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 令和2年(2020年)2月7日、ローランドは電子和太鼓Roland TAIKO-1を発表しました。

 和楽器の音色が出る電子ドラム/パーカッションは、既にローランドのものも含め内外のメーカーから出ているのですが、TAIKO-1は帯(ストラップ)を付けて肩から下げる担ぎ桶太鼓の姿をしています。

 ローランドは平成29年(2017年)頃から、この担ぎ桶太鼓型電子和太鼓の試作機を公にしてきました。

 初号機は電子ドラム2台(2枚というべきか)を合わせたような姿だったのですが、当初から胴の部分が無く、世代を重ねる毎に、太鼓の縁(ふち/へり/リム)の部分が薄くなり、直径35cmの面(めん/皮/ヘッド)は初号機から描かれていた巴紋(ともえもん)が反対側に透けるほどに薄くなり、紐の部分が簡素化されていきました。

 TAIKO-1の発声のトリガーは、面や縁を打つ事なのですが、担ぎ桶太鼓同様、2組あります。面と縁に個別に音色を割り振る事ができます。つまり4音色を鳴らす事になります。

 また、面を打つ位置や強さで様々な音色変化を表現できます。

 面はメッシュ素材、先にも書きましたが、その薄さ故に表側に描かれた巴紋が裏側から透けて見えます。打つ感触や静粛性を考えられた素材です。

 TAIKO-1の面や縁が、和太鼓のバチではなく、例えばトーキングドラム等に使われるクエスチョンマークの様な形をした桴(いかだ)やマリンバ用のマレット、あるいは鼓(つづみ)やコンガ、タブラのような手のひらや指で叩く事を想定しているのか否かはわかりません。ウェブサイトには
朴(ほお)やメープルのバチをお勧めします。柔らかい素材はメッシュ素材により、摩耗する可能性があります。
打面に使用しているメッシュ・ヘッドは非常に高い強度を誇ります。朴やメープルの撥で力いっぱい叩いても問題なく演奏いただけます。
とあります。時にTAIKO-1の面ではなくバチの方が負けるほど、面に使われているメッシュが強い素材である事は間違いないいようです。

 TAIKO-1は、帯を肩にかけて担ぐ担ぎ桶太鼓の姿をしているのですが、二つの面を切り離してブショウ台の様な傾斜のあるスタンドに設置し、2張りの締太鼓として使う事もできます。

 音色は100以上あり、担ぎ桶太鼓系だけでなく、設置型の大太鼓、締太鼓、またバチの種類の違い、太鼓のアンサンブル、ドラやチャッパ、拍子木といった鳴り物、掛け声、その他打楽器や効果音まで収録されています。

 内蔵エフェクターは20種類以上あります。

 TAIKO-1のウェブサイトのディスプレイの画像を見て驚いたのですが、TAIKO-1は音色名を日本語で表示します。

 ドラムセットやパーカッションのパートに関して、リズムマシンのチャカポコリズムがダメ、手弾き(指叩き?)のキーボードラムも満足できず、結局リズムパートそのものを省略してしまう事も多い私にとって、TAIKO-1は、上手く演奏法をつかむ事ができれば、単にアンプ/スピーカーを使う和太鼓という事ではなく、有機的なリズム用のシンセサイザーとして使えるかなと思います。

 ところで、電子和太鼓Roland TAIKO-1の技術を応用する形で、インドの民族楽器タブラの電子楽器化、いかがでしょうか。開発に成功して人口が多いインドで大ヒットすれば…。

 Roland TAIKO-1、令和2年(2020年)夏の発売予定。


Roland TAIKO-1
https://www.roland.com/jp/products/taiko-1/

電子和太鼓TAIKO-1特設サイト
https://www.roland.com/jp/promos/roland_taiko/

 日本時間令和2年(2020年)1月15日、シーケンシャル社は、SEQUENTIAL PRO 3、PRO 3 SEを発表しました。

 アメリカ・シーケンシャル社のウェブサイトの画像や記述(英文)を見ながら記したいと思います。英文が苦手故に間違いがある可能性の大なるをご了承ください。

 令和元年(2019年)5月18日製造終了が発表されたSEQUENTIAL (Dave Smith INSTRUMENTS) PRO 2の後継機といってよいモデルだと思います。

 PRO 3とPRO 3 SEの違いは、後者がminimoogのような傾斜角を付ける事ができるチルトアップ型のフロントパネル、筐体にウォールナットが使われている、です。

