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Roland SH-101 PLUG-OUTが出ます(試奏記付記)

 来る平成26(2014)年7月25日、アナログモノフォニックシンセサイザーRoland SH-101を元にした、Roland AIRA SYSTEM-1用プラグアウトソフトウェアシンセサイザーRoland SH-101 PLUG-OUTが出ます。SYSTEM-1購入者に無償配布されます。

 あくまでローランドのサイトのSH-101 PLUG-OUTの記事を読んだ限りなのですが、実機との違いを中心に書きたいと思います。

 LFOはモジュレータというセクション名になっていて、実機ではVCO、VCFにあったビブラートやグロウル効果のデプスがここへ移っています。

 LFOの波形は、私がSH-101でたいへん気に入っていたノイズが継承されています。また、Roland SH-2等にはあり、SH-101には無かったサイン波が加わっています。

 残念ながら実機同様、ディレイタイムやフェイドタイムはありません。

 VCO(もちろん実際はボルテージコントロールドオシレータではない)のオクターブが、高域へも低域へも広げられています。

 パルスウィズの変調のソースのうちENVが、フィルターとアンプに独立して備わった事により、それらを選択できる様になっています。

 ソースミキサーに変更は無く、ホワイトノイズジェネレータも継承されています。

 フィルターは、まず専用ENVが加わりました。完全なADSRタイプです。

 ENVデプスに関して、実機はリバース曲線を設定できませんでしたが、マイナス方向へも設定できます。

 キーボードフォローも、0~100ではなく-100~100に設定できるので、フィルターを自己発振させた場合、音階を逆さに設定する事もできます。

 フィルターの自己発振といえば、Roland SH-101記事中、カットオフフリケンシーとレゾナンスの設定で、VCFが発振したりしなかったりするポイントを見つけ、ランダム波形のモジュレーションをかけると、「ポチャッポチャッ…」というけっこう生々しい水滴の音ができる事を紹介したのですが、電圧ではなくデジタルであるSH-101 PLUG-OUTでそれが可能か否か気になるところです。

 内蔵エフェクターとして、クラッシャー、リバーブ、ディレイが加わっています。

 アルペジエータは、実機が1オクターブのアップ、アップ/ダウン、ダウンだったのですが、SH-101 PLUG-OUTには各々2オクターブが加わっています。アップダウンは、恐らく実機同様「ドレミレドレ…」と鳴るタイプと思われます。ちなみにKORG Mono/Polyのアップダウンは、「ドレミミレドドレミミ…」でした。

 実機に搭載されていた100ステップのデジタルシーケンサーはありません。

 SH-101 PLUG-OUTのサイトには、AIRA SYSTEM-1の操作子に、SH-101 PLUG-OUTのどのパラメーターがアサインされるかを示す、SYSTEM-1 Layoutという画像があります。

 つまり、SH-101 PLUG-OUTの音色設定は、パソコンだけではなくSYSTEM-1側でも可能で、その音色をパソコンへ持って来る事も可能であるという事です。

 私が初めて手にしたシンセサイザーがRoland SH-101であり、記事を書きつつ、ちょっとあの頃に浸ってしまいました。


平成26(2014)年9月19日追記。

 Roland SH-2 PLUG-OUTが発表されました。


平成26年10月3日追記。

 implant4さんで、Roland SH-101 PLUG-OUTを試奏させていただきました。

 パソコンベースではなく、Roland AIRA SYSTEM-1にプラグアウトされたものに関する記述です。

 Roland SH-101末尾のおまけや、上の本文で触れた

「ポチャッポチャッ…」というけっこう生々しい水滴の音

をシミュレーションする形で試奏してみました。

 キーボードホールドをオンにし、一番下の「ド」の鍵盤を鳴らしっぱなしの状態でマニピュレーションしました。

 また今回、AIRA SYSTEM-1試奏前に、implant4さんの例のこたつの上に、Roland SH-101の実機が設置されていたので、ひとしきり記憶を呼び覚ましてから試奏する事ができました。

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 AIRA SYSTEM-1をSH-101 PLUG-OUTにした状態。

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 見えにくいのですが、SH-101 PLUG-OUTでは無効のパラメーターは、ランプが灯っていません。

