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KYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015に行ってきました

 平成27(2015)年5月23、24日、京都リサーチパーク西地区4号館地下1階バズホールで、内外のシステムシンセサイザーの見本市、KYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015が催されました。

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 福産起業さんのブース。各社のユーロラック準拠のシステムシンセサイザーのモジュールが集まっていて、やはりこのブースが最も壮観でした。

 モジュールによっては、モジュールそのものはデジタルのものもあって、全てが電圧で為されているという、私のカビが生えたようなシステムシンセ観は20世紀の残滓でしかないようです。

 また、つまみ等にポップカラーを配しているものもあり、重厚というシステムシンセのイメージも過去のもののようです。

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 REONのブース。

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 REON DRIFTBOX MODULAR SYNTHESIZER RE-1000 mark III

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 おなじみ、巨大なシステムシンセサイザー。

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 REONの新しいシステムシンセ、REON M-System C1 modular synthesizer。

 商品化されるのか否かお聞きするのを忘れました。雰囲気が先般復刻されたmoog model 15に似ているような気がします。

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 長大なリボンコントローラー。先の黒いシステムシンセと繋がっていて、色々遊ばせていただきました。

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 新製品、REON drift box J。

 2本のジョイスティックの動きを内蔵シーケンサーに記録し、CV出力できるコントローラー。右のランプが緑色の方が試作機、左のみかん色の方が間もなく発売される製品版です。

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 私にはdrift box Jが、ダッコちゃんの顔に見えて仕方がありません。

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 ローランドのブース。

 いずれも先のmusikmesse 2015で発表されたモデルです。

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 Roland AIRA SYSTEM-1m

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Roland AIRA SYSTEM-500

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 SYSTEM-500はローランドだけでなく、SYSTEM-500の製造元であるMALEKKOのブースにもありました。どちらもモックアップ品ではなく、音が出ます。AIRA SYSTEM-500の開発は既に終わっているのかもしれません。

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 KORG MS-20M Kit。製造台数限定の為か楽器店で見かける事が無く、今回初めて多少なりとも触れる事ができました。しかしながら、かねてから興味を持っていたPWMは、試し忘れてしまいました。

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 moog WERKSTATT-01 MOOGFEST 2014 Kit

 オプションのmoog WERKSTATT CV EXPANDERが装着され、アナログシーケンサーKORG SQ-1と繋がっていました。

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 KORG SQ-1

 KYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015会場で、コルグのブース以外でもSQ-1を何台も見ました。おそらく相当ヒットしているのではないでしょうか。

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 moog III p(モーグスリーポータブル)とRoland SYSTEM-100Mのキーボード184。

 冨田勲さんが最初に手にした事や、その輸入時のすったもんだは有名です。ただ今回展示された個体は、いわば前期型といえるもので、冨田さんが所蔵した個体はmoog III cの構成をmoog III pに持って来た型だそうです。

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 moog III pの裏面。

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 184のコントローラー部。184にはキーアサイナーがあり、4セットのシステムシンセを4声ポリフォニックとして使う事ができます。

 また、Roland JUPITER-4、JUPITER-8と同じアルペジエータがあり、フライングジュピターに使えます。

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 SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5

 リアパネルにヒートシンクがあり、「prophet-5」のロゴプレートが小さいリビジョン。素晴らしい美品でした。

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 Roland SYSTEM-700とデジタルシーケンサーRoland MC-8。

 喜多郎さんの昭和55(1980)年9月16~18日の渋谷パルコ公演(ライブアルバム「喜多郎インパースン」収録)のおり、Roland SYSTEM-700とRoland MC-8に、ローランドのスタッフがマニピュレータとして就きました。

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 ARP 2500とEMS SYNTHI AKS。

 この両機には、パッチングに関してケーブルを使わないという共通点があります。ARP 2500はソースとディスティネーションのマトリックスの交点位置へスライダーを合わすマトリックススイッチ、EMS SYNTHI AKSは、マトリックスの交点位置にピンを立てるマトリックスピンボードです。

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 ARP 2500はたしか1970年のデビューだったと思うのですが、この時点でアナログシンセの仕様が完成していたといえるようなモデルです。

 映画「未知との遭遇」に出演した事でも知られています。

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 EMS SYNTHI AKS。

 安部公房が愛用した事でも有名です。

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 マトリックスピンボード。

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 ANALOGUE SYSTEMS 8500。

 美品だなと思ったら、ユーロラックのシステムシンセ現行機でした。なぜ、ビンテージシステムシンセのコーナーにあったのでしょうか。

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 moog III c(モーグスリーコンソール)。

 このシンセの前にいた人達にうかがったのですが、システムシンセのパッチケーブルは音色に影響を与えるそうで、システムシンセ本体以上にこだわりを持つ方々がいるそうです。

