Roland JP-8000試奏記
implant4さんでJP-8000を試奏させていただきました。
アナログモデリングシンセサイザーRoland JP-8000は、平成8(1996)年末に登場しました。
前年登場したスウェーデンのnord lead同様、デジタルシンセながらスライダーやつまみといった、アナログシンセ時代主流だった操作子を持ったモデルです。
前年登場したスウェーデンのnord lead同様、デジタルシンセながらスライダーやつまみといった、アナログシンセ時代主流だった操作子を持ったモデルです。
nord leadとともに、アナログモデリングシンセという、新しい一つの流れを作ったモデルではないでしょうか。
この後ローランドは、デスクトップ/ラックマウントタイプのJP-8080、SH-32(ウェイブアクセラレーション音源)、SH-201、GAIA SH-01と、今日までこの系統のシンセの製造を続けています。
アナログモデリング音源及びアナログインターフェイスという流れは他社にも影響を与え、平成12(2000)年の年明け、KORG MS2000シリーズが登場します。
アナログモデリングシンセサイザーは、オシレータ波形やENV等、構成に関してアナログシンセを踏襲していながらも、電圧制御のような各パラメーターの変化の癖(ムラ)が無く、脳裏で音を鳴らしてからマニピュレーションに入る私には、使いやすいシンセです。
また、予め音色を考えるのではなく、ハプニングの要素に依るやり方の場合、デジタルアクセスコントロールよりも有効だと思います。
この後ローランドは、デスクトップ/ラックマウントタイプのJP-8080、SH-32(ウェイブアクセラレーション音源)、SH-201、GAIA SH-01と、今日までこの系統のシンセの製造を続けています。
アナログモデリング音源及びアナログインターフェイスという流れは他社にも影響を与え、平成12(2000)年の年明け、KORG MS2000シリーズが登場します。
アナログモデリングシンセサイザーは、オシレータ波形やENV等、構成に関してアナログシンセを踏襲していながらも、電圧制御のような各パラメーターの変化の癖(ムラ)が無く、脳裏で音を鳴らしてからマニピュレーションに入る私には、使いやすいシンセです。
また、予め音色を考えるのではなく、ハプニングの要素に依るやり方の場合、デジタルアクセスコントロールよりも有効だと思います。
ナメクジマークの入った付箋様のものは、implant4さんの値札です。
リアパネル側から俯瞰で眺める。
「JP-8000 Roland」のロゴ。
MIDI OUT/IN端子。ペダルはホールド、そしてフットスイッチかエクスプレッションペダルかのどちらか一つの端子。KORG MS2000シリーズの場合は、フットスイッチ/エクスプレッションペダル各々一つづつ端子がありました。ポルタメントのオン/オフスイッチと音色コントロールのペダルを併せて使えました。
KORG POLY-800等と同じ49鍵盤。おもりの類いは無いようなのですが、それでも今のワークステーションの廉価機よりもしっかりしていると思います。ベロシティもKORG MS2000/MS2000Bよりも、強弱にしっかり追従してくれました。もちろん歴然とした価格差があるわけですが…。
ベンダーレバー/リボンコントローラー。
ベンダーレバーの形状は、ワークステーション機Roland XP-50から始まった、モジュレーションをだんだん深くかけていく事ができるタイプです。それ以前はオン/オフだけでした。
JUPITER-6のようにベンダーレバー用としてLFO2があります。手操作による任意の変調を、LFO1から独立したレイトやデプスを設定してかけられます。ディスティネーションは、ビブラート、グロウル、トレモロのどれか一つを選ぶ形です。
リボンコントローラーは、ショルダータイプのMIDIキーボードYAMAHA KX5以来見なかったのですが、JP-8000の前年、平成7(1995)年秋に登場したフィジカルモデリングシンセサイザーKORG Prophecy及びワークステーション機TRINITYシリーズで搭載され、このJP-8000や平成10(1998)年YAMAHA EX5にも装備されました。その後のローランドのシンセにリボンコントローラーが無いのは、おそらくDビームコントローラーが採用されているからではないでしょうか。
お話をJP-8000に戻します。その他このブロックには、ポルタメントのオンオフ、タイム(ローランドのアナログ/アナログモデリング機同様、実際はレイトのように感じられました)。オクターブシフトは、例えばKORG MS2000シリーズ等(緑色等に変わる)と違い、何度押しても、つまりオクターブシフトを重ねても、ランプの色は赤のままです。
ベンダーレバーの形状は、ワークステーション機Roland XP-50から始まった、モジュレーションをだんだん深くかけていく事ができるタイプです。それ以前はオン/オフだけでした。
JUPITER-6のようにベンダーレバー用としてLFO2があります。手操作による任意の変調を、LFO1から独立したレイトやデプスを設定してかけられます。ディスティネーションは、ビブラート、グロウル、トレモロのどれか一つを選ぶ形です。