 寸法、重量は、PRO 3が67.3 cm x 33 cm x 8.9 cm、7.25 kg。PRO 3 SEが68.5 cm x 36.8 cm x 13.1 cm、12.25 kg。結構重量に差があります。

 モノフォニックであると同時に、3声パラフォニックでもあるとの事で、オシレータは3声分あるものの、おそらくフィルターやアンプを発声数分持っていないと思われます。ポリフォニックではなくホモフォニック演奏が可能です。ただ、ENVは発声数分持っているようです。

 鍵盤は37鍵。ベロシティとアフタータッチが使えます。

 鍵盤左横にライトアップされた2つのホイールがあります。ピッチベンドはダウン/アップ個別に設定できます。

 PRO 2には二つの縦型リボンコントローラーがフロントパネル上にあったのですが、PRO 3、PRO 3 SEでは1つになり、ホイールの右横にあります。PRO 2同様ラッチボタンがあり、指定したポイントで効果をロックできます。PRO 2の様な感圧式か否かは分かりません。

 ポルタメント(グライド)はタイムではなくレイトで、レイトを決めるつまみとオン/オフボタンがあります。

 LFOは3つあります。波形は三角波、正逆鋸歯状波、矩形波、サンプル&ホールド。シーケンシャルサーキット、デイブスミスインストゥルメント、シーケンシャルの伝統ともいうべきかもしれませんが、ディレイタイム、フェイドインタイムといった径時変化に関するパラメーターはありません。もちろん、モジュレーションマトリックスを介して、ディレイタイム付きENVを変調の深度の径時変化に充てるといった事が可能です。

 オシレータは3つあり、うち2つはVCOです。三角波、鋸歯状波、パルス波があり、連続可変です。さらに設定した波形に変調を加える事ができます。

 もう一つのオシレータはデジタルのウェイブテーブルタイプで、モーフィングが可能です。

 3つのオシレータにはオクターブとピッチを決めるつまみがあります。ピッチつまみがコースチューンのような大雑把なものなのか、コースチューンと微細に設定が可能なファインチューンを併せたものなのか分かりません。

 3つのオシレータと外部入力のミキサーセクションに、ホワイトノイズジェネレータがあります。

 フィルターセクションに関して、カットオフフリケンシーのつまみが他より大きく、目盛も色違いで目立つ様になっているのですが、これはシーケンシャルサーキット、デイブスミスインストゥルメント、シーケンシャルを通じて珍しい事ではないでしょうか。私が知る限り、この3社のシンセサイザーのカットオフの操作子は他と同じでした。

 フィルターはVCFで、3種あります。1はSEQUENTIAL prophet-6型、2はラダーフィルター、3はSEQUENTIAL(Dave Smith INSTRUMENTS)OB-6型。

 アナログシンセ、アナログモデリングシンセのアンプには、ENVの効果の深度を設定するパラメーターが無い事が多いのですが、PRO 3、PRO 3 SEにはフィルター同様、アマウントがあります。

 私はKORG MS2000Bを使っていた頃、バーチャルパッチを介してアンプEGをわざわざアンプに繋ぎなおしていました。このバーチャルパッチのインテンシティが、PRO 3、PRO 3 SEのアンプENVのアマウントにあたります。

 ENVはフィルター用、アンプ用、そして二つのフレキシブルENVがあります。フレキシブルENVの操作子には目盛がありません。ADSR型ですがいずれにもディレイタイムがあり、押鍵等のトリガーからENV実行開始までの時間を設定できます。私にとって大変ありがたい機能です。無論、フィルター用アンプ用ENVもモジュレーションマトリックスを介して他のパラメーターのソースに充てる事ができます。

 内蔵デジタルエフェクターは同時に2つを使う事ができ、ステレオディレイ、アナログ遅延回路BBDを模したディレイ、コーラス、フランジャー、フェイズシフター、鉄板リバーブ等があります。

 シーケンシャル社のシンセサイザーの音色マニピュレーションの可能性の広大さの象徴であり、私が同社シンセの機能で最も気に入っているモジュレーションマトリックスは、32組つなぐ事ができます。1つのディスティネーションに複数のソースを充てる事ができるので、例えばSEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5のモジュレーションミックスの様にLFOとオシレータのホワイトノイズの混ぜ具合を決めるのではなく、各々の深度を決めてフィルターのモジュレ−ションのソースに充てるといった事ができます。

