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 令和3年(2021年)1月18日、コルグはプログラマブルアナログモノフォニックシンセサイザーminiKORG 700FSを発表しました。

 昭和48(1973年)の国産初の量産型シンセサイザーmini KORG 700及びその翌年に発売されたmini KORG 700Sの、生産台数限定の復刻機です。

 この記事を書いている現在、まだ取扱説明書が公開されていないので、詳らかなことは書けず、事実誤認もあるとは思うのですが、コルグのウェブサイトの記述や画像を参考に記したいと思います。取扱説明書の公開があり次第、大幅な加筆、訂正があることをお含み下さい。

 基本的にはmini KORG 700Sがベースになっていると思われるのですが、14音色のプログラマブル機能があり、アフタータッチ、ジョイスティック、内蔵エフェクターとしてスプリングリバーブ(スプリングリバーブを模したデジタルリバーブではなく本当にバネを用いたリバーブ)が加わっています。

 フロントパネル左端奥にプログラマブル機能に関する操作子が集約されています。書き込み、バンク1/2を切り替える、1〜7音色指定、そして、音色設定操作子群の現状が発声に反映されるPANELのボタンがあります。もちろんデジタルアクセスコントロールではないので、設定値を見ることはできません。現時点では判明していませんが、USBを介してパソコンやタブレットで、という可能性は考えられます。

 mini KORG 700には無く、mini KORG 700Sの鍵盤左側のスペースに増装された二つ目のオシレータが、miniKORG 700FSにも継承されています。ピッチに関してmini KORG 700Sではたしかコースチューンだけだった記憶があるのですが、miniKORG 700FSではファインチューンも加わっています。また、ジョイスティックが増装されていて、ピッチベンドやビブラート、グロウル効果を奏者が任意の所でかけられるようになっています。

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 主だった操作子群が鍵盤の下に配されているというのが、mini KORG 700、mini KORG 700Sの姿を際立たせている理由の一つだと思うのですが、これ故に、喜多郎さんが右手人差し指から小指を使って鍵盤演奏をしている時に、親指を使って操作をしているのを公演で観ました。

 miniKORG 700FSがこれを継承してくれていて嬉しい。音色に関しては、私がコルグやローランドのデジタルシンセで作った音色でたいていの人は騙せるのですが、この操作感だけはこの姿でないとどうしようもない。この鍵盤の下の操作子群を見ていきます。

 マスターボリュームの次に、スプリングリバーブの効果の深度を設定するスライダーがあります。mini KORG 700、mini KORG 700Sにはありませんでした。昭和54年(1979年)に我が家に来たTechnics Space T5というステレオコンポのアンプにスプリングリバーブがあってRoland SH-101等に使っていたのですが、ある時、これにイレギュラーな?振動が加わったところ、ものすごい爆音になりました。miniKORG 700FSに衝撃を加えたらどうなるのでしょうね。

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 mini KORG 700、mini KORG 700S、800DVの頃、コルグはVCFのカットオフフリケンシーのことをトラベラーと呼んでいて、miniKORG 700 FSにも継承されています。有名なローパスフィルター/ハイパスフィルターのスライダーを交差させない為の突起の付いたキャップが被せられているのですが、miniKORG 700 FSには突起の無いキャップも付属していて、ユーザーが換装できるようになっています。

 トラベラーの右に後のシンセでいう所のEGがあります。アタックは文字どおりアタックタイム、パーカッション〜シンギングは減衰系か持続音系かを一つの操作子で決めます。これらは値が大きくなるほどスライダーは下になります。

 オクターブ、VCO波形の選択つまみが並んでいます。三角波は喜多郎 mini KORG 700Sリードでも書きましたが、とても三角波に聴こえない独特の趣きがあり、喜多郎さんが多用しています。この三角波、コルグではなくローランドが自社のPCM(700 Triangle)、SuperNATURALシンセトーン(TRI B)、ZEN-Core(700 Triangle、TRI Pulse Width:42)というバリエーションで用意しています。はっきり言って、たいていの人は騙せます。

 1980年代半ばに出たあるシンセサイザー本で、コルグ、ローランド、ヤマハの技術者に、好きな他社機を問うたところ、ローランドの方はmini KORG 700S、800DVを挙げていました。ちなみにコルグの方はBOSS DR.Rythm、ヤマハの方はお答えにならなかったと記憶しています。

