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Roland SE-02が発表されました

 平成29(2017)年6月20日、ローランドはプログラマブルアナログモノフォニックシンセサイザー、Roland SE-02を発表しました。

 SE-02は、アナログシンセの部分をスタジオエレクトロニクス社が、その他の部分をローランドが設計し、Boutiqueベースの筐体にまとめたものです。フロントパネルの「SE-02」のロゴの横には、「STUDIO ELECTRONICS」の銘が入っています。

 スタジオエレクトロニクス(STUDIO ELECTRONICS)社は、かつてMIDIMOOG、SE-1と、明らかにminimoogを意識したアナログシンセサイザーを製造していたメーカーです。

 ローランドのウェブサイトに、既にSE-02の記事がアップされています。その内容や画像を参考に、今、私が分かる範囲で記したいと思います。誤りがある可能性をお含み下さい。

 取扱説明書の公開、あるいはSE-02が発売され試奏する事ができた場合、ここの記述を大幅に改訂する可能性があります。

 ポルタメントはタイム(おそらくレイト)を設定するつまみと、ポルタメントのカーブのLIN(リニア変化)/EXP(非リニア変化)/オフを選ぶスイッチがあります。

 minimoogやbehringer Dの場合、モジュレーションミックスはVCO3(LFO)ないしフィルターEGとノイズないしLFOの混ぜ具合を決めてディスティネーションへ送る機能ですが、SE-02の場合、LFOとクロスモジュレーションの割合を決めます。

 VCOは三つあり、波形はminimoog同様、三角波、ランプ(RAMP:傾斜)波、鋸歯状波、矩形波、デューティー比の異なる二つのパルス波があります。VCO3だけランプ波の代わりに逆向きの鋸歯状波である事もminimoogと同じです。

 VCO2にVCF ENVをかける事ができます。デプスにマイナス値を設定する事もできます。もちろん、VCO2のオートベンドのソースとして使えますが、シンクロやクロスモジュレーションの効果をより複雑なものにする事が主たる目的のパラメーターと思われます。

 クロスモジュレーション→モジュレーションホイールスイッチで、クロスモジュレーションセクションの3種のうち、どれをモジュレーションミックスへ送るかを決めます。

 クロスモジュレーションセクションで、VCO2でVCFのカットオフに変調をかける、VCO3でVCO2の波形に変調をかける、VCO3でVCO1、2のパルス波に変調をかける、の3種のクロスモジュレーションの効果の深さを設定します。

 ミキサーは三つのVCO、ホワイトノイズのレベルを設定します。このノイズジェネレータは、minimoogのようにモジュレータに充てる事はできないようです。

 VCFはローパスフィルターのみ。自己発振するか否かはわかりません。

 VCFのキーボードトラックの設定はminimoogと同じで、1/3をオンの場合は鍵盤の変化に対して1/3、2/3をオンにすると2/3の割合で変化します。したがって、両方をオンにすると1/3 + 2/3 = 1、つまり押された鍵盤に沿って変化するようになり、また両方共オフにすると変化しない、という事になります。

 ちなみに、ローランドのシンセサイザーの場合、キーボードフォローと表記するのが常なのですが、SE-02はコルグが使っているキーボードトラックとなっています。

 コンター(CONTOUR)とはENVの事で、このつまみはVCF ENVデプスです。リバース曲線(INVERT)に設定する事もできます。また、トリガーモードをマルチかシングルか選択できます。minimoogの場合、後者だけでした。

 ENVはアタックタイム、ディケイタイム、サスティンレベルで、リリースタイムはminimoogの場合、ホイール横のディケイスイッチをオンにする事でディケイタイムと共用したのですが、SE-02の場合、オフ/1,2/2のスイッチがあります。

 VCO3をLFOに充てる形だったビンテージminimoogと違い、SE-02には専用のLFOがあります。

 波形はサイン波、三角波、正逆鋸歯状波、矩形波、デューティー比の異なる二つのパルス波、そして、二つのランダム波。

 LFOは、ビブラートデプス、グロウル効果のデプスを個別に設定する事ができます。これらはモジュレーションホイール等のコントローラーの状態とは関係が無い形で設定できます。

