Dave Smith INSTRUMENTS PRO 2試奏記
implant4さんで、Dave Smith INSTRUMENTS PRO 2を試奏させていただきました。中古機ではなく、implant4さんの展示品です。平成26(2014)年9月20日より店頭にあります。
発売直後なので、現時点で中古機の在庫はありませんが、他の商品同様、implant4さんで新品をお求めいただけます。
なお本稿は、平成26年7月20日にアップしたDave Smith Instruments PRO 2が出ますに、大幅な加筆と画像の添付という形で完全に改訂し、新たにDave Smith INSTRUMENTS PRO 2試奏記としました。
PRO 2は基本的にモノフォニックなのですが、4声のパラフォニックシンセとしても使えます。ポリフォニックではない、所謂ホモフォニック演奏が可能です。
発売直後なので、現時点で中古機の在庫はありませんが、他の商品同様、implant4さんで新品をお求めいただけます。
なお本稿は、平成26年7月20日にアップしたDave Smith Instruments PRO 2が出ますに、大幅な加筆と画像の添付という形で完全に改訂し、新たにDave Smith INSTRUMENTS PRO 2試奏記としました。
PRO 2は基本的にモノフォニックなのですが、4声のパラフォニックシンセとしても使えます。ポリフォニックではない、所謂ホモフォニック演奏が可能です。
外観は、Dave Smith INSTRUMENTS prophet 12の特徴を継承しています。
側面は木製の化粧版です。
基本的なパラメーターには、フロントパネル上に専用の操作子があります。
つまみの形やフロントパネル全体が醸し出す雰囲気、やはりそこはかとなく、SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5、prophet-T8の残り香を感じます。
つまみは1種類、つまり、全て同じ形状なのですが、prophet-5、prophet-T8の様な、どこを指しているかを示す白線の入っているものは滑らかにまわり、そして白線が無いものにはクリック感があります。前者は大雑把に、後者は数値を1ずつ増減できます。
オシレータ波形等選択に関するもの、そして、画面の上の四つのつまみは後者、カットオフやレゾナンス、ADSR等は前者です。但し、全てのパラメーターは画面の上の四つのつまみでの入力が可能です。
つまみの形やフロントパネル全体が醸し出す雰囲気、やはりそこはかとなく、SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5、prophet-T8の残り香を感じます。
つまみは1種類、つまり、全て同じ形状なのですが、prophet-5、prophet-T8の様な、どこを指しているかを示す白線の入っているものは滑らかにまわり、そして白線が無いものにはクリック感があります。前者は大雑把に、後者は数値を1ずつ増減できます。
オシレータ波形等選択に関するもの、そして、画面の上の四つのつまみは後者、カットオフやレゾナンス、ADSR等は前者です。但し、全てのパラメーターは画面の上の四つのつまみでの入力が可能です。
アメリカのメーカーのシンセであるにもかかわらず、こたつやちゃぶ台といった日本的な設置場所にあっても、違和感を感じません。
プリセット音の中には、例えば、
プリセット音の中には、例えば、
SEQUENTIAL CIRCUITSならぬ「Sequential Circus」。
「CSFiveOh」などというものもあります。YAMAHA CS-50の事でしょうか。
鍵盤。
ベロシティだけでなくアフタータッチも使えます。けっこう静かでした。
ベロシティだけでなくアフタータッチも使えます。けっこう静かでした。
裏におもりが装着されています。
ボリューム、アナログディストーションのデプス、オクターブアップ/ダウン、グライドのオン/オフ、ホールド、そして、この下にある二つのリボンコントローラーのラッチボタン。
縦に配された二つのリボンコントローラー。
触れた位置だけでなく指圧にも感応します。
触れた位置だけでなく指圧にも感応します。
触れた高さに赤いLEDが追従します。最高位置で10個のLEDが灯ります。
二つのホイールは、赤くライトアップされています。
フロントパネル。
フロントパネル中央上にある有機ディスプレイは、一度に表示する情報量は多いとはいえないのですが、画面左のShowボタンをオンにして各パラメーターの操作子を動かすと、最新保存値を視認する事ができます。
基本的にデジタルアクセスコントロールタイプのシンセが好きながら、なまじ一度に沢山表示されるより、確認したり変えたりしたいパラメーターをたぐり寄せる形の方が好きな私としては、ありがたいインターフェイスといえます。
エディットモード時、画面には最大四つのパラメーターが表示され、上に四つあるつまみでバリューを変更します。
また、四つのページへの選択肢が表示される局面では、下の四つのボタンを使って入っていく事ができます。
基本的にデジタルアクセスコントロールタイプのシンセが好きながら、なまじ一度に沢山表示されるより、確認したり変えたりしたいパラメーターをたぐり寄せる形の方が好きな私としては、ありがたいインターフェイスといえます。
エディットモード時、画面には最大四つのパラメーターが表示され、上に四つあるつまみでバリューを変更します。
また、四つのページへの選択肢が表示される局面では、下の四つのボタンを使って入っていく事ができます。
