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姫神せんせいしょんを知る

 昭和58(1983)年の元旦の夜、何気なくステレオコンポのラジオをつけ、チューニングつまみをFM大阪に合わせると同時に、私がこれまで聴いたことのない趣(おもむ)きの電子音楽が流れてきました。姫神せんせいしょんの「奥の細道」でした。

 私はラジオのつまみから指を離すことすらできず、曲が終わるまで中腰の格好で聴いていました。おそらく私は世界で最も間抜けな姿で、姫神せんせいしょんと出会ったファンだと思います。11年後、この番組が「音楽ってなんだ」という1時間の特番だったことを教わりました。

 番組では「奥の細道」の他、たしか「綾織(あやおり)」「えんぶり」等が披露されました。番組中、一つの傾向に偏らない選曲が為されたので、このグループの多様な魅力を堪能することができました。作品がかかる度に感動させられたおかげで、1時間のラジオ番組なのに、それに数倍するような濃密なひと時を過ごせました。

 この番組には姫神せんせいしょんのリーダーでキーボーディストの星吉昭(ほし・よしあき)さんがゲスト出演し、作曲や音に関すること、BGMを担当した映画「遠野物語」に関する話題、そして番組の為に、民謡「刈干切唄(かりぼしきりうた)」と「津軽じょんがら節」を、星さんが編曲・演奏し多重録音したものが披露されました。

 16年後の平成11(1999)年2月、岩手県玉山村で星さんとお話する機会があったのですが、そのおり、この2曲は4トラックのカセットMTRで作ったとお聞きしました。星さんのお話から類推すると、TEAC 144だと思います。この星さんの手によるシンセサイザー版「刈干切唄」「津軽じょんがら節」に関しては、いずれ改めて書きたいと思います。

 この番組を聴いた数日後、私は姫神せんせいしょんのアルバムを買うべく、レコード店に向かいました。この頃、姫神せんせいしょんは、アルバム「奥の細道」「遠野」「姫神」、そして映画「遠野物語」のオリジナルサントラ盤をリリースしていたのですが、その中から私が選んだのは、3枚目の「姫神」でした。先の番組中披露された曲が収録されていることと、ジャケット画が目にとまったことがその理由です。
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by manewyemong | 2005-11-05 10:32 | 音楽 | Comments(0)

「あのシンセサイザー奏者が出しているあのシンセサイザー音はあのシンセサイザーで出してんのか!いっちょあのシンセサイザー買いにいくか!」よりも、「価値あるものを買うのではなく自分で価値を作れる人間は強い」(岡崎武志「女子の古本屋」より)でありたいと思います。


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