 話をminiKORG 700FSに戻します。

 カラフルなレバーが続くのですが、ブライト(レゾナンス)、ディレイビブラート、ベンダー(オートベンド)等も含め、これらはオン/オフを含む規定値の選択です。

 リピート(トレモロの速さ)、ビブラートのレイトや効果の深度、ポルタメントタイム(実際はレイトだと思います)は、スライダーで設定するのですが、ここも、遅いほど、深いほどスライダーを下げます。

 リアパネル側を見ると、USB、MIDI IN、CV IN、GATE IN、音声入力やステレオの音声出力端子があります。

 コルグのminiKORG 700FSのウェブサイトの、試作1号機やコルグデカオルガン、mini KORG 700、mini KORG 700S、800DV、MS-20等の開発者、三枝文夫(みえだ・ふみお)さんの回顧記に、
700FSはHz/VoltだがOct/Volt方式の機器も接続できるように設計されている
とあります。miniKORG 700FSはHz/V機ながら、CV IN、GATE INはインターフェイスMS-02を介さなくとも、アナログシンセ界のディファクトスタンダードともいうべきOct/V方式の機器と併せて使えます。

 ステレオの音声出力はスプリングリバーブの効果をより活かす働きがあると思います。

 miniKORG 700FSは、日頃、
あのシンセサイザー奏者が出しているあのシンセサイザー音はあのシンセサイザーで出してんのか!いっちょあのシンセサイザー買うか!
な人間をクサしてきた私が、絶対に買ってはいけないシンセサイザーであり、改めて操作子群を見返すと、とても私の音色に対する考えを汲んでくれるモデルではないのですが、鍵盤の下にマニピュレーションの為の操作子群があるという独特の形状は、何らかの形でデジタルシンセにも採り入れていただけたらと思います。

 否、だまって買うかもしれませんけどね。

 miniKORG 700FS、令和3年(2021年)6月発売予定。価格は分かりません。


miniKORG 700FS
https://www.korg.com/jp/products/synthesizers/minikorg_700fs


KITARO meets miniKORG 700FS
コルグ制作の喜多郎さんのminiKORG 700FSに関するコメント映像。
https://www.youtube.com/watch?v=PyIF8vnAu2I

 平成17年(2005年)11月5日、ふと思い立ってこのブログを書き始めてから15年経ちました。

 近年、すっかり投稿が寡少になりました。

 アナログシンセサイザーしか無かった頃、その音色作りの幅や深度の不甲斐なさにイライラしていたのですが、その頃私が夢想していた機能(パラメーター)は、デジタルシンセサイザーの一般化以降数十年を経て、今や税別10万円を切るようなモデルでも現実化しています。

 私がここ数年のシンセサイザー廉価機で概ね満ち足りてしまったが故に、新製品の報に接しても興味が湧かなくなってしまった事が、投稿が減った理由の一つです。

 このブログへの検索語彙を見る度、シンセサイザーをやっている人間に、いかに思慮の怠惰なのが多いかも実感させられています。とにもかくにも自分の頭で考えるという作業がめんどくさいらしい。そういう人間に読まれても仕方がない、これも理由の一つです。

 この事は、あるいは内外のシンセサイザーメーカー各社さんこそ、より実感されているのかもしれません。例えば、10年前に発売したシンセサイザーの取扱説明書に、
作り出したい効果を頭に浮かべ論理的に作業していけば希望する効果が得られる
と書いたメーカーが、今やサイコロボタンですよ。

 花盛りの復刻機にしても、つまるところ、
あのシンセサイザー奏者が出しているあのシンセサイザー音はあのシンセサイザーで出してんのか!いっちょあのシンセサイザー買うか!
な人間や収集癖系シンセ趣味人の物欲や執着心にぶつけたものではないでしょうか。シンセサイザーを固有の音を持たない楽器だなどと思っている人間が復刻機を買うとは、メーカー側はいささかも思っていないのかもしれない。どんな志向の人間が買い、どんな使い方をするのかを、完全に見切っている。

 シンセサイザーを使う人は「玩物喪志(がんぶつそうし)」の意味を理解しておいた方がいい。身辺にシンセサイザーの山を築いたあげく「シンセを買ってモチベーションを上げる」等とわけのわからない事を他人のブログのコメント欄に書きつけるようになる前に、です。

 あるシンセサイザーメーカーと同じ源氏名を持つホストの方にちなんで、
俺(のシンセサイザー演奏)か、俺以外(のシンセサイザー演奏)か
などという気は無いのですが、曲のこのパートないしこのフレーズに似合うシンセサイザーの音色とは、をイメージし、考察し、構築する、という発想が無く、どれにしようかとメーカープリセット音を聴くか、つまみをひねるかスライダーを上げ下げするかしてまぐれ当たりの神がニタニタ笑ってくれるのを待つか、といった使われ方ばかりになっている現状、他人のシンセサイザー演奏の今やこれからに興味が湧かず、このシンセサイザーのパラメーター構成はどうのこうのと書き連ねて公にする事の意義を感じない、これが最大の理由です。