 これらはminimoogの場合、モジュレーションホイールの状態が決めていたのですが、それをそのまま継承した場合、SE-20の演奏に使うMIDIマスターキーボードが、ローランドのベンダーレバーやコルグのジョイスティックのような、手指を離すとコントローラーがニュートラル位置に帰るタイプだと、変調のデプスをとどめておく事ができません。

 モジュレーションホイールというかモジュレーションコントローラーによる変化のレンジは、オフ/ハーフ/フルと大雑把な形ですが、ピッチ(VCO)、グロウル効果(VCF)個別に設定できます。

 また、LFOの信号が常に垂れ流されるか、押鍵でリトリガーされるかを選ぶ事ができます。

 SE-02は、minimoogやbehringer DのようなLFOとノイズの混ぜ具合を決めてディスティネーションへ送るという事はできないようです。

 内蔵デジタルディレイがあります。ディレイタイム、フィードバック数、エフェクトレベルを設定します。

 SE-02にはステップシーケンサーが載っています。最大16ステップの一つのシーケンスをパターンと呼び、このパターンを128記憶できます。

 実行中のステップボタン(ステップランプ)が点灯する事は、Roland SYSTEM-700の717A、SYSTEM-100Mの182等多くのアナログシーケンサーやコルグのモッドシーケンス機能と同じです。

 ノートデータやゲートタイムに加え、ステップボタンを押しながら設定操作子を動かす事で、パラメーターの変化のアニメーションを作る事ができます。

 ステップから次のステップへが、文字どおりステップではなくスムースにしたい場合、グライド(ポルタメント)ボタンを押し、ステップボタンを押して指定します。例えば、ステップ1にVCO1の左端の三角波、その次に右端の最も幅の狭いパルス波を指定し、グライドをかけるとVCO1の波形が左から右へ連続したウェーブシーケンス(モーフィングではない)になります。また、幅の異なるパルス波を連結してPWMにする事も考えられます。

 SE-02のステップシーケンサーにはキートリガーモードがあり、押鍵(トリガーオン)離鍵(トリガーオフ)でコントロールできます。

 ステップシーケンサーの実行パターンは、正逆、正逆交互、ランダムがあるのですが、実行回数を指定する事はできません。押鍵中、いわばパターンが繰り返し垂れ流されるわけです。つまり、ステップシーケンサーそのものは周期変化のソースにはなっても径時変化には使えません。

 SE-02にはソングモードがあります。最大16パートで構成され、各々シーケンスを実行する音色、ステップシーケンサーのパターン、そしてその実行回数を設定します。このソングモードを径時変化のソースに使う事ができます。ソングは16記憶できます。

 ソングモードにもキートリガーモードはあるのですが、大変遺憾ながらRoland K-25mにマウントした時のみです。MIDIを介して外部キーボードの押鍵離鍵をトリガーに充てる事ができるようになれば、あるいは、ステップシーケンサーの実行パターンのところで実行回数を指定できるようになればと思います。

 SE-20はプログラマブルシンセであり、384のメーカープリセット音があり、128のユーザー音色を保存できます。

 SE-02は、操作したパラメーターが表示されます。また、前回保存値と見比べる事もできます。コンプボタンで現在値と保存値の表示を切り替えます。この切り替えが、発声にも反映されるのか否かはわかりません。

 Roland SYSTEM-500Boutiqueシリーズ、そしてこのSE-02を見て思うのは、ローランドがこういうものを出せるほどに、SH、SYSTEM、JUPITER、JUNO、VP、TRといった、かつてのローランドのアナログ機が、最早はるか遠い所へ行ってしまったのだ、という事です。

 また、コルグが他社機であるARP ODYSSEYを復刻するにあたって、シンセサイザー黎明期のモデルであるODYSSEYに対する、そして今は無きアープというシンセメーカーに対する敬意を感じたのですが、私はRoland SE-02から、minimoogやモーグに対する敬意は感じられません。

 Roland SE-02、平成29(2017)年7月28日発売。価格税込64,800円。7月28日に取扱説明書が公開されました。


Roland SE-02

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by manewyemong | 2017-06-21 09:15 | シンセワールド | Comments(0)

シンセサイザー、デコラティブジャパン(絢爛な日本)文化、絵巻、屏風、浮世絵、都市散歩、神社が好きです。鈴木春信の春画「風流艶色真似ゑもん」にちなみました。


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