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KORG TRITON STUDIO 61導入記(2)

 KORG TRITON STUDIO 61導入記(1)からの続きです。

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 KORG TRITON STUDIO 61、ひいてはTRITONシリーズのHI音源に関する事柄も含め、前モデルKORG TRINITYのACCESS音源や後継機KORG M3M50のEDS音源と比較する形で記します。

 オシレータ波形は初代TRITONを継承していて並んでいる順番も同じなのですが、TRITON STUDIOにはオプションボードEXB-PCM08 CONSERT GRAND PIANOに収録された波形が増装されています。

 音色プログラムのカテゴリーによる分類は従来のコルグシンセサイザーにもあったのですが、TRITONシリーズからはオシレータ波形もカテゴリー化されています。パラメーターをテンキー入力できる事と併せて、音色を一から作る身には作業がはかどります。

 シンセサイザー系の波形のカテゴリーは2種類あって、Synth Waveはシンセサイザーのサンプル波形、そしてSingle Waveは倍音加算合成によるDWGSと思われます。ちなみに笛、さまざま(1)及び(2)の矩形波、mini KORG 700SのPulse 33%、「MYSTERIOUS ENCOUNTER」の効果音のランプ波等は、TRITONシリーズの場合Single Waveカテゴリー内にあります。

 オプションボードEXB-PCMシリーズを最大7枚装着してオシレータ波形を増やす事もできます。ただ、波形はカテゴリー化されません。TRITON ExtremeTRでの増装波形分も同じくカテゴリー分けが為されてなく、初めて試奏した時、一瞬戸惑いました。HI音源の最終モデルX50やmicro Xは全ての波形がカテゴリー化されています。

 他にKORG Z1系フィジカルモデリング音源のオプションボード、EXB-MOSSを増設する事もできます。

 手許のKORG TRITON STUDIO 61には、オプションボードEXB-PCM02 STUDIO ESSENTIALSとEXB-PCM05 Vintage Archivesを装着しています。前者の波形M1ChoirやM1 TubaFlugel、後者Vocoder-VPは特によく使います。

 BD10(平成元/1989)年に聖飢魔IIの大黒ミサを参拝したおり、ギタリスト(エース清水さん/サージェントルーク篁III世さんのどちらか忘れました)の方が、ギターシンセサイザーKORG Z3を介してM1のフリューゲルホルンの音色を弾いたのですが、鍵盤演奏よりも吹奏感がよく出ていた記憶があります。

 Vocoder-VPはボコーダーRoland VP-330 Vocoder Plusのヒューマンボイス部のシミュレーションに使うのですが、本家ローランドによる波形VP-330ChoirA/VP-330ChoirB/VP-330ChoirC(オプションボードSR-JV80-04 Vintage Synth/SRX-07 Ultimate Key及びFantom G本体に収録)よりも似ています。

 TRINITYのACCESS音源やM3/M50のEDS音源の場合、オプションボードという形でのオシレータ波形の増装はありません。

 ポルタメントは同時期の他社機と違い、タイムでの設定は出来てもレイトでの設定は出来ません。コルグのデジタルシンセでこれが可能になったのはOASYSからです。逆にアナログモデリングシンセサイザーRoland SH-201GAIA SH-01のポルタメントタイムは、実際はポルタメントレイトではないでしょうか。

 TRITONを含めデジタルシンセのポルタメントはリニア変化なのですが、かつてのアナログシンセサイザーの場合は緩急があって、これがポルタメントに有機的な印象を与えていました。アナログモデリングシンセサイザーKORG RADIASの場合、ポルタメントの弧の描き方に、リニア変化を含めて5つのパターンを選べるようになっています。ワークステーション機のポルタメントもRADIASのように弧の形の設定ができればなと思います。KORG KRONOSではどうなるのでしょうか。

 それと、OASYS、M3/M50以降のコルグのワークステーションのEGや、ローランドのJVシリーズ以降のデジタルシンセのENVには、各タイムの弧の描き方を設定できるようになっています。アナログシンセ時代にEGのいびつな効果に辟易していた事もあり、私は未来永劫フィルターやアンプのEGはリニア変化だけで設定します。しかしながらピッチEG、つまりオートベンドだけには、リニアだけではなく様々な弧のパターンを使いたいと思っています。

 KORG TRINITY plus導入記(2)で、

 TRINITYシリーズのEGのタイムまわりのオルタネートモジュレーションそのものは、EGのタイム全体に対してしかかける事ができないものが1チャンネルあるだけなのですが、キーボードトラックとベロシティは独立してパラメーターがあり、各タイム個別に対する設定できます。

私にとってベロシティと経時変化の関わりに関するパラメーターは音作りの要なのですが、この部分、意外な事にTRITONシリーズで退行しています。

としたのですが、その事について記します。

 TRITONシリーズのEGのタイムまわりのオルタネートモジュレーションの場合、キーボードトラックとベロシティの独立したパラメーターは無く、それらはオルタネートモジュレーションのソースの一つとして組み込まれています。TRITONシリーズのオルタネートモジュレーションは、EGの各タイムに関するかかり具合を-/0/+で選択する事はできるものの、インテンシティは2チャンネル分しかなく、異なるバリューを設定できるのは二つだけという事になります。つまり、ソースがベロシティやキーボードトラックの場合、前モデルのTRINITYほど緻密な設定はできないということになります。ベロシティでアタックタイムとディケイタイムを変化させる場合、仮に絶対値を共有できない場合は、この二つだけでオルタネートモジュレーション2チャンネルを使いきってしまいます。

 続くKORG OASYS、M3、M50ではTRITONシリーズ同様、ベロシティとキーボードトラックはオルタネートモジュレーションのソースの一つでしかないのですが、インテンシティをEGの各タイム個別に設定できる上、オルタネートモジュレーションは3チャンネルあります。

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 以上、EGまわりのオルタネートモジュレーションの違いが、私がKORG TRINITY plusとTRITON STUDIO 61を併せて使っている理由です。現在両機で行っている事は、仮にM3かM50、あるいは来る4月に発売されるKORG KRONOSを導入した場合、1台で済む事になります。

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 ただTRITON STUDIO 61には、TRITON Le 61から受け継いだものも含め400を超える自前の音色が入っていて、これをM3、M50、KRONOSに置き換えるのは並大抵の労力ではない事と、TRINITY plusのMOSS音源には存在する吹奏系がKRONOSのフィジカルモデリング音源には無いので、多分両機とも手放さないのではないかなと思います。


KORG TRITON STUDIO V2
http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/TritonStudio/

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by manewyemong | 2011-01-18 15:55 | シンセワールド | Comments(0)

「あのシンセサイザー奏者が出しているあのシンセサイザー音はあのシンセサイザーで出してんのか!いっちょあのシンセサイザー買いにいくか!」よりも、「価値あるものを買うのではなく自分で価値を作れる人間は強い」(岡崎武志「女子の古本屋」より)でありたいと思います。


by manewyemong