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 先般製造が終了したアナログモデリングシンセサイザーKingKORGが、平成28(2016)年11月1日、筐体の色が黒になったKingKORG BKとして復活する事が発表されました。

 KingKORGに関して、かつてKingKORG試奏記(1)KingKORG試奏記(2)を記しました。
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 筐体がBKカラーである事、文字が金色である事以外は、KingKORG旧機と同じです。

 どうせならmicro KORG-BKBKのように、白鍵も黒にしてしまえばと思うのですけどね。
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 私は淡いシャンパンゴールドよりも、この文字の厳かな感じの金色(こんじき)が好きです。

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 KORG KROSSの文字のこの色と似ていると思います。

 現在放映中のNHK大河ドラマ「真田丸」の影響かもしれませんが、私はKingKORG BKの全体の色使いにおいて、何だか豊臣期の大坂城(大阪城)の風味を感じてしまいます。

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 KingKORG BKの発売日は11月27日(日)、価格は税込99,900円。

 なお、KingKORG BK発表にあたって、システムのアップデートはありませんでした。

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平成31(2019)年1月11日追記。

 implant4さんで撮らせていただいたKingKORG BKの画像を加えました。
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令和6(2024)年1月19日追記。

 令和6年1月18日KingKORG NEOが発表されました。


KingKORG

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 implant4さんでアナログモデリングシンセサイザーmicro KORG GDを試奏させていただきました。平成28(2016)年9月26日の時点で、在庫リストにあります。


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 micro KORG GD発表時、micro KORG GD及びKORG KROME-61のカラーバリエーション機が出ますで採り上げています。

 カラーリング以外、micro KORGとの違いは無いので、画像の掲載のみとします。


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 全景。こうして見ると、つまみの縁(へり)の部分とホイール以外、黒色がありません。


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 ホイール。筐体の部分がチョコレート色だという事がわかります。


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 鍵盤。見えにくいのですが、黒鍵は筐体と同じくチョコレート色です。


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 フロントパネル。


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 つまみのトップは、文字通り金色(こんじき)です。


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 コルグのアナログモデリングシンセ伝統ともいうべき、操作子が指した数値と操作されたパラメータの保存値が一致すると点灯する、オリジナルバリューランプ。


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 リアパネル側もチョコレート色です。

 私は平成24(2012)年11月14日にアップしたmicro KORG-BKBKを見せていただきましたで、
来る平成25(2013)年、コルグは創業50周年なのですが、もしそれに合わせてmicro KORGの記念モデルを作るとしたら、デコラティブジャパン(絢爛なる日本)感を美意識の中心に据えている私としては、金箔や漆をベースにした、安土桃山時代の威風を感じるようなゴージャスなmicro KORGをと思うのですが…。ワークステーション機はともかく、micro KORGの金箔/漆の蒔絵モデルなら、もしかしたら買えるかもしれません。ちなみにモーグからminimoog voyager10周年記念として、フロントパネルに金を施されたゴージャスなモデルが発表されています。目に眩いシンセサイザーです。
としました。

 そして平成25年9月5日、
我が目を疑うような姿、

安土桃山時代の威風を感じる

micro KORG GDが発表されたのですが、罰当たりな事に、買い損ねてしまいました。本当に東京都稲城市のコルグさんの方角へ足を向けて寝られません。

 そして、平成28(2016)年9月25日、microKORG Sが発売されました。私は既に試奏しましたが、micro KORG GDとは異なる華(はな)を感じました。

 C、Dバンクが増えたという性能差を考えると、microKORG Sかなと思う一方、信じがたいほど我が意が体現されたmicro KORG GDをとも思えます。もはや中古機を探すしか無いのですけどね。


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 平成28(2016)年9月10日、ローランドは、アナログモデリングシンセサイザーRoland AIRA SYSTEM-8を発表しました。

 一見して、Roland AIRA SYSTEM-1の姿やパラメーター構成がベースになっていると思うのですが、ここではSYSTEM-8になって変わった点を中心に書きたいと思います。

 鍵盤数が49になっていて、ベロシティがあります。ただし、そのディスティネーションは、カットオフフリケンシーの開き具合と音量だけです。また、ベロシティオフボタンで設定を無効化する事もできます。

 コントローラーがローランドの伝統的なベンダーレバーになっています。ピッチやカットオフのベンドのレンジやモジュレーションの感度をベンダーレバーの近くで設定できます。残念ながらRoland GAIA SH-01JD-XiJD-XAとは異なり、SYSTEM-1と同じくSYSTEM-8もピッチベンドレンジをダウン/アップ個別に設定する事はできません。

 フロントパネル中央近くに画面があり、その左横にシフトキーとメニューボタン、右側にバリューつまみ、カーソルボタン、確定ボタンが配されています。おそらく、音色設定操作子を動かすとバリューの変化が表示されると思います。

 64ステップのシーケンサーがあります。打ち込み方はステップだけでなく、リアルタイムも可能です。SYSTEM-8のこの内蔵シーケンサーの操作子に関して、ふとRoland SH-101のそれを思い出しました。