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 LFO及びオシレータ1。

 LFO波形のランダムはSH-101のノイズに相当します。SH-101には無いフェイドタイムやトレモロデプスは無効です。

 オシレータ波形に関して、SH-101はソースミキサーで矩形波を含むパルス波と鋸歯状波の割合をきめる形なので、オシレータ波形の選択肢は暗転しています。同じくクロスモジュレーションも暗転。

 オシレータ波形を変調するカラーのモジュレーションソースの選択肢があります。

 SH-101にはVCOは一つしか無いので、オシレータ2は暗転しています。

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 ミキサー。

 SH-101のソースミキサーに相当します。オシレータ1が矩形波を含むパルス波の、そしてオシレータ2が鋸歯状波のレベルです。

 Roland JUNO-6試奏記で、アナログシンセの矩形波には、黄ばんだ矩形波と青みがかった矩形波の二つがあるとしたのですが、SH-101 PLUG-OUTは、当時私が歓喜したSH-101の青味がかった矩形波を完全に継承できています。

 ピッチENVは暗転しています。

 今回の音色はフィルターの自己発振を利用するので、ここの設定は全て0です。

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 フィルター。

 実機と異なる点は、独自のENVを持っている事と、キーボードフォローが0〜最大値ではなく、最低値〜0〜最大値であるという事です。

 また、今回の試奏で発見した事ですが、水がしたたる音をSH-101 PLUG-OUTで再現する為、フィルターが発振したりしなかったりするポイントを探したものの、デジタル故かそれは存在しませんでした。鳴る/鳴らない、つまり、発振する/しないの分水嶺が明確でした。

 しかしながら、画像が示すこのポイントで、聴感的には実機と区別がつかないレベルで、再現する事ができました。

 SH-101のVCFが発振したりしなかったりするポイントを利用した音は、LFOの波形をノイズに変えると、「パチッ…チッ…パチパチッ…」という小枝を火にくべた時のような音になるのですが、SH-101 PLUG-OUTでは発振する/しないの分水嶺が明確故に、無音か「チィー」というノイズにしかなりませんでした。

 水がしたたる音に関してフィルターENVの設定は不要なので、ENVデプスは0になっています。

 また、キーボードフォローを最大値にしていますが、これはMIDIシーケンサーやアルペジエータを使う時の設定です。

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 アンプ部及び空間系エフェクター。

 リバーブは簡便なものなのですが、ローランド独特の自然な残響感が得られる様に思えました。

 水がしたたる音以外にも、かつてSH-101しか持っていない頃にさんざん作った音色を、記憶をたよりに鳴らしてみたのですが、実機との違和感は全く感じませんでした。

 LFOの波形のノイズを利用して、銭湯のケロリン湯桶の音等も作ってみたのですが、内蔵しているローランドリバーブの良さもあり、実機以上を感じる事も度々でした。

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 デジタルシンセでありながら、事実上プログラマブルではないという、AIRA SYSTEM-1のコンセプトと併せて、どうせビンテージ機を復刻するのであれば、単にかつて存在したのと同じものを出すというのではなく、こういう形にしてしていただいた方が良いと思いました。

 AIRAやPLUG-OUTの今後にも、期待したいと思います。

 私としてはRoland CSQ-600のようなデジタルシーケンサーと、Roland JUPITER-4、JUPITER-8に載っていたような押鍵順が反映されるアルペジエータ(フライングジュピター Roland JUPITER-4参照)を一台にまとめたようなモデルや、AIRA SYSTEM-1をRoland VP-330のヒューマンボイス部にしてしまえるようなPLUG-OUTを希望します。


平成29(2017)年8月8日追記。

 平成29年8月8日、Roland Boutique SH-01Aが発表されました。


Roland SH-101 PLUG-OUT
http://www.roland.co.jp/products/sh-101_plug-out/

Roland AIRA SYSTEM-1
http://www.roland.co.jp/products/system-1/

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by manewyemong | 2014-06-25 17:48 | シンセワールド | Comments(0)

「あのシンセサイザー奏者が出しているあのシンセサイザー音はあのシンセサイザーで出してんのか!いっちょあのシンセサイザー買いにいくか!」よりも、「価値あるものを買うのではなく自分で価値を作れる人間は強い」(岡崎武志「女子の古本屋」より)でありたいと思います。


by manewyemong