音色プログラムはバンクセレクト、プログラムセレクトつまみを以て選択します。
コルグのアナログモデリングシンセのモッドシーケンス機能、Roland V-Synthシリーズのマルチステップモジュレータにあたる、アドバンスドステップシーケンサーを装備しています。モジュレーションマトリックスを介して、様々なディスティネーションの周期変化、径時変化、周期変化の径時変化のソースになります。
アナログシーケンサーKORG SQ-10の12ステップ×3チャンネル、KORG MS2000シリーズ、RADIASのモッドシーケンス機能16ステップ×3チャンネル、Roland SYSTEM-100Mのアナログシーケンサーモジュール182 SEQUENCERの16ステップ×1チャンネルないし8ステップ×2チャンネル等に比して、PRO 2のアドバンスドステップシーケンサーは、32ステップ×8チャンネル、あるいは16ステップ×16チャンネルと、一度により多くのディスティネーションへの、そしてより細やかな変化のソースとして使えます。
手操作によるつまみの動きのリアルタイム入力や、ステップ入力ができます。
アナログシーケンサーKORG SQ-10の12ステップ×3チャンネル、KORG MS2000シリーズ、RADIASのモッドシーケンス機能16ステップ×3チャンネル、Roland SYSTEM-100Mのアナログシーケンサーモジュール182 SEQUENCERの16ステップ×1チャンネルないし8ステップ×2チャンネル等に比して、PRO 2のアドバンスドステップシーケンサーは、32ステップ×8チャンネル、あるいは16ステップ×16チャンネルと、一度により多くのディスティネーションへの、そしてより細やかな変化のソースとして使えます。
手操作によるつまみの動きのリアルタイム入力や、ステップ入力ができます。
アドバンスドステップシーケンサー使用時、16個の自照型ボタンが点灯します。
ボタンの上にある16個のランプは、多くのアナログシーケンサーやコルグのモッドシーケンス機能同様、実行中のステップに該当するものが点灯する様になっています。
また、押鍵時のみアドバンスドステップシーケンサーが実行される設定の場合、押鍵中、Play/Stopボタンのランプが灯ります。
ボタンの上にある16個のランプは、多くのアナログシーケンサーやコルグのモッドシーケンス機能同様、実行中のステップに該当するものが点灯する様になっています。
また、押鍵時のみアドバンスドステップシーケンサーが実行される設定の場合、押鍵中、Play/Stopボタンのランプが灯ります。
内蔵エフェクターとして、コーラス、フランジャー、リバーブにもなるディレイ、遅延回路BBDをシミュレーションしたディレイを積んでいます。
1980年代初頭、KORG SDD-3000(KORG SDD-3000 PEDALが出ます参照)やBOSS DD-2等、身近な所にデジタルディレイが現れ始めた頃、アナログディレイの風合いが陳腐な感じがしたですが、20余年経って電氣蕎麦さんで、たしかBOSS DM-2の濡れた風合いのエコー感を体験して、アナログディレイも捨てたものではないなと思う様になりました。
1980年代初頭、KORG SDD-3000(KORG SDD-3000 PEDALが出ます参照)やBOSS DD-2等、身近な所にデジタルディレイが現れ始めた頃、アナログディレイの風合いが陳腐な感じがしたですが、20余年経って電氣蕎麦さんで、たしかBOSS DM-2の濡れた風合いのエコー感を体験して、アナログディレイも捨てたものではないなと思う様になりました。
LFOの専用操作子群。
LFOの設定画面。
オシレータの専用操作子。
オシレータはVCOではなくアナログモデリングで、基本的な波形は四つ(鋸歯状波、パルス波、三角波、サイン波)。クロスモジュレーションやシンクロが使えます。波形を変調する事、さらにそれを様々なソース(LFO、オグジュアリーENV、アドバンスドステップシーケンサー等)をもって、周期/径時変化を加える事ができます。
ノイズは、ピンク(画面ではなぜか“red”となっていました)とホワイトの他に、バイオレットなるタイプがあります。
ノイズは、ピンク(画面ではなぜか“red”となっていました)とホワイトの他に、バイオレットなるタイプがあります。
フィルターは2系統あり、そのカットオフ、レゾナンス、ENVデプス、ADSRは、操作子が2系統独立してフロントパネル上に設けられています。
フィルター1はローパス、フィルター2は、ローパス、ノッチフィルター、ハイパスを連続可変でき、その割合は画面に表示されます(撮り忘れました)。また、フィルター2はバンドパスフィルターにもなります。
フィルターはアナログだそうですが、その事の意義を微塵も感じませんでした。
フィルター1はローパス、フィルター2は、ローパス、ノッチフィルター、ハイパスを連続可変でき、その割合は画面に表示されます(撮り忘れました)。また、フィルター2はバンドパスフィルターにもなります。
フィルターはアナログだそうですが、その事の意義を微塵も感じませんでした。
フィルターエディット画面。
フィルターENVの操作子群。
つまみ上部に白い目印があり、クリック感の無いタイプです。
PRO 2のENVはDADSRタイプなのですが、押鍵からアタックタイム実行開始までの時間を設定するディレイタイムに関して、Dave Smith Instruments POLY evolver PE keyboardのフロントパネル左上にあるENV 3のような専用の操作子は無く、
