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「MYSTERIOUS ENCOUNTER」の効果音 minimoog

 喜多郎さんのアルバム「THE LIGHT OF THE SPIRIT」の1曲目「MYSTERIOUS ENCOUNTER」は、「コン!」という減退系の効果音の繰り返しで始まります。戦争映画に出て来る海中を航行する潜水艦のソナーのイメージ音のようなこの音は、アナログシンセサイザー黎明期の名機、minimoog(ミニモーグ)で作ったものです。

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 minimoogのVCOに、三角波か鋸歯状波にもう一つ折れ目を加えたような波形があります。これをランプ(ramp:傾斜)波というのですが、「MYSTERIOUS ENCOUNTER」の効果音はこのランプ波を使って作られています。minimoogの三つあるVCOのうち1と2に装備されています。

 国産のコンボタイプのアナログシンセにこの波形を備えたモデルを知らないのですが、デジタルシンセの多くはオシレータにこの波形を備えています。例えばKORG TRITONシリーズ、KARMAOASYSTRM3M50にはRamp、Ramp-mMGの二つが備わっています。倍音加算合成方式で作った波形をオシレータに焼き込んだDWGS波形と思われます。私は前者のRampの方を使って作りました。またRoland V-Synthシリーズのアナログモデリング部のオシレータ波形にもランプ波があります。

 「MYSTERIOUS ENCOUNTER」の効果音のポイントは、ディケイタイムが短くサスティンレベルが0、そしてエフェクターのディレイを使うことです。

 EGの設定は至極容易ですが、ベロシティでフィルターの開き具合や音量をコントロールすると、「MYSTERIOUS ENCOUNTER」冒頭でのクレシェンドの感じを指で表現できると思います。もちろん実際のminimoogの鍵盤にはベロシティはなく、「MYSTERIOUS ENCOUNTER」の録音ではミキシングコンソールでの音量コントロールが為されたはずです。

 エフェクターのディレイに関して、ただ漫然とかけるのではなく、フィードバック数とディレイタイムの設定を丁寧に行ってください。それらが「MYSTERIOUS ENCOUNTER」の曲想と直に関わっているからです。

 姫神のアルバム「SEED」の序曲にも似た音が使われています。これはKORG 01/W pro X(姫神の田瀬湖畔スタジオのMIDIマスターキーボードです)のプリセット音ですが、ベロシティでフィルターの開き具合や音量だけでなく、内蔵エフェクトのディレイのディレイタイムもコントロールしています。この音はアルバム「縄文海流-風の縄文III-」の「森の語り」でも使われているのですが、こちらはベロシティをディレイタイムのコントロールには使っていません。


KORG 01/W
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/01W/

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by manewyemong | 2006-04-05 16:59 | シンセサウンドメイクアップ | Comments(0)

シンセサイザー、デコラティブジャパン(絢爛な日本)文化、絵巻、屏風、浮世絵、都市散歩、神社が好きです。鈴木春信の春画「風流艶色真似ゑもん」にちなみました。


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