 アルペジエータ、コードメモリーがあります。

 MIDI IN OUT、USB Type Bに加えて、ミニタイプのCV OUT、GATE OUTがあります。もちろん、OCT/Vです。Roland SYSTEM-500等に使えると思います。

 シンセサイザーエンジン部分のSYSTEM-1からの変更点を見ていきたいと思います。

 LFOは、波形にバリエーション1〜3まであり、1にはSYSTEM-1と同じもの、2と3には各々6タイプがあります。

 オシレータ1、2の波形にもバリエーションが加わっています。バリエーション1でSYSTEM-1と同じ波形、2にはシステムのバージョンアップ時に加わった六つの波形があります。SYSTEM-1、SYSTEM-1mの場合、この六つの波形はレガートボタン+ 波形つまみで選択します。

 ローランドの現行機のSuperNATURALシンセトーン、アナログシンセのPWMのソースが、LFOしかない中にあって、SYSTEM-1はカラーのソースという形で豊富にあります。アナログシンセ時代、私は撥弦系の音にENV変調のPWMを使ったのですが、SYSTEM-8で発声数が8になった事はさらにありがたい。

 話が逸れるのですが、SYSTEM-1、SYSTEM-1m、そしてこのSYSTEM-8のバリエーション1にある三角波2が、GAIA SH-01やSuperNATURALシンセトーンの三角波B、ローランドのPCMのオシレータ波形700トライアングルと同一のものなのかをいつも確認し忘れてしまいます。これらはminiKORG 700、700Sの三角波を模したものと思われるのですが、いずれSYSTEM-8試奏の折に確認したいと思います。

 SYSTEM-8で新たに加わったオシレータ3/サブオシレータは、単に1、2オクターブ下の音を加えるだけでなく、波形をサイン波/三角波から選べます。また、オシレータ1、2同様カラーで波形を変調できます。ただしソースに関するパラメーターが無い事からマニュアル変調のみと思われます。

 オシレータミキサーがオシレータ間の割合では無く各々のレベルを設定する事から、SYSTEM-1同様、フィルターが自己発振するものと思われます。

 フィルターにもバリエーションがあり、1にはこれまでのフィルタータイプが、そして2は新たの6種のタイプが選べます。

 古くはRoland JUPITER-8、その後、SH-201を経て、最近ではBoutique JP-08にまで続くアッパー/ロワーが、パフォーマンスモード時のSYSTEM-8にもあります。エディットや発声をそろってするか否かを選べます。例えばオートベンドの有る無しを設定して、演奏時にオン/オフの代わりに使うといった事ができます。アッパー/ロワーがある事は、次に記すPLUG-OUTにJUPITER-8がある事も関わっていると思います。

 AIRA SYSTEM-1の特徴として、パソコンを通じて専用のソフトシンセを持ってくるPLUG-OUTがありますが、SYSTEM-8はこれが3種入るようになっています。付属としてJUPITER-8、JUNO-106モデルが用意されます。

 一見、姿もパラメータ構成も似たSYSTEM-1とSYSTEM-8が、奏者やマニピュレータが見えない世界では、かなり異質の存在である可能性があります。あるいはそれは、試奏すればわかる事なのかもしれません。

 かつてRoland AIRA SYSTEM-1が発表された時、特にキーボーディスト諸賢の中に、今回のSYSTEM-8のような姿のシンセを脳裏に描き、その登場を希求した向きも多いのではないでしょうか。キーボーディスト諸賢ではない私もその一人です。弾く人にとってSYSTEM-1は本来かくあれかしと考えたそのままが、SYSTEM-8として具現化した感があります。

 Roland AIRA SYSTEM-8の価格は159,840円(税込)、発売日は平成28(2016)年9月23日です。

 Roland AIRA SYSTEM-8試奏記に続きます。


Roland AIRA SYSTEM-8
https://www.roland.com/jp/products/system-8/

Roland Boutique VP-03が出ます_a0060052_10131544.jpg
 
 平成28(2016)年9月10日、ローランドは、デジタルボコーダーRoland Boutique VP-03を発表しました。

 ボコーダーの名機中の名機ともいべきRoland VP-330 Vocoder Plusを、ACBで再現したモデルです。

 VP-330同様、ボコーダー部、ヒューマンボイス部、ストリングス部で構成されています。

 3セクションともパラメーター構成に関してVP-330を踏襲しているのですが、アッパー/ロワーという考え方は無いようです。

 3セクションで共用するビブラートの周期変化及び周期変化の径時変化のソースとして、レイト、ディレイタイム、デプスがあります。

 径時変化のソースとして、3セクションでリリースタイムを共用し、ヒューマンボイスとストリングスに各々アタックタイムがあります。

 VP-330はたしかパラフォニックだったのですが、VP-03がそれを踏襲しているか否かわかりません。周期変化及び径時変化のソースが発声数分あるとありがたいのですけどね。理由はアナログポリシンセのLFOをつぶやくに書きました。

 ボコーダーとヒューマンボイス用の内蔵エフェクターとして、アンサンブルがあります。

 以上は、概ねVP-330と共通している部分です。

 Roland Boutique VP-03の大まかな姿は、これまでのBoutique(JP-08JX-03JU-06)に連なるものですが、ボコーダーらしく着脱式のグースネックマイクが付属します。