 CV IN及びCV OUTが各々4つあります。外部から周期変化、径時変化等のソースを得る、あるいは、LFO、ENV、内蔵シーケンサー等をソースとして送る事ができます。電圧制御という事で、特にシステムシンセサイザーとの組み合わせが考えられると思います。

 1トラック16ステップの内蔵シーケンサーが16トラックあります。音階だけでなく、パラメーターの変化のソースに充てる事ができます。

 アルペジエータがあります。アップ、ダウン、アップ/ダウン、ランダム、そして押鍵順が反映されるモードがあります。

 SEQUENTIAL PRO 3、PRO 3 SEは、アナログシンセサイザーでありながら、緻密に音色を作り込む事ができます。そしておそらく、鍵盤や操作子の感触もシーケンシャルらしい、楽器としての本分を忘れていないものと思われます。

 SEQUENTIAL PRO 3、PRO 3 SEの日本での価格及び発売日は未定。


SEQUENTIAL PRO 3(英文)
https://www.sequential.com/product/pro-3/

SEQUENTIAL PRO 3 SE(英文)
https://www.sequential.com/product/pro-3-se/

SEQUENTIAL PRO 3取扱説明書(英文)


令和2年(2020年)3月3日追記。

 SEQUENTIAL PRO 3、PRO 3 SEの日本語サイトが公開されました。


SEQUENTIAL PRO 3

SEQUENTIAL PRO 3 SE

Roland FA06B、JUNO-DS61Bが出ます_a0060052_15444417.jpg
 ローランドのワークステーション機Roland FAの61鍵機FA06、及びPCMシンセサイザーJUNO-DSの61鍵機JUNO-DS61に、BKカラー鍵盤モデルFA06B、JUNO-DS61Bが出ます。

 micro KORG-BKBK、microKORG XL+-BKBKのような、黒鍵も白鍵も黒色になっています。

 また、フロントパネルは量産型機と同じなのですが、付属のオーバーレイシートで両機の印象をより暗いものに変える事ができます。

 例えば、FA06Bのオーバーレイシートは、フロントパネル左端の「06」のロゴが消され、6つのつまみの赤い輪、フロントパネル上の赤い色の文字が白に変わっています。

 JUNO-DS61Bのオーバーレイシートは、赤や青のジュノーカラーのライン及び文字が白に変わります。JUNO-DSは8つのフレーズパッドの色を13色から選ぶ事ができますが、この色を白っぽいものにするとより映えるかもしれません。

 これでJUNO-DS61は、通常色機、筐体が白いJUNO-DS61W、そしてJUNO-DS61Bの3色が揃います。

 Roland FA06B、JUNO-DS61B、発売日は令和元年(2019年)11月30日、価格はFA06Bが税込129,800円、JUNO-DS61Bが税込80,300円。

 なお、Roland FA06B、JUNO-DS61Bは、数量限定生産です。


令和元年(2019年)12月11日追記。
Roland FA06B、JUNO-DS61Bが出ます_a0060052_20462572.jpg
 令和元年12月9日、Roland JUNO-DS61Bが来ました。


FA-06/JUNO-DS61にブラック鍵盤モデルが登場
https://blog.roland.jp/info/blackkeysynth2019/

 令和元年(2019年)9月6日、ローランドはRoland Boutique JU-06Aを発表しました。

 Roland Boutique JU-06Aは、昭和57年(1982年)に発売されたプログラマブルアナログポリフォニックシンセサイザーRoland JUNO-60、及び昭和59年発売のJUNO-106を、ACBでモデリングしたシンセモジュールです。

 既にJUNO-106のACBモデルとして、Boutiqueの第1世代Boutique JU-06があります。製造は終わっています。

 JU-06Aは、Boutiqueの仕様だけでなく、その姿にも興趣を添えていた2本のリボンコントローラーは無く、そのスペースにアルペジエータやステップシーケンサー等の操作子、そして画面が配されています。

 スライダーやボタンといった操作子群が多少なりとも大きくなっている事とカラーリングの影響で、JU-06AはJU-06よりもかつてのJUNOの雰囲気に近くなっています。

 特にボタンがオシレータ関連のもの以外自照式ではなく、アナログJUNOの形状や色を継承していて、初めてウェブサイトの画像を見た時、JU-06Aの末尾の“ A ”が、Boutique SH-01Aの“ A ” と同じ“ Authentic ”(本物)であろうと思いました。