つまみ上部に白い目印があり、クリック感の無いタイプです。
PRO 2のENVはDADSRタイプなのですが、押鍵からアタックタイム実行開始までの時間を設定するディレイタイムに関して、Dave Smith Instruments POLY evolver PE keyboardのフロントパネル左上にあるENV 3のような専用の操作子は無く、
画面に呼び出し、四つのつまみの左端のもので設定します。
ADSRは、画面上の四つのつまみでより緻密に設定する事も可能です。
また、この画面では、ADSRが折れ線グラフでも表示されます。
また、この画面では、ADSRが折れ線グラフでも表示されます。
アンプENV。
二つのオグジュアリーENV4、5の呼び出しボタンもあります。
オグジュアリーENVは、モジュレーションマトリックスを介して、一度に複数のディスティネーションのソースに割り振る事ができます。ディレイタイムが設定できる事も含め、様々なパラメーターに径時変化を与える事ができます。
SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5試奏記で、同機のENVのアタックタイムの変化が恐ろしく緻密である事、そしてアナログモデリングシンセstudiologic sledgeがおそらくその影響を受けている事をstudiologic sledge試奏記で書きました。PRO 2のENVのアタックタイムも、両機ほどではないのですが緻密な設定が可能です。
ちなみにKORG MS-20 miniの場合、アタックタイムを0にしてもアタック感が薄く、アタックタイムつまみを回す以前に右へ少し力が入っただけで、吹奏楽器みたいなアタックになってしまいます。
二つのオグジュアリーENV4、5の呼び出しボタンもあります。
オグジュアリーENVは、モジュレーションマトリックスを介して、一度に複数のディスティネーションのソースに割り振る事ができます。ディレイタイムが設定できる事も含め、様々なパラメーターに径時変化を与える事ができます。
SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5試奏記で、同機のENVのアタックタイムの変化が恐ろしく緻密である事、そしてアナログモデリングシンセstudiologic sledgeがおそらくその影響を受けている事をstudiologic sledge試奏記で書きました。PRO 2のENVのアタックタイムも、両機ほどではないのですが緻密な設定が可能です。
ちなみにKORG MS-20 miniの場合、アタックタイムを0にしてもアタック感が薄く、アタックタイムつまみを回す以前に右へ少し力が入っただけで、吹奏楽器みたいなアタックになってしまいます。
リアパネル側。
「PRO 2」のロゴ。
USB、MIDI IN、OUT、OUT2/THRU、フットスイッチ、エクスプレッションペダルの端子群。
CV IN/OUT、GATE OUTの端子群。
CV出力でアドバンスドステップシーケンサーを、外部のシステムシンセサイザー等のアナログシーケンサーとしても使えます。
ビンテージ機との併用はもちろん、昨今新たに製造され始めた電圧制御のシンセ、つまりアナログシンセ復刻機の流れと関係があるのかもしれません。
ちなみにデイブスミスインストゥルメント社から、VCFモジュールDave Smith INSTRUMENTS DSM01 CURTIS FILTERが発表されています。既に創業者デイブ・スミスさん自身による、PRO 2発表時のデモンストレーション演奏の動画内に映り込んでいます。
音声出力はステレオ1系統。音声入力端子もあります。
「Dave Smith」「INSTRUMENTS」のロゴ。
ADSRタイプとはいえディレイタイムのあるENV、モジュレーションマトリックス、アドバンスドステップシーケンサーの組み合わせは、脳裏で音を鳴らし、それを文書化(シナリオ化)、数値化してからマニピュレーションを始める私にとって、本当にかゆい所に手が届く機能です。
翻って、音を探す(Roland JD-800試奏記参照)形のマニピュレーションの場合、はたしてDave Smith INSTRUMENTS PRO 2の真価を引き出せるのでしょうかね。
implant4さんの接客要員、アナログモノフォニックシンセサイザーSEQUENTIAL CIRCUITS Pro-One。
平成30(2018)年9月1日追記。
平成30(2018)年9月1日(現地時間8月31日)、Dave Smith INSTRUMENTS(デイブスミスインストゥルメント)が同社ウェブサイトで、社号を「SEQUENTIAL」(シーケンシャル)と改めた事を告知しました。
Dave Smith INSTRUMENTS PRO 2
http://fukusan.com/products/sequential/pro2/Dave Smith INSTRUMENTS DSM01 CURTIS FILTER
http://fukusan.com/products/sequential/dsm01/
http://fukusan.com/products/sequential/dsm01/
令和元年(2019年)5月18日追記。
同日、PRO2の製造終了が発表されました。
by manewyemong
| 2014-09-23 12:29
| シンセワールド
|
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