NEW POST

SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5試奏記

a0060052_13342165.jpg
 
 昨日、implant4さんへお邪魔したおり、先客の方が試奏されていたprophet-5が、電源の入った状態で来客用の椅子の前に置かれていました。

a0060052_1334557.jpg
 
 SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5は、昭和53(1978)年に発売されたアナログシンセサイザーです。キーアサイナー方式によるポリフォニック化やプログラマブル(作った音色を記憶させる)といった機能を初めて搭載した機種です。機能の革新性に加え、デザインの美しさや合理性、低雑音…今日に至るまで絶大な人気を誇っています。

a0060052_1351016.jpg


a0060052_13353157.jpg


a0060052_1355834.jpg
 
 初めてprophet-5の実物を間近に見た時、筐体の薄さが目に留まりました。prophet-5に対して、木製でどこか古めかしい作りなのに、未来的な洗練された印象を持ったのはこれが理由だと思います。

 大阪の楽器店でprophet-5を見る事ができるようになったのは、たしか昭和55(1980)年に入ってからだった記憶があるのですが、当時、国産シンセサイザーは筐体がごつく、prophet-5に比べてあか抜けない印象がありました。無論、その後Roland JUPITER-8やKORG Polysix等が登場します。

a0060052_13361983.jpg
 
 木の部分は胡桃材だそうです。

a0060052_13365195.jpg


a0060052_13373151.jpg
 
 ベロシティ無しの鍵盤としては無駄なまでに感触が良いのですが、そのメンテナンスは年中行事と割り切って考えなければならないようです。

a0060052_13381784.jpg
 
 ホイールは指を離しても、自動的にニュートラル位置に帰って来ないタイプです。

a0060052_1339132.jpg
 
 prophet-5のリアパネル。

a0060052_13393573.jpg
 
 「SEQUENTIAL CIRCUITS」の社号が入ったプレート。

 シーケンシャルサーキット社はprophet-5の後、同機を元にしたprophet-10、Pro-One、prophet-600、prophet-T8等のシンセを世に出しました。

a0060052_13401232.jpg
 
 「prophet-5」の入ったプレート。

a0060052_13404926.jpg
 
 ヒートシンク。これが無かった頃の「prophet-5」のロゴプレートはより大きなものでした(シンセサイザーフェスタ'09の矢野顕子さんのブース参照)。

a0060052_13412549.jpg
 
 フロントパネル左端。画像がぶれてしまっているのですが、ポリモジュレーション、LFO、minimoogのモジュレーションミックスと同じソースミックス。そしてモジュレーションをどこへ送るかを指定するディスティネーション。

 ここに、prophet-5のマニピュレーションに於いてオリジナリティを発揮する為の機能が、集約されていると思います。

a0060052_13421150.jpg
 
 二つのVCOとそのミキサー。VCOの波形はどれか一つを選ぶのではなく、YAMAHA CS-5/10やRoland SH-101の様に併せて選択できます。ただSH-101のソースミキサーのような波形の割合を決める事はできません。

 グライドはユニゾンモードの時だけ使用可です。名前は120倍、価格は約5分の1(implant4価格)のSEQUENTIAL CIRCUITS prophet-600の場合は、ポリフォニックモード時でもグライドが使えます。

a0060052_13424525.jpg
 
 VCFとそのENV。フィルターはローパスのみで、キーボードトラックはオン/オフの設定しかできません。レゾナンスを上げきって自己発振させる事ができるのですが、キーボードトラックボタンをオンにしたとき、フィルター発振の音階をたしか平均率にできました。Roland SH-101のVCFのキーボードフォローを最大値にした時と同じです。

a0060052_13432084.jpg
 
 VCA ENV。

 今回触れてみて大変気に入ったprophet-5の性質があります。

a0060052_13441525.jpg
 
 ENVのアタックタイムを0にすると、当然ながら打/撥弦系のアタックになるのですが、

a0060052_13445155.jpg
 
 アタックタイムを4あたりにしても0の時より緩めながら、まだ打/撥弦系のアタックのままです。

a0060052_13452310.jpg
 
 このあたりまで持って来ると、金管系のちょっと苦しげに息を吹き込む感じになり始めます。

 つまりprophet-5のENVは、アナログシンセであるにも関わらず、アタックタイムの作り込みを緻密に行えるという事です。他のアナログシンセではこうはいきません。

 また国産デジタルシンセ黎明期のKORG M1/Tシリーズの場合、アタックタイムを00から01にしただけで、既に吹奏系のアタックになってしまい、お世辞にも緻密な設定ができるとはいえませんでした。たしかこの事はキーボード雑誌で記事にもなった記憶があります。無論、ベロシティやキーボードトラックでENVの各レベルやタイムをコントロールする事はできます。

a0060052_1346042.jpg
 
 今回私が触らせていただいたprophet-5の最初、つまり11に入っていた音色は、喜多郎prophet-5ホルンの元ネタと思われる金管系の音だったのですが、シンセ音色関連の記事のうち、「東日流笛」の東日流笛 YAMAHA VL1以外の全ての音色同様、今日この音を出すにあたって、実機prophet-5を使う事の意義は微塵もありません。

 平成23(2011)年8月27日現在、implant4さんには、3台のprophet-5の在庫があります。いずれもrevison 3.3で、MIDIに対応したモデルです。implant4さんのサイト内の在庫リストに、各々の状態等に関するスタッフコメントや画像、価格があります。

[PR]
by manewyemong | 2011-08-28 13:52 | シンセワールド | Comments(0)

シンセサイザー、デコラティブジャパン(絢爛な日本)文化、絵巻、屏風、浮世絵、都市散歩、神社が好きです。鈴木春信の春画「風流艶色真似ゑもん」にちなみました。


by manewyemong