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KORG TR 88試奏記

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 implant4さんで、ミュージックワークステーションの廉価機KORG TRの88鍵機、TR 88を試奏させていただきました。すでに同店の在庫リストにアップされている個体です。

 KORG TRに関して、シンセサイザーフェスタ2005KORG TR 61試奏記で触れています。

 マニピュレーションやシンセサイザーエンジン部分に関する事柄は、KORG TR 61試奏記の方をご覧いただきたいと思います。

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 KORG TR 88は、TRITON Le 88に始まり、TRITON STUDIO 88、TRITON Extreme 88、OASYS 88と続いたRH2鍵盤を用いたワークステーション機の最後のモデルです。また、廉価ワークステーションの88鍵機で、今のところアフタータッチが使える最後のモデルでもあります。続くKORG M50-88(RH3)、KROME-88、KROSS-88(ともにNH鍵盤)には、アフタータッチはありません。

 前モデルKORG TRITON Le 88が、TRITON Le 61/76と違い、オシレータにピアノの波形が増装されていたのですが、TR 88はTR 61/76とシンセサイザーエンジン部分に違いはありません。

 鍵盤の数や質以外に、KORG TR 88とTR 61/76で異なる部分は無いのですが、KORG TR 61試奏記と重複する部分も含めて、KORG TR 88試奏記を書きます。

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 つまみ、スライダーの類いが少なく、すっきりしています。

 フロントパネルの操作子にDAWのコントロールサーフェスの役目を負わされ始めた、ワークステーション上級機のごちゃごちゃ感がどうも好きになれず、KORG TRITON Le、TRあたりから、私は廉価機にばかり目が行ってしまいます。

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 四つのアサイナブルつまみ。アルペジエータの操作子と共用です。

 私がアルペジエータの操作でここを使う事はありません。アルペジエータのエディットモードに入り、画面右に集約された操作子群(DEC/INCボタン、ダイヤル、テンキー)を使います。

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 液晶画面と各パラメーターの入力操作子群。

 上級機は現行機に至るも、画面左にバリュースライダー、DEC/INCボタンがあるのですが、私は不便に感じます。

 また、KORG OASYS、KRONOSのアナログモデリングシンセサイザーエンジン、MS-20EX、PolysixEXの場合、たしかにバリュースライダーとダイヤルで意味合いが大きく異なるのですが、それ以外に関して、ダイヤルがあればバリュースライダーは要らないのではないかと思っています。もちろん、あっても邪魔ではありませんが…。

 他社機の場合、Roland Fantom GYAMAHA MOTIF XSといったフラグシップ機にもありません。

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 ジョイスティック及び二つアサイナブルボタン。

 ジョイスティックはTRITON Leのものを継承しています。

 アサイナブルボタンは上級機と異なり、フロントパネルのテンキー等のボタンと同じものが使われています。トグルモードにもモーメンタリーにも設定できるのですが、私はどうもモーメンタリーモードの操作子としてこのボタンを押し続ける事に、気がひけてしまいます。歴然とした価格差はあるのですが、nord lead 4等nord leadシリーズや、KORG M3 KYBDアセンブリのボタンだと遠慮なくできるのですけど…。

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 RH2(リアルウェイテッドハンマーアクション2)鍵盤。

 同時期の上級機と同じ鍵盤です。感触や静粛性に遜色はありません。

 平成19(2007)年8月、東京・稲城市にあるコルグさんのショールームで、TR 61と88、OASYS 76と88、M3-61と88を試奏させていただいた事があります。そのおり、TRやOASYSの61/76鍵機とRH2鍵盤の88鍵機で、EGの設定に特段の違いを出す必要性を感じなかったのですが、M3 KYBDアセンブリ-61とRH3の-88では、アタックタイムやリリースタイムを一考する必要性を感じた事を、KORG M3-88試奏記で記しました。

 黒鍵には、RH3ほどはっきりした形ではなかったと思うのですが、つや消しが施されています。

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 リアパネル側。

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 「KORG」「TR」「MUSIC WORKSTATION」のロゴ。

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 オプションボードEXB-SMPL装着時、ここがサンプラーのSCSI(スカジー)や音声入力の端子になります。

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 MIDI THRU、OUT、IN端子。THRU端子まで揃っています。

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 足周り、及び音声出力端子群。

 ペダル関係は、ダンパー、フットスイッチ、エクスプレッションペダルの三つが使えます。

 音声出力はステレオ1系統+モノラル2系統、もしくはモノラル4系統。

 同じ時期に発売されたワークステーション廉価機YAMAHA MO8の場合、ペダル端子は二つ、ステレオ1系統でした。

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 USB B端子及びSDカードドライブ。

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 私はかつてBKカラーが苦手だったのですが、こうしてKORG TR 61、TR 88を試奏しているうち、この色の良さがわかり始めた気がします。

 KORG KROME-61カラーバリエーション機の発売は、私にとって嬉しいニュースなのですが、仮にカラスの濡れ羽色のKROMEが存在したらどんな趣きだろうなと、ふと考えてしまいました。

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 廉価機でありながら、鍵盤やジョイスティックで同時期の上級機にひけをとらなかったTR 88は、ワークステーションの88鍵機を1台手許に置きたいと考えている私には、その候補の1台という事になります。手許不如意なので、今回はどうする事もできないのですけど…。


KORG TR
http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/TR/

by manewyemong | 2013-10-11 13:11 | シンセワールド | Comments(0)