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 moog III cの裏面。蓋をする事ができるのか否かお聞きするのを忘れました。

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 KORG PS-3100。

 独立発振方式のポリフォニックシンセ。鍵盤の数だけオシレータがあるが故に、テンパーメントアジャストという、チューニングを純正調や民族音階にできる機能があります。フロントパネル左端の縦に12個並んだつまみ群が、その操作子です。

 KORG PSシリーズは、PS-3100にプログラマブル機能を付けたPS-3200、そして、PS-3100を3台分内包したPS-3300が続きます。PS-3200、PS-3300はキーボードがPS-3010として独立しています。

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 PS-3100のコントローラー、ホイール及びモーメンタリースイッチ。この二つはKORG MS-20に継承されました。

 PS3200/3300用のPS-3010のコントローラーはジョイスティックです。

 PS-3100に乗っているMS-20、ビンテージシンセコーナーにあるので、てっきり旧機だと思ったのですが、リアパネルにUSBとMIDI INがありました。KORG MS-20 Kitでした。

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 KORG MS-50。

 小型ながら完全なシステムシンセサイザー。古山俊一さんの「シンセサイザーここがポイント」(音楽之友社刊)に、MS-50を使った健康診断の方法が載っていました。

 MS-50も86%にダウンサイジングして、MS-50 miniとして復刻していただけたらと思います。

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 松前公高(まつまえ・きみたか)さん所蔵のKORG MS-20

 側板が透明のアクリル。中身が見えています。フジテレビのスタッフさんの手に依るものだそうです。

 松前さんがこのMS-20を使ってデモンストレーションを披露してくださったのですが、奏者が楽器に愛されるというのはこういう事なのだろうなと思える、素晴らしい演奏でした。

 有名なハイパスフィルター、ローパスフィルターのカットオフのつまみ二つを同時にまわす技も観察する事ができました。帰途、丹波口駅ホームで指使いを真似していたら、そばにいた人から変な目で見られました。私が一体何をしていると思ったのでしょうね…。

 パッチングは画像にある通り、ホイールによるピッチベンドに関する1本のみでした。このホイールによるピッチベンドか、ポルタメントタイムを8より若干上に上げて1オクターブ上へレガートした時だったか忘れたのですが、miniKORG 700S800DVの1オクターブ上へかかるオートベンドと酷似した風合いの瞬間が何度かあり、当たり前の話ですが、700S、800DV、MS-20がコルグというメーカーの血肉を分けたシンセである事を感じました。

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 4MSのシステムシンセサイザー。

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 Alyseumのシステムシンセサイザー。

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 赤いつまみがトレードマークのTHE HARVESTMANのシステムシンセサイザー。

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 一部キリル文字が書かれたモジュールが組み込まれていたのですが、ロシアというかソ連のメーカーの古いアナログシンセモジュールの復刻機のようです。

 ユーロラック準拠とは、モジュールの姿そのものには軛(くびき)がかかった状態でもあるわけですが、その中で各社が自分のカラーを製品に込めている事が分かります。

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 上の方でEMS SYNTHI AKSに関して、パッチングにケーブルを使わないとしたのですが、これは改造機なのでしょうか。マトリックスピンボードにパッチケーブルが差し込まれています。

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 不思議な楽器がありました。

 おそらくKYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015で、唯一、アンプやスピーカーが要らない楽器。

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 発声のメカニズムそのものは、横に貼られた弦を白い機具が自動的にはじく撥弦楽器なのですが、これがロボットのようにマニピュレータが意図した旋律が打ち込まれているのか、あるいは、何らかのアナログ回路によって偶発的に動作する白い機具が決められるのか等、何もかも不明です。

 欧米系の方が持ち込んだもののようなのですが、オルゴールや水琴窟を愛でる日本人の感性に訴求する楽器です。

 私がKYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015で最も感じ入った事は、演奏する側であれ、製造販売する側であれ、シンセサイザーに淫する人が、未だこの世にかくも数多いらっしゃるという事実でした。


KYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015
http://jfom.info/KFoM2015.html

REON
http://www.implant4.com/REON.html

by manewyemong | 2015-05-24 22:45 | シンセワールド | Comments(0)