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ARTURIA MATRIXBRUTEが出ます

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 平成28(2016)年1月22日、アナログシンセサイザーARTURIA MATRIXBRUTEが発表されました。

 すでにアートリアのサイト(英文)に、MATRIXBRUTEに関する記事がアップされています。

 なにぶん私は英文に不案内なので、以下の文章が時に誤報になってしまう可能性の大なるをお断りしつつ、取り上げてみたいと思います。

 なお、平成28(2016)年11月7日、同月4日から6日まで東京ビッグサイト催された2016楽器フェアで撮影した画像を載せました。

 MATRIXBRUTEの姿に関して、キーボード及びコントローラー部の上に、角度調整が可能な筐体部分が載っています。そして、MATRIXBRUTEの機能上の特徴でもある、縦16横16、つまり256個の自照型マトリックスボタンが目立ちます。

 VCOは三つあります。その内二つは同じ仕様で、鋸歯状波、PW(矩形波を含む)、三角波があり、それらから一つを選択するのではなく、各々のレベルを設定する形で併用できます。

 また、これらの波形には、各々BRUTEシリーズの伝統ともいうべき、ウルトラソー(鋸歯状波)、パルスウィズ、メタライザー(三角波)といったパラメーターがあります。これらはマトリックスのディスティネーションとして、径時変化、周期変化等を加える事ができます。

 また、二つのVCOともにサブオシレータがあります。

 この二つ以外にもう一つVCOがあります。三つ目の通常のオシレータとして以外に、他のVCOへのモジュレータ等に使えるようです。

 VCO3の横に、ホワイト、ピンク、レッド、ブルーからどれか一つを選ぶ形のノイズジェネレータがあります。

 三つのVCO、ノイズジェネレータ、そして外部入力のレベルを決めるミキサーがあります。

 三つのLFOがあるはずなのですが、フロントパネル上には二つしか視認できず、おそらくあと一つは実体があるのではなく、デジタルアクセスコントロールタイプと思われます。

 フロントパネルに露出している二つのLFOは同じ仕様です。

 ディレイタイム、レイトがあります。波形は七つから一つを選択します。トリガーモードはシングルかマルチを選べます。

 VCFは二つあります。一つは、ローパス、ハイパス、バンドパスを備えた、これもBRUTEシリーズの伝統ともいうべきスタイナーパーカーフィルター。そして、もう一つは、モーグ由来のラダーフィルター。パラメーター構成は同じです。

 上下に並ぶ二つのVCFの間に、フィルタールーチンというセクションが配されていて、これら二つのVCFを直列につなぐか並走させるかを決める事と、二つのVCFのカットオフフリケンシーをまとめてコントロールするマスターカットオフという操作子があります。特に公演での演奏時、二つのセクションにまたがったカットオフフリケンシーを同時に開け閉めすることは困難ですが、マスターカットオフつまみがそれを可能にしてくれます。このマスターカットオフつまみは他のつまみよりもひとまわり大きくなっています。

 三つのENVはADSR型で、全て実体をもって露出しています。

 ENV3にはディレイタイムを設定できるので、ENV3を次に記すマトリックスのソースに、そして二つのVCO(片方のみでも)のピッチをディスティネーションにして、喜多郎KORG 800DVブラストーンリードのディレイオートベンドを真似るといった事ができます。

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 MATRIXBRUTEのフロントパネルでおそらく最も目立つセクションであり、MATRIXBRUTEのマニピュレーションの可能性の幅や奥行きの根幹ともいうべき、マトリックスというセクションがあります。

 パッチングの16のソースが縦に、そして16のディスティネーションが横に並んでいます。ソースとディスティネーションの交点のボタンを押すと、そのボタンのランプが灯ります。

 マトリックスの16のディスティネーションの内の四つ、13〜16は、奏者やマニピュレータがパラメーターを充てる事ができます。

 一つのソースは複数のディスティネーションのソースたり得、また、一つのディスティネーションは複数のソースを受ける事ができます。ケーブルを介したパッチングよりも作業上も見た目も簡便ながら、複雑な設定が可能だと思います。

 おそらく、数多の人がARTURIA MATRIXBRUTEを目にすると、このマトリックスで視線が釘付けになり、自分なりの設定のアイディアを夢想すると思います。私は昨夜MATRIXBRUTEの姿の画像を見て以来、脳みそに暇ができると、マトリックスをどんな事に使うかばかり考えています。

 内蔵エフェクターはディレイ(ステレオ/モノラル)、コーラス、フランジャー、リバーブがあります。

 16ステップのシーケンサーとアルペジエータがあります。このセクションの操作子に併せて、マトリックスの256個の自照型ボタンも操作子となります。

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 コントローラーは、ピッチベンド及びモジュレーションホイール。モジュレーションホイールは、マトリックスのソースの一つでもあります。

 鍵盤は49鍵(4オクターブ + 「ド」)。ベロシティ、アフタータッチがあります。ベロシティ、アフタータッチはもちろん、押鍵(Kbd)までも、マトリックスのソースになります。

 リアパネルには、音声関係やUSB、MIDI (IN、OUT、THRU)などに加え、CV IN、CV OUTが各々12あります。CV方式は、アナログシンセサイザーのディファクトスタンダードともいうべき、Oct/Vです。

 昨年KYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015で、

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 EMS SYNTHI AKSを見た時、このマトリックスピンボードを持ったシンセの現行機があれば、また、今だったらプログラマブルにできるな等と様々思ったのですが、私がそんな事を夢想していた頃、おそらくアートリアさんは、このMATRIXBRUTEの開発を終えていたかもしれません。

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 ARTURIA MATRIXBRUTEは、シンセサイザーエンジン部分のパラメーターもマトリックスも、概ね構造化されずに操作子が実体をもって露出しているが故に、マニピュレーションに関して脳裏で音を鳴らしてから作業を始める私のような人間にとっても、音を探す(Roland JD-800試奏記参照)タイプの人にとっても、親しみやすいシンセサイザーだと思います。

 価格に関して、まだ噂の域を出ていないのですが、仄聞するに、あれ?と思うような甘さです。


平成29(2017)年3月24日追記。

 ARTURIA MATRIXBRUTE、3月29日発売、価格税込257,850円。

 既に取扱説明書も公開されています。


平成29(2017)10月11日追記。

 平成29年5月2日、NU茶屋町5Fのイシバシ楽器梅田店さんが、同ビル2Fでシンセや電子ドラムの特別展示をされたおり、撮らせていただいた画像を追加しました。

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ARTURIA MATRIXBRUTE(ディテール)

ARTURIA MATRIXBRUTE

ARTURIA MATRIXBRUTE(英文です)
https://www.arturia.com/matrixbrute/overview

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by manewyemong | 2016-01-22 12:09 | シンセワールド | Comments(0)

「あのシンセサイザー奏者が出しているあのシンセサイザー音はあのシンセサイザーで出してんのか!いっちょあのシンセサイザー買いにいくか!」よりも、「価値あるものを買うのではなく自分で価値を作れる人間は強い」(岡崎武志「女子の古本屋」より)でありたいと思います。


by manewyemong