ロシア音楽、ジャズとの類似点(1)
姫神・星吉昭さんが音楽に興味を持つきっかけになったロシア音楽やジャズと、姫神の作品との類似点について、少し考えてみました。
ロシア音楽の特徴の一つは、曲中、アッチェレランド(accel.:だんだん速く)やリタルダンド(rit.:だんだん遅く)といったテンポの変化がある事だと思います。ロシア音楽に触発されたのかどうかはわかりませんが、姫神の作品の中にもその要素を含んだナンバーがあります。「キーボードスペシャル」誌平成2(1990)年11月号に掲載された星さんのインタビューでも、自分の作品にはリタルダンドやアッチェレランドが多いとおっしゃっています。それらが最もわかりやすいのは、アルバム「遠野」の「サムト」や「海道」の「海道を行く」(part2の方がわかりやすい)ではないかと思います。
「サムト」の曲中で、アイリッシュハープのようなシンセ音のオスティナートのアッチェレランドの部分は、この曲のミステリアスな雰囲気がクライマックスに達するところだと思います。ローランドのデジタルシーケンサーCSQ-600に打ち込み、再生テンポをおそらく手操作で上げていったと思われます。Roland CSQ-600は後年のMIDIシーケンサーのように1ノート毎にテンポを設定するといった事ができないからです。深夜、風を伴って人里へやって来たサムトが、ついに我家の玄関のすぐ外に立った、そんなさし迫ったイメージを想起させられます。
「海道を行く」の間奏の「アァー…」という女声(part1のみ)、ストリングス、オスティナートを奏でるエレクトリックピアノといったシンセ音のフレーズは、アッチェレランドがわかりやすい部分です。この他にも「海道を行く」は曲中テンポチェンジする部分がいくつかあるのですが、私にはこれらが、大海原や浜辺を吹き渡っていく風の緩急の表現のように感じられます。「風をイメージして…」というNHK側の制作依頼時の要望に対する、これが星さんの解答の一つだったのではないでしょうか。
ロシア音楽の特徴の一つは、曲中、アッチェレランド(accel.:だんだん速く)やリタルダンド(rit.:だんだん遅く)といったテンポの変化がある事だと思います。ロシア音楽に触発されたのかどうかはわかりませんが、姫神の作品の中にもその要素を含んだナンバーがあります。「キーボードスペシャル」誌平成2(1990)年11月号に掲載された星さんのインタビューでも、自分の作品にはリタルダンドやアッチェレランドが多いとおっしゃっています。それらが最もわかりやすいのは、アルバム「遠野」の「サムト」や「海道」の「海道を行く」(part2の方がわかりやすい)ではないかと思います。
「サムト」の曲中で、アイリッシュハープのようなシンセ音のオスティナートのアッチェレランドの部分は、この曲のミステリアスな雰囲気がクライマックスに達するところだと思います。ローランドのデジタルシーケンサーCSQ-600に打ち込み、再生テンポをおそらく手操作で上げていったと思われます。Roland CSQ-600は後年のMIDIシーケンサーのように1ノート毎にテンポを設定するといった事ができないからです。深夜、風を伴って人里へやって来たサムトが、ついに我家の玄関のすぐ外に立った、そんなさし迫ったイメージを想起させられます。
「海道を行く」の間奏の「アァー…」という女声(part1のみ)、ストリングス、オスティナートを奏でるエレクトリックピアノといったシンセ音のフレーズは、アッチェレランドがわかりやすい部分です。この他にも「海道を行く」は曲中テンポチェンジする部分がいくつかあるのですが、私にはこれらが、大海原や浜辺を吹き渡っていく風の緩急の表現のように感じられます。「風をイメージして…」というNHK側の制作依頼時の要望に対する、これが星さんの解答の一つだったのではないでしょうか。
by manewyemong
| 2006-02-24 06:27
| 音楽
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