 VP-03の操作子の形状は、メモリーボタンや自照型スライダーは、これまでのBoutiqueのものを踏襲しているのですが、ボコーダー、ヒューマンボイス、ストリングスの各セクションにあるボタンは、VP-330の後期型を模した感じがします。

 16ステップのシーケンサーとコードメモリーがあります。組み合わせると面白いと思います。

 Roland VP-330 Vocoder Plusは、1980年代初頭、後にニューエイジと銘打たれる音楽の演奏家から多用されました。

 私はVP-330が現行機として音が出せる状態で楽器店に展示されていた頃、喜多郎さんの「夜明け」(アルバム「絲綢之路II」)の「ハァーアーアーアー、シャンラァ〜イズッ」や、姫神せんせいしょんの「赤い櫛」アルバム「遠野」より)の「シャーッシャッシャーッ…」のフレーズを弾き唄いました。ボコーダーは発声者の音程は関係無いのですけど、いつも、つい唄ってしまいました。

 喜多郎さんの「天地創造神」アルバム「絲綢之路」より)や「時空間」(「絲綢之路II」より)は、VP-330のヒューマンボイスが曲の肝の部分を担っています。多重録音の方法を一考しているのか、輪郭がぼんやりしているのにアンサンブル感が他の演奏家より増していて、独特の夢幻感を醸し出しています。

 姫神せんせいしょんのアルバム「奥の細道」の収録曲の多くで、フェイズシフターがかけられたVP-330のヒューマンボイスが使われた事を、うねりを帯びた男声風パッド音 Roland VP-330に書きました。

 ヴァンゲリスさんの音楽を聴かない人でも、平成26(2014)年11月、高倉健さん逝去のおり、その追悼としてテレビ放映された「南極物語」で、VP-330のヒューマンボイスが多用されていた事を知った人は多いと思います。

 Roland VP-330 Vocoder Plus、というかボコーダーは、マニピュレーションという点において、奏者やマニピュレータの個性を汲むという類の電子楽器ではないと思います。しかしながら、ステレオ音場の両端で、あるいは奥の方で、これが鳴ると、音楽に深遠さが加味されるような気がします。

 数多のシンセサイザーメーカーが、シンセサイザーにその1機能としてボコーダーを搭載する事は珍しくないのですが、結局のところ、多くの人がVP-330を礼賛し、それに対する回答として、ボコーダー単体機としてのVP-03が現れた感があります。

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 Roland Boutique VP-03の価格は45,000円(税別)。発売日は平成28(2016)年9月23日。


平成28(2016)年11月30日追記。

 本文中に、2016楽器フェアで撮った画像を追加しました。


Roland Boutique VP-03
https://www.roland.com/jp/products/vp-03/

Roland Boutique
https://www.roland.com/jp/promos/roland_boutique/

 平成28(2016)年9月1日、コルグは卓上設置型のアナログシンセサイザーモジュール、ARP ODYSSEY Moduleを発表しました。

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 ARP ODYSSEY Moduleの姿は、鍵盤が無い事以外はARP ODYSSEY復刻機(ARP ODYSSEYが復刻されるそうですARP ODYSSEY、復刻成るARP ODYSSEY試奏記1ARP ODYSSEY試奏記2参照)とほとんど変わらず、三つの白いプロポーショナルピッチコントロールも継承しています。

 ODYSSEY ModuleとODYSSEYの関係は、nord lead 4Rとnord lead 4、nord lead A1Rとnord lead A1に似ているといえるかもしれません。

 ODYSSEY ModuleとODYSSEYの仕様上の相違点は、MIDIに関して、ノートデータ以外にピッチベンドも受信できます。プロポーショナルピッチコントローラーが苦手、あるいは、コルグのジョイスティックやローランドのベンダーレバー、各社のホイールが使いたい向きには、朗報だと思います。ODYSSEY Moduleに関して、私はこの点が最も気に入りました。

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 ARP ODYSSEY復刻機では、rev.3の姿を継承したモデルを通常色機、rev.1、2を限定生産のカラーバリエーション機としました。しかしながら、ODYSSEY Moduleは、rev.1、3のモデルが通常色機として販売されます。rev.2はありません。

 ODYSSEY Module Rev1とRev3は、カラーリングやスライダーの形状は異なっていますが、三つの型のVCF等、復刻機で新たに加えられた機能を継承しています。

 なお、ARP ODYSSEY復刻機のようなセミハードケースの付属はありません。

 ARP ODYSSEY Moduleの発売は来る10月下旬予定、価格は分かりません。既に取扱説明書を読む事ができます。


平成28(2016)年9月8日追記。

 ARP ODYSSEY Module、発売日は平成28(2016)年10月23日、価格は税込59,400円です。


平成28(2016)年11月7日追記。

 11月4日から6日まで東京ビッグサイトで催された2016楽器フェアで撮影した、ARP ODYSSEY Module Rev.1の画像を載せました。


ARP ODYSSEY Module
http://www.korg.com/jp/products/synthesizers/arpodyssey_module/