 音楽のネタ(順列組み合わせ)の枯渇がいわれ始めた頃、ならば音色の自由度で表現の拡大を、という事で、固有の音を持たない楽器シンセサイザーが誕生したはずなのですが、今や
このシンセサイザーはどんな音が出るのか
ですからねえ。冨田勲さんが
このシンセサイザーはどんな音がするのかという質問は、このバーベキューセットはどんな味がするのかと言っているのと同じ事
と言われてから、一体何十年経っているのでしょうね。

 オーケストラやバンドアンサンブルの代わりにシンセサイザーと一人多重録音で省力化やコストカットを、という使われ方も、この楽器の可能性に軛(くびき)をかける結果になっているのではないでしょうか。

 ついでに書くと、ポピュラー音楽における作曲という作業を、私はもはや創造的な行為とみなしていない。古楽を聴くとなぜか頻繁に遭遇する後世のポピュラー音楽で聴いたフレーズ、自分で自分をパクリ続けているとしか思えない作曲家、演奏における自らの手癖の発露を全く意に介していないらしいシンセサイザー奏者の存在等々、いよいよ順列組み合わせのネタが欠乏してきたのでしょうね。加えて、具体的には挙げませんが、今般の新型肺炎禍下での一部音楽家達の言い草…今後私はポピュラー音楽に関して、平成年間の約30年で蒐集した作品だけを聴いていく事になると思います。幅80cmの棚約1.5段分に並んだCDです。これで充分です。

 というわけで、ごく私的な備忘録として、このブログは至極細々と続いていく事になると思います。

 喜多郎さんがKORG 800DVを使って出しているブラストーンリードを、先に作った店頭で喜多郎mini KORG 700Sリードを作る方法(KORG KROSS2の場合)をエディットする形で簡便に作る方法を記したいと思います。

 店頭で喜多郎mini KORG 700Sリードを作る方法(KORG KROSS2の場合)とは逆の順番で書き進めたいと思います。理由は、設定を変え終わった時点で、P-BASICのVOICEページでオシレータモードをダブルに変え、OSC1の設定をOSC2にコピーするからです。

 まず、
P–MFXのMFX1は使わないのでチェックを外してください。ただし、その上でエフェクターをEnsembleからStereo Chorusにしておいてください。いずれこの店頭で喜多郎mini KORG 700Sリードを作る方法(KORG KROSS2の場合)で作った音色をエディットする形で、別の音色を作る記事を書くつもりなのですが、その時、使います。
とした、MFX1のチェックを入れてください。本来の喜多郎KORG 800DVブラストーンリードのイメージから外れるのですが、音色の輪郭をにじませる効果に使ってみました。必要性を感じない場合はチェックを外したままにしてください。

 フィルターのFreq (Cutoff Frequency)を24にしてください。

 次にピッチEG(オートベンド)の設定に入るのですが、コルグのワークステーション機はピッチEGのサスティンレベルが0固定である事に留意する必要があります。

 本来の喜多郎KORG 800DVブラストーンリードのオートベンドは、押鍵時よりもピッチが1オクターブ上へ持ち上がる(持ち上げる)わけですが、サスティンレベルが0固定故に、1オクターブ下からしゃくり上がる(しゃくり上げる)設定を考えなければなりません。

 ピッチEGを、スタートレベル-99、アタックタイム67、アタックレベル-99にします。これは押鍵してからオートベンドがかかり始めるまでのディレイタイムに相当します。聴感上、ここが押鍵時の音程であるように聴かせなければなりません。後ほど書きますが、アサイナブルボタンSW2によるオートベンドオン時に、アサイナブルボタンSW1を使ってオクターブを上げる設定も必要です。

 次にディケイタイム58、カーブを6、ブレイクポイントをサスティンレベル(0固定)と同じ0に揃えます。このディケイタイムが800DVのオートベンドのベンドタイムに相当します。

 カーブを6とした理由はここがリニア変化(0L)だと800DVのオートベンドの雰囲気にそぐわないからです。私がコルグのワークステーション現行機を大変気に入っている理由の一つは、EGの各タイム個別にこのようにカーブのフィーリングのパターンを選択できる事です。

