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KORG KRONOSの発売日及び価格

 ワークステーション機の新製品KORG KRONOSの発売日及び価格が出ています。

 来る平成23(2011)年4月9日発売予定。

 61鍵機248,000円、73鍵機278,000円、88鍵機318,000円。

 ここまで安いとは思いませんでした。はっきり言ってこれ、“甘やかし”価格ではないでしょうか。無論、私が今KRONOSについて判っている事は仕様と外観だけで、操作子の感触等は試奏するまで何とも言えないわけですが…。

 20年前、Roland JD-800の時にも“甘やかし”を強く感じました。私だけがそう感じたのではなく、当時「JD-800は100万円切らなくていいんですよ」と言った有名キーボーディストがいたそうです。

 JD-800の、パラメーターのことごとくをスライダーとして露出させたという仕様は、私のように脳裏で鳴っている音の具現化の手段としてのシンセだけではなく、コンボタイプのアナログシンセ時代から存在する、つまみをひねったりスライダーを上げ下げしてまぐれ当たりの神がニタニタ笑ってくれるのを待つ人間にも訴求する、つまり、どういう形であれ、あまねく購入者に音を作らせるという事を企図したと思われます。

 しかしながら、特に後年JD-800を求めた数多の人間の動機は、「小室哲哉さんが出しているJD-800ピアノを出したい」だそうです。呼び出せば鳴る音です。

 JD-800の最大の特徴である、あまねくユーザーに音を作らせる為にパラメーターを露出させたという企図は、結果的に使う側の人間の安直さによって肩すかしを食らったという事です。

 もし30万円ほどだったJD-800を徹頭徹尾高い価格設定にしておけば、真にこの特徴を希求する人の許にのみ渡り、このシンセの真価が引き出されたのではないでしょうか。

 昨今の安価故の物のありがたみの瓦解はシンセに限った事ではありませんが、KORG KRONOSの性能の高さに比しての価格の低さは、世間のシンセサイザーに対するありがたみのハードルを、不当に低くしてしまわないでしょうか。KORG KRONOSの安価を、単純には喜べません。


平成23年3月20日追記。

 KRONOSの入荷日予定日が、各小売店さんのサイトを見る限り「4月9日」から「5月上旬」に変わっています。

 KORG KRONOS 73試奏記KORG KRONOS 88試奏記に続きます。


平成29(2017)年1月12日追記。

 平成29(2017)年1月12日、KORG KRONOS 88の数量限定カラーバリエーション機、KRONOS GD(ゴールド)が発表されました。

by manewyemong | 2011-02-04 13:16 | シンセワールド | Comments(0)