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国立民族学博物館の収蔵品をつぶやく

 平成24年7月26日の国立民族学博物館で採り上げた、「日本文化」の「日本の祭りと芸能」のコーナーに関する事柄以外のつぶやきを集めました。

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 国立民族学博物館は古今東西の楽器の宝庫でもあります。各地域及び楽器専用のコーナーに陳列されています。画像はギター類。古今のアコースティックだけでなく、左端にはストラトキャスターまでありました。

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 西アジア(ペルシャ、アラブ、トルコ)コーナーの楽器類。左端下段の顔のような楽器はウード。中央のネックが細長いのはサズ。

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 モンゴルのモリンホール。「スーホーの白い馬」でおなじみ。

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 モンゴルの移動式幕舎ゲル。

 5世紀北斉の武人斛律金(こくりつきん)の「勅勒(ちょくろく)の歌」

勅勒の川 陰山の下
天は穹廬に似て 四野を籠蓋す
天は蒼蒼 野は茫茫 
風吹き草低れて 牛羊を見る

の穹廬(きゅうろ)とは、これと似た匈奴の移動式幕舎のことです。

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 インドネシア・バリ島の楽器類。奥に並んだ丸いものは、単に叩くだけでなく軽く擦って鳴らす事もあった記憶があります。手前の鉄琴系は、片方の手で叩き、もう片方の手指で金属片をつまんでミュートしたりして演奏するようです。

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 わら靴コレクション。豪雪の東北や中部地方に混じって大阪のものもありました。大阪府の北の端と南の端は意外に雪深いですから。

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 我々には茶道具、ヘラブナ釣りのウキ、日本刀や甲冑等いったものを、単にその目的の道具としてだけではなく、芸術品として捉える感性があります。アイヌ人のこれらの木製道具類が美しく感じられるのは、そこに訴求しているからだと思います。

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 アイヌ人の漆器。漆掻きや塗りをしない彼等はこれらをヤマト人に求めました。しかしこのコレクションにこれらを集めた彼等の感性が垣間見えます。

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 楽器コーナーのチャルメラ類。「チャルメラ」の語源はポルトガル語です。

飴売りの チャルメラ聴けば うしなひし
おさなき心 ひろへるごとし

石川啄木「一握の砂」より


追記。

 民族学博物館の収蔵品の特徴の一つは、それが衣食住や祭祀等において、実際に使われたものであり、単に作品として作られたものではないという事です。

 私は昭和56(1981)年秋、中学2年生時の遠足で国立民族学博物館を知ったのですが、特におびただしい楽器群にひかれました。既にシンセサイザーに興味を持っていて、各社のカタログを集めたりしていたのですが、国立民族学博物館に収蔵された楽器の一部は、参観者が鳴らす事ができるようになっていて、音を見、構造を聴く事ができました。音を思慮する上で大いに触発されました。

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 楽器は各地域、そして楽器専用のコーナーに、数多陳列されています。

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 西アジアコーナーのウード。人の顔に見えて仕方がないのですが…。

 ハムザ・エルディーンさんの演奏に感動した記憶があります。また、そのハムザ・エルディーンさんと昭和60(1985)年東京日本青年館での「アフリカ難民救済コンサート(アフリカセッション)」で共演した姫神・星吉昭さんは、その後「月あかりの砂のなかに」(アルバム「千年回廊」)「青い花」(アルバム「青い花」)に自身の演奏を収録しています。

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 撥弦楽器カーヌーン。

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 インドネシア・バリ島の魔女ランダと聖獣バロン。

 昭和63(1988)年、東大寺大仏殿前で催された芸能山城組の「獅子幻伝」で、岩手県の鹿踊りや愛媛県宮脇の獅子等とともに舞っていました。

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 インドネシアの打楽器。

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 モンゴルの憤怒尊。

 チベットの立春のお祭りで舞われるタクチャムで使われる仮面とよく似ています。ちなみにタクは憤怒尊、チャムは舞を意味するチベット語です。たしか1980年代半ば、私は大阪・四天王寺境内でその舞いを観ました。

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 岩手県遠野のオシラサマ。

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 岩手県遠野の様々な神像の頭部。

 国立民族学博物館は、幸か不幸かいつ行っても参観者が少なく、落ち着いて観ることができます。また現在入館料が要りません。冷房も効いています。

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by manewyemong | 2012-08-07 14:23 | | Comments(0)

シンセサイザー、デコラティブジャパン(絢爛な日本)文化、絵巻、屏風、浮世絵、都市散歩、神社が好きです。鈴木春信の春画「風流艶色真似ゑもん」にちなみました。


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