リボンコントローラーは、ショルダータイプのMIDIキーボードYAMAHA KX5以来見なかったのですが、JP-8000の前年、平成7(1995)年秋に登場したフィジカルモデリングシンセサイザーKORG Prophecy及びワークステーション機TRINITYシリーズで搭載され、このJP-8000や平成10(1998)年YAMAHA EX5にも装備されました。その後のローランドのシンセにリボンコントローラーが無いのは、おそらくDビームコントローラーが採用されているからではないでしょうか。
お話をJP-8000に戻します。その他このブロックには、ポルタメントのオンオフ、タイム(ローランドのアナログ/アナログモデリング機同様、実際はレイトのように感じられました)。オクターブシフトは、例えばKORG MS2000シリーズ等(緑色等に変わる)と違い、何度押しても、つまりオクターブシフトを重ねても、ランプの色は赤のままです。
LFO1。波形は三角波、鋸歯状波、矩形波、サンプル&ホールド。鋸歯状波は、モジュレーションデプスがプラスの場合は下降型、マイナスの場合は上昇型になります。その他、レイトとフェイドインタイム。ディレイタイムはありません。
オシレータコモン。二つのオシレータのバランス(各々のレベル設定はできない)、クロスモジュレーションのデプス、ビブラートデプス、オートベンドのデプスや正逆、アタックタイムとディケイタイムを設定します。
オシレータ1。その後のローランドのアナログモデリング機に継承され続ける、七つの鋸歯状波が鳴っているような波形SUPER SAWをはじめ、PW/PWM/矩形波や鋸歯状波、ノイズ等の波形があります。これらからどれか一つを選びます。波形によってコントロール1、2の役割は違います。
PWMのソースはLFO1のみで、ENVは使えません。ただ、コントロール1/2の手操作をモーションレコーダーに記録して、径時変化のソースとして使える可能性はあります(試していません)。
PWMのソースはLFO1のみで、ENVは使えません。ただ、コントロール1/2の手操作をモーションレコーダーに記録して、径時変化のソースとして使える可能性はあります(試していません)。
オシレータ2。オシレータ1とのピッチの差異を設定する要素や、波形(PW/PWM、鋸歯状波、三角波)選択、パルスウィズ/パルスウィズモジュレーションのデプスの設定等を行います。
Roland JP-8000の取扱説明書で一つ嬉しいのは、PW/PWMを「パルスワイズ/パルスワイズモジュレーション」ではなく、「パルスウィズ/パルスウィズモジュレーション」と表記している事です。おそらく現行機は前者になっていると思うのですが、アナログシンセの頃、「パルスウィズ/パルスウィズモジュレーション」と読んでいた身には、ある種、郷愁を感じます。しかしながら私はmoog(モーグ)を「ムーグ」と読む事は、シンセを知った当初から全くありませんでしたけどね、冨田勲さんだったので…。
それと今回試奏してみて驚いた事なのですが、パルスウィズの変化の仕方が、かつて私が所有していたSH-101やJUPITER-6といったローランドのアナログシンセサイザーのそれを、完全に継承しています。SH-101で身に付いたパルスウィズの変化の感覚が、そのまま今回の試奏で活きました。
Roland JP-8000の取扱説明書で一つ嬉しいのは、PW/PWMを「パルスワイズ/パルスワイズモジュレーション」ではなく、「パルスウィズ/パルスウィズモジュレーション」と表記している事です。おそらく現行機は前者になっていると思うのですが、アナログシンセの頃、「パルスウィズ/パルスウィズモジュレーション」と読んでいた身には、ある種、郷愁を感じます。しかしながら私はmoog(モーグ)を「ムーグ」と読む事は、シンセを知った当初から全くありませんでしたけどね、冨田勲さんだったので…。
それと今回試奏してみて驚いた事なのですが、パルスウィズの変化の仕方が、かつて私が所有していたSH-101やJUPITER-6といったローランドのアナログシンセサイザーのそれを、完全に継承しています。SH-101で身に付いたパルスウィズの変化の感覚が、そのまま今回の試奏で活きました。
フィルター。-12デシベルか-24か、ハイパスフィルターかバンドパスフィルターかローパスフィルターかの選択、カットオフやレゾナンス、ENVデプス(+/-)、グロウル効果のデプス、キーボードフォロー、ENVを設定します。
JP-8000のフィルターはレゾナンスを上げていくと自己発振しますが、二つのオシレータのバランスを変える事はできても、レベルを上げ下げする、つまり0にする事はできません。したがってオシレータからの音を消す場合、PWを選びパルスウィズを上げ切ります。
JP-8000のフィルターはレゾナンスを上げていくと自己発振しますが、二つのオシレータのバランスを変える事はできても、レベルを上げ下げする、つまり0にする事はできません。したがってオシレータからの音を消す場合、PWを選びパルスウィズを上げ切ります。
