山野を疾駆する蝦夷の兵馬の幻影を感じます。

 そういえば平成5(1993)年後半の大河ドラマ「炎立つ」の前九年の役の黄海(きのみ)の合戦のシーンで、源頼義(みなもとのよりよし)、義家(よしいえ)父子率いる源氏軍が雪中行軍して来るのを、あらかじめ察知して待ち受けていた安倍貞任(あべのさだとう)麾下(きか)の騎馬隊が、雪原を駆け下りて襲撃する場面の展開が、私の中でこの「早池峰」の曲想にだぶってしまいます。このシーンは「炎立つ」のオープニングにも使われていました。

 曲中のブレイクポイントで、「パッパカパッパカパッパカパッパカポッポコポッポコ…」という音が、ステレオ音場の左端、そして右端に聴こえてきます。この音、私は馬蹄を表現していると思っているのですが、これは姫神せんせいしょんのドラム/パーカッション佐藤将展さんが、「春風祭-遠野物語への旅-」でも使った大小5個の炊事用のボウル(毛布の上にうつぶせに置かれている)を、パーカッション用のマレットで叩いて出しています。

 ちなみに本日平成22(2010)年6月14日は、柳田国男の「遠野物語」が明治43(1910)年6月14日に聚精堂から発刊されて、ちょうど100年にあたります。

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 後世この本は、姫神・星吉昭さんの東北観や創作活動に大きな影響を与える事になりました。

 この「早池峰」が収められた姫神せんせいしょんのアルバム「遠野」は、その結晶だと思います。そして「遠野物語」の影響は、その後の作品にも続きました。ある意味、呪縛だったかもしれません。

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by manewyemong | 2010-06-14 08:11 | 音楽 | Comments(0)

シンセサイザー、デコラティブジャパン(絢爛な日本)文化、絵巻、屏風、浮世絵、都市散歩、神社が好きです。鈴木春信の春画「風流艶色真似ゑもん」にちなみました。


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