 フロントパネルのレイアウト順、セクション毎に、JU-06Aを見ていきます。

 キーボード。ホールド、コードメモリーのオン/オフ、ノートボタンがあります。

 ノートボタンを押してランプを灯らせると、ボタン1〜12を鍵盤1オクターブ分として演奏に使う事ができます。

 ボタン13、14がオフターブダウン/アップ、ボタン15、16はキーアサインモードのソロ、6オシレータユニゾン、ポリフォニックの切り替えボタンです。

 ソロ、ユニゾンモード時のトリガーモードに関して、シングル/マルチの選択の方法が分かりません。どちらかに固定されている可能性もあります。モノフォニックモード時、スタッカート/レガートでリトリガーする/しないを鳴らし分ける機能は、私としては必需なのですけどね。

 アルペジオ。アルペジエータに関する操作子群。

 JU-06Aのアルペジエーターには、アップ、アップ/ダウン、ダウンのモードがあります。押鍵順の反映、およびランダムノートはありません。アップ/ダウンは「ドレミミレドドレミミ…」ではなく、かつてのローランドのアナログシンセの常として「ドレミレドレミレド…」と発声すると思われます。

 アルペジエータのレンジは3オクターブ。

 LFO。レイトとディレイタイムの操作子があります。

 ディレイタイムは言葉の上からだと、押鍵してから変調がかかり始めるまでの時間なのですが、JU-06Aは実際のアナログシンセ同様、押鍵してからビブラート(オシレータ)及びグロウル効果(フィルター)の深度が設定値に達するまでの時間、つまりフェイドインタイムです。

 アナログJUNOやJU-06のLFOは三角波固定だったのですが、JUNO-06Aはマニュアルボタン(ボタン16)を押しながらボタン5を押し、バリューつまみを動かす事で、波形を選ぶ事ができます。三角波、矩形波、昇/降鋸歯状波、サイン波、ランダム1、ランダム2があります。

 ボタン6でLFOの信号がいわば垂れ流し状態か、押鍵毎に周期が始まるかを選択する事ができます。

 ビブラート(ピッチ)、グロウル効果(カットオフ)の深度は、LFOセクションではなく、各々オシレータ、フィルターで設定します。トレモロ(アンプ)はありません。

 DCO。

 1オシレータですが、鋸歯状波、矩形波を含むパルス波を選ぶ事ができます。ただ、アナログJUNOシリーズ同様、Roland SH-101のようなソースミックスではなくオン/オフだけです。

 パルスウィズモジュレーションのソースは、LFO、ENVがあります。JU-06はJUNO-106と同じくLFOだけでした。かつてSH-101やJUNO-6のENV PWMを使って、ベースを含む撥弦系の音色を作っていた身にはありがたい事です。私がJUO-06Aを所有したら、これは多用すると思います。

 1オクターブ下の矩形波を加えるサブオシレータは、レベルだけでなくオン/オフボタンもあります。JUNO-106の場合、レベルのスライダーだけでした。

 ホワイトノイズジェネレータがあります。これはオン/オフボタンは無く、スライダーだけです。

 ピッチENVは無く、オートベンドはできません。

 ハイパスフィルター。

 JUNO-60モード時、JUNO-60同様0、1、2、3の4段階でしか設定できないのですが、なぜかJUNO-106モード時、0〜最大値の設定が可能です。しかしながら、本来、JUNO-106はJUNO-60同様4段階の設定です。JUNO-6は0〜最大値の設定でした。

 VCF。

 VCF、となっていますが、もちろんボルテージコントロールフィルターではなく、ローランド風にいえばTVF(タイムバリアントフィルター)、つまりデジタルフィルターです。ローパスフィルターです。

 レゾナンスを上げると自己発振するか否か分かりません。

 ENVデプスにマイナス値は無く、ポラリティスイッチで正逆を切り替えます。

 キーボードフォローは0〜最大値だけで、効果の傾斜の向きを変える事はできません。

 VCAはもちろんボルテージコントロールドアンプではなく、デジタルです。パッチ毎の音量をここで決めます。

 ENVは、PWM、フィルター、アンプで共用しています。

 ステップシーケンサー。16ステップのノートを打ち込み、実行する事ができます。シンセサイザーのスライダーの動き(動かし)を記憶させる類いのものではなく、あくまでノートの打ち込みです。