アルペジエータ。アップ、ダウン、アップダウン、ランダムのモードがあります。
Roland JUPITER-4や8の場合、アップ、ダウン、アップダウン時に押鍵した順番を反映させる事ができるとフライングジュピターRolnad JUPITER-4で書いたのですが、JP-8000のアルペジエータではできないようです。
ただ、RPS(リアルタイムフレーズシーケンス)といって、最下位の「ド」の鍵盤以外の48鍵各々に、打ち込んだフレーズを割り当て、実行させる機能があります。
Roland JUPITER-4や8の場合、アップ、ダウン、アップダウン時に押鍵した順番を反映させる事ができるとフライングジュピターRolnad JUPITER-4で書いたのですが、JP-8000のアルペジエータではできないようです。
ただ、RPS(リアルタイムフレーズシーケンス)といって、最下位の「ド」の鍵盤以外の48鍵各々に、打ち込んだフレーズを割り当て、実行させる機能があります。
キーモードやエディットのアッパーロワーの選択ボタン、音色選択系の操作子、そして液晶画面。
これも今回の試奏で知り、驚いた事なのですが、JP-8000/8080はEXITボタンを押しながら各操作子を動かすと、そのパラメーターの内容が本体の画面に表示されます。ローランドのアナログモデリングシンセでは不可能な事なのだと思っていました。これは、後のSH-32、SH-201、GAIA SH-01では不可能です。KORG MS2000シリーズやRADIASでは、つまみを動かすとその内容が表示されます。
またJP-8000/8080は画面をテンポラリースコープにして、見たいパラメーター、つまり該当するスライダーやつまみを動かすと、入っているバリューを見る事ができます。これもKORG MS2000シリーズやRADIASの場合、エディットモードに入る事で可能です。
ちなみにこの画面は、波形をPWにしたオシレータ1のコントロール1、つまりパルスウィズを44にした状態を示しています。
またJP-8000/8080は画面をテンポラリースコープにして、見たいパラメーター、つまり該当するスライダーやつまみを動かすと、入っているバリューを見る事ができます。これもKORG MS2000シリーズやRADIASの場合、エディットモードに入る事で可能です。
ちなみにこの画面は、波形をPWにしたオシレータ1のコントロール1、つまりパルスウィズを44にした状態を示しています。
姫神の「火祭りの夜」(アルバム「青い花」より)の間奏のソロの音色は、JP-8000/JP-8080のプリセット音GR-300 Soloと思われます。私がプロによるRoland JP-8000の演奏で惹かれた音はこれです。この音色、TRITONシリーズやOASYS、M3、M50、KRONOSのプログラムに入っているEspress Leadと酷似しています。
平成23(2011)年10月6日夕刻現在、implant4さんには、商品としてのRoland JP-8000の在庫が1台あります。また、デスクトップ/ラックマウントタイプのJP-8080も1台ありました。近日中に在庫リストの更新があるようなのですが、そのおり、新たな個体が加わるかもしれません。
おまけ(1)
喜多郎miniKORG 700Sリードを、今回のRoland JP-8000やローランドのアナログシンセで真似るヒントは、パルスウィズのポイントを目盛り4を僅かに下まわるあたりで探す、です。私はSH-101の時からこの方法でした。上でも書きましたがJP-8000のパルスウィズの変化の感じは、同社のアナログシンセと変わりません。
実は上の画像群のスライダーやボタン等の位置は、喜多郎miniKORG 700Sリードを真似ながら撮ったので、参考値にはなると思います。全部が全部ではありませんので、ご注意を。
おまけ(2)
平成23(2011)年10月6日夕刻現在、implant4さんには、商品としてのRoland JP-8000の在庫が1台あります。また、デスクトップ/ラックマウントタイプのJP-8080も1台ありました。近日中に在庫リストの更新があるようなのですが、そのおり、新たな個体が加わるかもしれません。
おまけ(1)
喜多郎miniKORG 700Sリードを、今回のRoland JP-8000やローランドのアナログシンセで真似るヒントは、パルスウィズのポイントを目盛り4を僅かに下まわるあたりで探す、です。私はSH-101の時からこの方法でした。上でも書きましたがJP-8000のパルスウィズの変化の感じは、同社のアナログシンセと変わりません。
実は上の画像群のスライダーやボタン等の位置は、喜多郎miniKORG 700Sリードを真似ながら撮ったので、参考値にはなると思います。全部が全部ではありませんので、ご注意を。
おまけ(2)
Roland JD-800。JP-8000に続いて試奏させていただきました。Roland JD-800試奏記へ続きます。
by manewyemong
| 2011-10-07 18:57
| シンセワールド
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