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ARP ODYSSEY試奏記(1)

 平成27(2015)年3月21日に発売された、ARP ODYSSEYを試奏してきました。

 このARP ODYSSEY復刻機について、既にARP ODYSSEYが復刻されるそうですARP ODYSSEY、復刻成るで採り上げています。

 ここARP ODYSSEY試奏記(1)では、主にODYSSEYの概要、及び奏者やマニピュレータとの接点に関する事を、そして、ARP ODYSSEY試奏記(2)では、各パラメーターの事を記します。

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 ARP ODYSSEY復刻機の姿は、三つのリビジョンのうちの最終型、リビジョン3のものが採られています。

 試奏する為に近くに寄ってみて、フロントパネルのあの独特の風合いが再現されている事に驚かされました。

 ARP ODYSSEYは、86%にダウンサイジングされた今回の復刻機はもちろん、オリジナル機でさえも、決してフロントパネルが広いとは言い難いシンセであるにもかかわらず、数多のパラメーターを持ち、その操作子が余裕のある形で配されています。ODYSSEYの魅力は、マニピュレーションに意外な幅や奥行きがある事と、使い勝手の合理性だと思います。

 スライダーやスイッチといった操作子はいずれも小さいのですが、手指で扱い易い事も使い勝手の良さに貢献していると思います。スライダーはオリジナル機よりも滑らかな操作感を実現しているとの事です。

 鍵盤は、KORG MS-20 miniRK-100Sで採られているスリム鍵盤。

 形状や感触は先の2モデルと変わりません。ただ、明らかに気のせいなのですが、フロントパネルが鍵盤近くでそそり立っているMS-20 miniよりも、視界が開けていて弾く事が楽しい感じがします。

 いずれにしても、今後もアナログシンセやアナログモデリングシンセに採用してほしい鍵盤です。

 また、ちょっと見えにくいかもしれませんが、

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 ODYSSEYオリジナル機(implant4さんで撮影)や、

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 ARP AXXE(アクシー。電氣蕎麦さんで撮影)は、鍵盤が筐体からかなりはみ出ていて、お腹が出っ張った奏者が演奏を終えて立ち上がった時等に引っ掛けてしまいそうなのですが、ODYSSEY復刻機の鍵盤は筐体から突出していないので、そのリスクは減っていると思います。

 リアパネルを見ていきます。

 オリジナル機には無いMIDI IN、USB端子があります。ODYSSEYをDAW環境に組み込む事ができます。

 ARP ODYSSEY、復活成るで、エクスプレッションペダルとしたのですが、実際はフットボリュームを接続する端子があり、ビブラートやグロウル効果のコントロールに使えます。

 ポルタメントのオフ/オンをコントロールするフットスイッチの端子があります。フットスイッチを踏むとポルタメントがオフになり、離すとオンになります。

 エクスターナルイン端子があり、ここから入力された音声は、オーディオミキサーセクションに行き、VCF、VCAを通ります。ODYSSEYをエフェクターとして使う事ができます。

 トリガーINとゲートOUT端子を付属のパッチケーブルでつなぐと、本来マルチのトリガーモードがシングルに変わり、レガートした時、リトリガーしなくなります。ただ、この接続をもってODYSSEYが純粋なモノフォニックシンセになるわけではなく、演奏には一考が必要です。

 その事とも関わっているのですが、ARP ODYSSEYはKORG 800DV同様、キーアサイナーが無かった時代からデュオフォニック演奏ができます。ただし、800DVが完全なモノフォニックシンセ2台のロワー側を低着優先、アッパー側を高着優先という形で発声を割り振るのですが、ODYSSEYは、VCO1を低着優先、VCO2を高着優先に割り振っています。VCF、VCAは1系統です。800DVもODYSSEYも、「ドレミファ」と押鍵すると「ドファ」を発声します。

 コンボタイプのアナログシンセながら、各パラメーターのソースとディスティネーションの関係が、結構フレキシブルです。例えばAR EG/ADSR EGとVCF/VCAの関係はいかようにも組み合わせる事ができます。

 試みにVCFへADSR、VCAへARを割り振り、即席で喜多郎prophet-5ホルンを真似てみました。VCFのレゾナンスでクセをつけなくても、EGの径時変化にメリハリというか明瞭度があり、少し苦しげに吹いている、しかし雄大なあの感じを簡単に出す事ができました。

 また、PWMのソースにEGを使える事や、二つのVCOのピッチを強制的に同期させられる事とVCO2のピッチにEGをかけられる事を利用して、姫神せんせいしょん風の撥弦系の音色を作ったのですが、文字通り弦を「ピョン」と明るく撥ねる感じがよく出せました。

 かつて所有していたKORG Mono/Polyは、EGを直接ピッチにかける事はできなかったのですが、シンクロ/シンクロ&クロスモジュレーション/クロスモジュレーションのフリケンシーのソースに、VCF EGを充てる事ができました。シンクロ&クロスモジュレーションを使って、擦弦楽器の弓弾きの効果を真似たりしていたのですが、ARP ODYSSEYのシンクロでも、似たような効果を得る事ができました。

 ARP ODYSSEYには、セミハードケースが付属しています。

 リビジョン1、2のカラーリングを採ったバリエーション機が、限定生産という形で、来る5月登場予定です。

 ARP ODYSSEY試奏記(2)へ続きます。各パラメーターについて記します。


平成27(2015)年5月26日追記。

 本文中に、KYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015で撮った画像を加えました。


平成28(2016)年9月2日追記。

 ARP ODYSSEY Moduleが出ますをアップいたしました。


ARP ODYSSEY

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by manewyemong | 2015-03-24 21:19 | シンセワールド | Comments(0)

シンセサイザー、デコラティブジャパン(絢爛な日本)文化、絵巻、屏風、浮世絵、都市散歩、神社が好きです。鈴木春信の春画「風流艶色真似ゑもん」にちなみました。


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