 アルペジエータにランダムモードはありませんが、ここでデタラメな音階を打ち込む事でそれらしい事ができると思います。

 コードメモリーと組み合わせて使う事ができます。

 メモリー。

 画面には、バンクの番号とパッチの番号が表示されます。音色設定の操作子が動かされてエディットに入ると、パッチ番号の右に“ . ”が表示されます。

 音色の設定は、JUNO-60モード、JUNO-106モード各々に、8バンク × 8パッチ、64種記憶させる事ができます。

 パッチの選択は4つのバンクボタンと8つのパッチボタンの組み合わせで行います。バンクボタンは4つしかありませんが、各バンクボタンを押す毎に、1と5、2と6、3と7、4と8が切り替わります。

 内蔵エフェクターには有名なジュノーコーラスに加え、ディレイがあります。

 コーラスはコーラス1、コーラス2のオン/オフボタンがあり、JUNO-106の場合、どちらか1つしか使えなかったのですが、JU-06Aは、JUNO-6、JUNO-60、Boutique JU-06同様、2つのボタンを押す事で同時使用ができると思います。私はかつて、JUNO-6のコーラス1のみを使う事が多かったです。

 また、JU-06同様、コーラスにはアルペジオボタン + ボタン10を押し、バリューつまみでオフ、ハーフ、オリジナルを選択する形で、アナログJUNOシリーズのコーラスにあったノイズを加える事ができます。

 アナログシンセに詳しくない人が、コーラスのノイズがオリジナルの状態に設定されたJU-06の音を聴いて、「JU-06から雑音が出る」と言っているのをこの目で見たのですが、デジタルシンセでこういう小芝居をすると誤解される可能性がありますね。

 ディレイは、オン/オフボタンはフロントパネルにありますが、設定はディレイボタン(ボタン15)を押しながらボタン1を押してレベル、ボタン2でディレイタイム、ボタン3でフィードバック数を、バリューつまみで設定します。

 マニュアルボタンは、選択したパッチではなく、音色設定操作子群の現状を発声に反映します。

 専用の設定操作子は無いものの、音色設定や演奏に必要と思われる操作に関して記します。

 ポルタメントのオン/オフやタイムの設定は、シーケンサーセクションにあるエディットボタンを押して、ランプを消し、マニュアルボタン(ボタン16)とボタン1を押しながら、バリューつまみを回すとオン/オフ、ボタン2でポルタメントタイムを設定します。

 試奏するまで分かりませんが、JU-06Aのポルタメントのカーブのフィーリングが、非リニア変化である事を期待します。

 ピッチベンドレンジは、エディットボタンでランプを消灯させ、マニュアルボタン(ボタン16)とボタン3を押しながら、バリューつまみでオフ、1〜24と半音区切りで設定します。ダウン/アップ個別の設定はできません。

 JU-06Aはチェインモードを使う事ができます。2台以上のJUNO-06Aを、MIDIを介して直列に連結する事で、単体では4声の発声数を増やす事ができます。アルペジオボタン + ボタン9を押しながらバリューつまみでオン/オフを選択します。

 私は基本的には自分の音色をワークステーション廉価機で作りたいと思っているのですが、パルスウィズ、パルスウィズモジュレーション、そして、カーブのフィーリングが非リニア変化のポルタメントに関して、現状、アナログモデリングシンセかアナログシンセを使うしかありません。

 また、私はENVがADSRのシンセの予算に関して、できれば税別5万円を上限にと考えています。

 価格やポルタメントのカーブは不明ながらこれらの条件を、Roland Boutique JU-06Aは満たしていると考えられます。

 最初のポリフォニックシンセがRoland JUNO-6だった事もあり、私にとって“あの頃”に浸ったり、その頃に作った音色をたたき台に今の自分の音を作る為のシンセになるのかもしれませんが、今よりも音色をもっと大雑把に捉えて形にするシンセとして、私の手許に置けたらと思います。

 Roland Boutique JU-06A、発売日は令和元年(2019年)10月5日。価格は税抜46,000円。


Roland Boutique JU-06A
https://www.roland.com/jp/products/ju-06a/

 令和元年(2019年)5月9日、コルグはデスクトップモジュールタイプのアナログシンセKORG minilogue xd moduleを発表しました。既に取扱説明書も公開されています。

