NEW POST

YAMAHA MX61試奏記

 implant4さんでYAMAHA MX61を試奏させていただきました。入荷直後だったようなのですが、状態は良く、早晩在庫リストに上げられると思います。

a0060052_1371723.jpg
 
 YAMAHA MXは平成24(2012)年秋に発売されました。61鍵機MX61の他に、昨今のPCM音源のシンセとしては珍しい49鍵機MX49があります。

 シンセサイザーエンジン部分は、YAMAHA SY77EX5MOTIF XS等の流れを組むAWM2なのですが、奏者やマニピュレータがアクセスできるパラメーターが少なく、アナログシンセサイザー黎明期の、所謂プリセットタイプのような趣きです。かつてのDTM音源に鍵盤や演奏操作子を付けた、という表現もできるかもしれません。

 したがって、今回の試奏では音色を全く作っていません。メーカープリセット音を鳴らしただけです。

 オシレータ波形の精度は、さすが総合楽器メーカーのヤマハさんらしく、鍵盤、吹奏、撥弦、擦弦、打、いずれも素晴らしいと思います。

 基本的に私はPCMシンセのオシレータ波形の精度があまり上がりすぎると、シンセサイザーのオシレータの1波形としての使い勝手は落ちると考えています。オシレータ波形で完結してしまうからです。

 ただし、今回のYAMAHA MXは、そもそも本格的なマニピュレーションをする事ができない故、そういった話の埒外のモデルだと思います。私がこのMXを使うとしたら、音楽の肝心要の部分よりは、脇を固める事、例えば、アナログシンセやFM音源、12ビットのサンプラーしかなかった頃の、

a0060052_1381875.jpg
 
 KURZWEIL 250のような位置づけになると思います。

a0060052_1392217.jpg
 
 フロントパネルの操作子群を見ていきます。

a0060052_1394046.jpg
 
 フロントパネル左方にあるつまみ群。

 突起が付いていて、つまみが今どこを指しているかを、つまむだけでも分かりやすい形状をしています。

 予め役割が割り振られていて、右にあるノブファンクションボタンを押し送って、どれを使うか選択します。ファンクション3番のC、Dつまみはアサイナブルです。

a0060052_13103100.jpg
 
 ギターのカポタストのようなキートランスポーズ、オクターブアップ/ダウン、エディットモードボタン等。

 オクターブアップ/ダウンボタンは、押されると赤いランプが点灯し、アップ/ダウンの深度が一瞬画面上に表示されます。

a0060052_13104071.jpg
 
 画面。

a0060052_131135.jpg
 
 入力操作子群。

 ダイヤルやDEC/INCボタンと、ワークステーション機並みです。

a0060052_13111195.jpg
 
 音色のカテゴリー選択等のボタン群。

 ヤマハはボタンの脆弱感がどうのといった話が出てくる心配が無いメーカーであり、YAMAHA MXの操作子群の感触も、上級機にも負けない使いやすいものだと思います。

a0060052_13114753.jpg
 
 フロントパネル右端の「MX61」のロゴ。

a0060052_13123981.jpg
 
 ロゴがこの向きにあるという事は、YAMAHA MXのデザインが、奏者やマニピュレータだけでなく、演奏を見聴きする人の目線をも考慮したという事だと思います。

 フロントパネルがアナログシンセみたいにごちゃごちゃしていない…ヤマハデジタルシンセ、特にYAMAHA SY22、SY35のデザインが上級機以上に気に入っていた身には、YAMAHA MXの姿は、惹かれます。上級機に関しても、つまみだのスライダーだの野暮な操作子は必要最小限にしておいてほしいものです。

a0060052_13125442.jpg
 
 ホイール。

 左側のピッチベンド用のものは、手指を離せばニュートラル位置に帰って来るものですが、ヤマハシンセに関して、いずれもコルグよりも反発が緩い気がします。どうも私はコルグの方が気に入っています。

a0060052_13132568.jpg


a0060052_1313335.jpg
 
 鍵盤。

a0060052_13143237.jpg
 
 裏におもりは無いのですが、流石ヤマハさん、このクラスでは最良の感触だと思います。静粛性にも優れていると思います。

 気のせいなのかもしれませんが、特に弱く弾いた時、鍵盤がニュートラル位置へ帰り着く直前に上がり切ろうとする力が加わってくれているような気がします。スタッカート/レガートが弾き分け易い鍵盤だと思います。

a0060052_13145674.jpg


a0060052_13151942.jpg
 
 リアパネル側。

a0060052_131550100.jpg


a0060052_1316070.jpg
 
 MIDI OUT/IN、USBタイプA、B。

 YAMAHA MXは、USBを介して、MIDIだけでなくオーディオデータを扱う事もできます。

a0060052_13163656.jpg


a0060052_13164116.jpg
 
 ダンパーペダル及びフットスイッチ/ペダル端子、ステレオ1系統のオーディオ出力端子。

 残念ながら、フットスイッチかエクスプレッションペダルのどちらかを選ばなければなりません。より価格が安いワークスステーション機KORG KROSS-61は、両方使えます。

a0060052_1317247.jpg
 
 筐体、特にフロントパネルの部分にアルミが使われている場合、色がくすんで見えたり、時が経つと本当にくすんでくる事があるのですが、studiologic sledgeやKORG KROSS等のプラスチックの筐体は、特に明るい原色の発色が良い事や、重量が軽くなるので注目しています。

 YAMAHA MXも、落ち着いた色使いながら、どこかポップな感じがします。


平成28(2016)年7月22日追記。

 カラーバリエーション機MX BK、MX BUが発表されました。

 MX BKは、既存モデルのワインレッドの部分がオレンジ色に変更されています。そして、MX BUは、筐体がかつてのCS1xのような鮮やかな水色です。

 また、オプションだったソフトケースが付属するようになりました。

 ちなみに、旧機の製造は終了しました。


平成28(2016)年11月6日追記。

 平成28年12月1日、限定生産の白色モデルYAMAHA MX61 WH、MX49 WHが発売されます。

a0060052_08443534.jpg


a0060052_08451099.jpg
 
 画像はMX61 WH。

a0060052_08453607.jpg
 
 2016楽器フェアで撮りました。


平成29(2017)年4月20日追記。

 YAMAHA MXの88鍵機MX88が発表されました。発売日5月1日。価格税込118,800円。


YAMAHA MX BK/BU
http://jp.yamaha.com/products/musical-instruments/keyboards/synthesizers/mx/?mode=series#tab=feature



[PR]
by manewyemong | 2014-09-15 13:20 | シンセワールド | Comments(0)

シンセサイザー、デコラティブジャパン(絢爛な日本)文化、絵巻、屏風、浮世絵、都市散歩、神社が好きです。鈴木春信の春画「風流艶色真似ゑもん」にちなみました。


by manewyemong