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Dave Smith INSTRUMENTS OB-6が出ます

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 平成28(2016)年1月22日、アナログプログラマブルポリフォニックシンセサイザーDave Smith INSTRUMENTS OB-6が発表されました。

 同日発表されたARTURIA MATIRIXBRUTEと同じく、本稿脱稿の時点で英文の公式サイトしかなかったので、以下の記事の内容が誤報となる可能性をお含み下さい。

 デイブスミスインストゥルメント公式サイトの「OB-6 Annanced!」に、シンセサイザーメーカーのオーバーハイムやマリオンシステムの創業者トム・オーバーハイム(Tom Oberheim)さん、シーケンシャルサーキット及びデイブスミスインストゥルメントの創業者デイブ・スミス(Dave Smith)さんが並んでいる画像と、Dave Smith INSTRUMENTS OB-6に関する解説があります。

 コルグが他社機であるARP ODYSSEYの復刻機を出すぐらいなので、デイブスミスインストゥルメントがオーバーハイム由来のアナログポリシンセを出しても不思議ではないのですけど、やはり、OB-6のフロントパネルの横線と「OB-6」のロゴデザインを見た時は、驚きました。

 英文なので本当の所はわからないのですが、あるいはここで、デイブスミスインストゥルメントが、自身もシンセサイザーメーカーを持つオーバーハイムさんの過去の仕事に由来するシンセを作った事のいきさつに、触れているかもしれません。

 Dave Smith INSTRUMENTS OB-6について記していきます。

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 フロントパネルに走っている横縞、

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 「OB-6」のロゴデザインは、かつてのOberheim OB-8を彷彿とさせます。

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 また「Tom Oberheim」のサインも入っています。ちなみにTom Oberheim SEM-PRO(Tom Oberheim SEM-PRO、SEM with MIDI to CVを見ました参照)には、1台1台にトム・オーバーハイムさんの手書きサインが入っています。

 しかしながら、それでもぱっと見た瞬間、OB-6がデイブスミスインストゥルメントのシンセサイザーである事を意識させられます。

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 まず、筐体はSEQUENTIAL prophet-6がベースになっていると思われます。

 筐体の寸法は、81.3 cm(幅)32.3 cm(奥行き) 11.7 cm(高)。prophet-6がは幅がもう8mm広い事以外は同じです。重量も同じ9.5kgです。

 ボタン類、特に丸く小さいランプが付いているものは、prophet-6、ひいてはSEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5prophet-T8の頃のデザインを踏襲しています。

 フロントパネルの奏者側に横一列に並んでいる、オクターブトランスポーズ、ホールド、ポルタメントレイト、ポルタメントオン/オフ、ユニゾンオン/オフ、バンクセレクト、LED、10Sセレクト、1~8ボタン、書き込みボタン、グローバル、プリセットボタンのレイアウトが、prophet-6と同じです。

 ホイールレンジボタン、ユニゾンモード時のディチューンつまみはOB-6にのみあります。

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 赤くライトアップされた二つのホイール、そして鍵盤が49鍵で、ベロシティ、アフタータッチがある事、そして、ベロシティのディスティネーションが、VCF EG及びVCA EGのデプスだけであるという事も共通しています。

 6声ポリフォニックである事も同じです

 あくまで露出している部分に関してのみですが、パラメーター群について、フロントパネル左端から順に見ていきます。

 アフタータッチは、ディスティネーション(VCO1ピッチ、VCO2ピッチ、LFOデプス、VCA ENVデプス、VCF EGデプス、フィルターモード)から、一つに対してのみデプスを設定します。

 クロスモジュレーションは、VCF ENVとVCO2がモジュレータになり、各々のデプスを設定します。ディスティネーションはVCO1のピッチや波形、パルスウィズ、カットオフ、フィルターモード。

 LFOは、レイト、波形(サイン波、正逆鋸歯状波、矩形波、ランダム)、デプスがあり、ディスティネーションを、VCO1及び2各々のビブラートデプス、PWM、グロウル効果、トレモロの中から一つを選びます。