 鍵盤が無い事以外はKORG minilogue xdと同じ仕様で、フロントパネル左端手前にジョイスティックもあります。

 鍵盤は無いものの、キーボードスイッチを奥へ倒すと、画面に鍵盤のアイコンが表示され、16個の自照式ボタンが鍵盤になります。点灯したボタンが白鍵、消灯したボタンが黒鍵です。

 minilogue xd、あるいはもう1台のminilogue xd moduleと組み合わせたポリチェイン機能で、同時発声数を8にする事ができます。

 minilogue xd module、そのうちに出るだろう、あるいは、ポリチェイン機能で発声数を増やす事が出来るようになるのではと予想していた向きは多いと思います。

 また、minilogue xd moduleには、propellerhead Reason Lite、iZotope OZONE ELEMENTS等、様々なソフトウェアがバンドルされています。

 KORG minilogue xd module、発売日令和元年6月中旬予定、価格はわかりません。

 EGがADSRのシンセに関して、一応税別5万円を上限と考えている私としては、その条件に合致してくれると嬉しいのですけどね。


令和元年(2019年)6月14日追記。

 KORG minilogue xd module、6月23日発売、税込価格59,940円。minilogue xdと同じ価格です。


令和元年(2019年)6月19日追記。

 KORG minilogue xd moduleの発売日が、7月下旬に延期されました。


令和元年(2019年)7月26日追記。

 KORG minilogue xd module、発売日7月27日、税込価格59,940円。鍵盤があるminilogue xdと同価格です。


KORG minilogue xd module
https://www.korg.com/products/synthesizers/minilogue_xd_module/


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 implant4さんで、KORG DW-6000を試奏させていただきました。入ってきたばかりで状態のチェックが済んでいないとの事でした。同店ウェブサイトの在庫リストにアップされるまで若干時間が必要になるかもしれません。
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 ハイブリッドシンセサイザーKORG DW-6000は、昭和59年(1984年)秋、発売されました。

 大阪の天満橋OMMビルでDW-6000の発表会があり、高校2年生だった私も参観しました。ちなみにこの頃、私はMIDIを「エムアイディーアイ」と読んでいたのですが、この発表会でコルグさんの関係者が「ミディ」と言われているのを聞いて、MIDIの一般的な読みを知りました。

 前年昭和58年(1983年)春に登場したFM音源シンセYAMAHA DX7は、それまで高価だったデジタルシンセが民生機として広まっていく端緒になる…はずだったのですが、他社がすぐにはそれに続く気配が感じられないまま、MIDI元年でもある衝撃的な昭和58年が暮れていきました。

 ちなみに昭和58年に登場したシンセは、DX7のほか、KORG POLY-800Roland JUPITER-6、JX-3P、SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-600、prophet-T8等でした。

 また、DW-6000と同じ昭和59年に登場したシンセとして、Roland JUNO-106、SUPER JUPITER MKS-80があります。

 DX7の登場にシンセサイザーが楽器として進化していく道筋を感じたものの、やはり楽器店の店先でちょこちょこ触れただけでは音色作りを会得する事ができず、
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 当時の西ドイツのPPG wave 2.2のような、オシレータ→フィルター→アンプという、アナログシンセのディファクトスタンダードともいうべき流れで音色を作るタイプの民生機が出てこないものかと思っていました。

 KORG DW-6000は、そのオシレータ→フィルター→アンプという流れで音色を作るアナログシンセの流れを継承しています。
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 フロントパネルを見ていきます。
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 「KORG DW-6000 PROGRAMMABLE DIGITAL WAVEFORM SYNTHESIZER」のロゴ。
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 ボリュームスライダー、マスターチューン。

 DW-6000はデジタルアクセスコントロールタイプのシンセながら、マスターチューンが専用スライダーという形で実体を持って露出しているので、他のアコースティック楽器等との急な調子合わせがしやすいと思います。
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 キーアサインボタン。POLY1、POLY2、ユニゾンがあります。

 POLY1は同じ鍵盤を押鍵しても6つのシンセトーンの内の異なるトーンが発声されるのですが、POLY2は同じトーンがリトリガーされて発声します。POLY2はポルタメントをかける時、特に有効だと思います。

 ユニゾン時の6つのシンセトーンのディチューンの深度は規定値です。奏者やマニピュレータが設定する事はできません。
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 音色選択及び設定操作子群。

 プログラムボタンを押すと音色選択、パラメーターを押すとエディットモードに入ります。

 1〜8ボタン2つの64通りの組み合わせ、つまり11〜88で音色やパラメーターを選びます。

 音色設定はバリュースライダーとディクリメント/インクリメントボタンで行います。DX7と同じです。1~8ボタンで音色設定の数値を入力することはできません。
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 パラメーターリスト。

 実に簡便です。ワークステーション機のパラメーター群の1セクション分くらいしかありません。
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 8つのオシレータ波形群。

 各波形に名称は付いていないのですが、取扱説明書に“次のような音作りに適しています”として、各波形がどんな楽器のシミュレーションに適しているかが記されています。

 DWGS(DIGITAL WAVEFORM GENERATOT SYSTEM)とは、倍音加算合成方式で作った波形を記憶させたデジタル音源です。

 DWGS波形はDW-6000の翌年に登場したDW-8000/EX-8000、昭和61年(1986年)に登場したサンプラーKORG DSS-1のみならず、その後のワークステーション機KORG M1から現行廉価機のKROSS2KROME EXに至るまで、オシレータ波形のカテゴリーSingle Waveという形で継承されています。カテゴリーSingle Waveは、鋸歯状波や矩形波、パルス波といった波形も含めてDWGSです。

 VCFはローパスフィルターのみ。専用のEGがあります。

 レゾナンスを上げると自己発振します。

 キーボードトラックは、オフ/ハーフ/フルから選択する形です。マイナス値、つまり低域へ行くほどカットオフが開いていくという設定はできません。

 VCFを自己発振させてキーボードトラックをフルに設定した場合、きちんとした平均律、いわゆるドレミ…が弾けるようになるのか否かのチェックをし忘れました。

 ポラリティスイッチでVCF EGのかかりの正逆を選択する事ができます。

 アナログシンセ及びデジタルシンセ現行機の場合、カットオフフリケンシーをつまみやスライダーでリアルタイムコントロールする向きは多いと思うのですけど、DW-6000の場合、エディットモードに入ってカットオフを選択し、バリュースライダーを動かしても、カットオフは階段状に変化してしまいます。

 EGはPOLY-800のADBSSR方式を継承しています。

 VCAには変調に関するパラメーターは無く、トレモロを設定する事はできません。EGはVCFと同じADBSSR方式です。

 MG(LFO)は、レイトとディレイタイム、ビブラート(オシレータ)及びグロウル効果(VCF)の深度を設定します。波形は三角波のみ。フェイドインタイムはありません。先に記した通り、VCAにはかかりません。

 かつてアナログポリフォニックシンセが発声数分のLFOを搭載していなかった事を、アナログポリシンセのLFOをつぶやくに記したのですが、DW-6000もそうなのか否かを調査し忘れました。

 ポルタメントのカーブはデジタル的なリニア変化だったような気がします。
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 ポルタメントのオン/オフを、フットスイッチKORG PS-1で行う事ができます。
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 鍵盤。ベロシティ、アフタータッチはありません。

 YAMAHA DX21と似た形状と感触の鍵盤だと思いました。同じものかもしれません。
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 ジョイスティック。

 KORG POLY-61、POLY-800のジョイスティックを継承しています。

 ピッチベンドレンジはダウン/アップとも最大1オクターブ。ワークステーション機やアナログモデリングシンセ、アナログシンセに至るまでコルグの現行機に継承されています。

 VCFのカットオフの開きに関して、レンジは規定値でオン/オフのみなのと、ジョイスティックの傾斜で効果の深度をコントロールするのではなく、モーメンタリーボタンとしてのオン/オフ機能しかありません。
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 リアパネル。

 MIDI THRU/OUT/IN、外部記憶カセットテープインターフェイス、フットスイッチ、音声出力(ステレオ)等の端子群。

 アナログシンセのディファクトスタンダードともいうべきオシレータ→フィルター→アンプという流れは、結局その後のデジタルシンセ時代になってもディファクトスタンダードであり続け、今日に至っています。
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 VCF、VCAは、Roland D-50、KORG M1といった本格的なデジタルシンセの登場でデジタルフィルター、アンプとなり、パラメーター構成はより充実していき、もはや来る所まで来た感があります。
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 KORG DW-6000は、日本のデジタルシンセ作りにおけるその流れの、小さな1歩だったのではないでしょうか。

 そして、完全なデジタルシンセがソフトウェアに呑み込まれつつある中、アナログシンセ、あるいは、フィルターやアンプに、VCF、VCAを採るハイブリッドシンセが内外のメーカーから登場している現状も、遠くDW-6000にその先鞭があるといえなくもないと思います。