 VCOは1声あたり二つあり、波形を鋸歯状からパルス波まで連続可変出来ます。サブオシレータがあります。PWMのソースはLFOのみで、ENVを受ける事はできません。VCO2は1に対してディチューンをかける事ができます。

 ミキサーで、VCO1、2、サブオシレータ、そして、ホワイトノイズのレベルを設定します。

 VCFは、かつてのOberheim SEMのような2ポール。ローパス、ハイパス、バンドパスのどれか一つのタイプを選択します。専用のENVとそのデプスがあり、ベロシティをかける事ができます。キーボードトラックは、50%、100%、0があり、ボタンを押し送る形で選択します。ランプが消えた状態が0です。

 VCF ENVは、どうやらリバース曲線を設定する事はできないようです。

 VCAには、ヤマハのアナログシンセ(YAHAMA CS-5、CS-15等)同様、ENVデプスがあり、ベロシティをかける事ができます。

 VCF ENV、VCA ENVともに、リリースタイムとENVデプスつまみの間に、ベロシティをかけるか否かを決める自照型ボタンがあります。

 ちなみにSEQUENTIAL prophet-6の、VCF ENVデプス及びベロシティオン/オフはVCFセクションに、VCA ENVのベロシティオン/オフはVCA ENVセクションのENVデプスとアタックタイムの間にあります。

 アルペジエータ、ステップシーケンサーはprophet-6と同じものです。デイブスミスインストゥルメント社のシンセサイザーのアルエジエータには、かつてのRoland JUPITER-4、JUPITER-8のような押鍵順が反映されるアサインというモードがあります。喜多郎さんのフライングジュピターをシミュレーションできます。

 私の記憶が正しければ、かつてのオーバーハイム初のMIDIシンセは、Oberheim OB-8でした。その後、オーバーハイムはOberheim Xpander、Matrix-12、Matrix-6と、デジタルアクセスコントロールタイプの、そして、デジタルシンセのような数多のパラメーター構成のシンセを作るようになります。

 そして、今、Tom Oberheim SEM-PRO、SEM with MIDI to CV、Dave Smith INSTRUMENTS OB-6と、操作子群が露出した簡便な構成のシンセサイザーが出てきました。ここでも、実体を持つシンセサイザーはかくあるべき、という提案を見たような気がします。

 1980年代半ば、私の高校時代、楽器店でシンセサイザーを試奏する人達が、決まってヴァンヘイレンの「ジャンプ」のイントロを弾いていました。Roland VP-330等ボコーダーマイクに向かって「トキオ!」を言っている人達より多かった。このイントロに使われたシンセサイザーは、Oberheim OB-Xaだったそうです。

 Dave Smith INSTRUMENTS OB-6が使われる機会が多いのは、ヴァンヘイレン「ジャンプ」のイントロなのかもしれません。

 Dave Smith INSTRUMENTS OB-6、平成28(2016)年4月10日発売。価格は429,800円(税込)。

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平成28(2016)年4月12日追記。

 implant4さんで撮らせていただいた画像を添付いたしました。

 もちろん試奏もしたのですが、VCFの風合い等数点を除いて、SEQUENTIAL prophet-6との特段の相違を見つけられませんでした。したがって試奏記はありません。


Dave Smith INSTRUMENTS OB-6
http://www.fukusan.com/products/DSI/ob6.html

Dave Smith INSTRUMENTS OB-6
http://www.davesmithinstruments.com/product/ob-6/
デイブスミスインストゥルメント社サイトの記事。英文です。
取扱説明書(英文)のダウンロードもできます。

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by manewyemong | 2016-01-23 10:30 | シンセワールド | Comments(0)

「あのシンセサイザー奏者が出しているあのシンセサイザー音はあのシンセサイザーで出してんのか!いっちょあのシンセサイザー買いにいくか!」よりも、「価値あるものを買うのではなく自分で価値を作れる人間は強い」(岡崎武志「女子の古本屋」より)でありたいと思います。


by manewyemong