 残りのスロープタイム、リリースタイム、リリースレベルは0にしてください。

 P-PITCHのBASICで、オクターブを+0(8’)、TUNEを+0000から-0004に変えます。

 P-PITCHのMODのオルタネートモジュレーションのIntensityを+8.40から+12.00にします

 P–OSCのMS1でオシレータ波形を鋸歯状波の313 Saw-MG3に変えます。

 P-BASICのVOICEページで、モノフォニックをポリフォニックに、オシレータモードをシングルからダブルに変えます。

 P– INPUT/CTRLのControllersページで、SW1をオクターブアップに変えます。SW2でのオートベンドオン時、オートベンドオフ時との整合性をとるためにオクターブを上げる必要があるからです。

 Copy OscillatorでOSC1からOSC2へ今まで行ってきた設定をコピーします。

 P-PITCHのBASICでオシレータ2のTuneを+0004にします。オシレータ1のTune-0004と併せて2つのオシレータにディチューンがかかった状態になります。

 また、2つのオシレータを1オクターブちがいに設定すると、喜多郎さんのアルバム「OASIS」の「モロリズム」前半のKORG 800DVブラストーンリードっぽくなります。この場合、Tuneは2つのオシレータとも+0000にします。

 以上、喜多郎KORG 800DVブラストーンリードを、店頭で喜多郎mini KORG 700Sリードを作る方法(KORG KROSS2の場合)をエディットする形で作ってみました。

 もちろん、今回の記事も簡便な操作で音色を模倣する事を企図したものであり、本格的なマニピュレーションには、EGの各タイム各レベルを個別にベロシティを設定できる事やオルタネートモジュレーション、プログラム毎に様々に設定できるフットスイッチやエクスプレッションペダルといった、コルグのワークステーション機の特長を活かした発想、パラメーターが豊富なデジタルシンセである事の意義を織り込むべきだと思います。

 喜多郎さんのNHKスペシャル「四大文明」オリジナルサントラ盤「Ancient」の「Mysterious triangle」、ライブアルバム「daylight moonlight 喜多郎 live in 薬師寺」の「Koi」は、喜多郎KORG 800DVブラストーンリードが、ディレイオートベンドも含めて聴きやすい形で入っています。参考にしてみてください。

 平成19年(2007年)、店頭で喜多郎mini KORG 700Sリードを作る方法(M3の場合)という記事をアップしました。

 楽器店に展示されたKORG M3のプリセット音をできるだけ簡便にエディットする形で喜多郎さんのmini KORG 700Sリード を真似てみる、という内容なのですが、約13年が経ち、当然ながらM3の製造は終わっているので、現行のワークステーション廉価機KORG KROSS2のプリセット音Espress Lead(カテゴリーSYNTH LEAD 003、バンクD011)を使って、新たに書きたいと思います。

 今回使用したのは、楽器店に展示されていたKORG KROSS2の61鍵量産型機KROSS2-61-MB(スーパーマットブラック)です。

 P-INPUTのコントローラーページで、SW2をSW2 MODに変えます。アサイナブルボタンSW2で、後で設定するオートベンド(ピッチEG)のオン/オフを切り替える為です。

 P-BASICのVOICEページで、モノフォニック、オシレータモードをシングルに変えます。トリガーモードはシングルなので、レガートのチェックは入れたままにしてください。

 P–OSCのMS1で波形を320 Pulse-33%に変えます。

 P-PITCHのBASICで、オクターブを+1(4’)、TUNEを-0002から+0000に変えます。これはEspress Leadが本来デュアルモードで、OSC1が-0002、OSC2が+0002とディチューンがかかっていた名残です。

 そしてBend +(アップ)を+12にします。喜多郎さんのmini KORG 700Sリードの演奏で、1オクターブ上へレガート(つまりリトリガーしない)する時、間延びしたポルタメントをかけるという事がよくあるのですが、このポルタメントのカーブがリニア変化だと雰囲気が出ません。ではKROSS2でどうやるかというと、苦肉の策ですが、1オクターブ上へレガートせず、ポルタメントもかけず、単にピッチホイールで1オクターブ上へピッチベンドするわけです。非リニア変化のカーブの雰囲気をピッチホイールの操作で出すのがコツです。

 一応ポルタメントの設定も書いておくと、Espress Leadの設定で既にアサイナブルボタンSW1でオン/オフできる状態になっているので、モードのRateはそのままに、タイムを063に変えます。ただ、やはりカーブのフィーリングがリニア変化なので、違和感が付いてまわるような気がします。1オクターブよりも短い距離だと使えなくもないなと思います。

 P-PITCHのMODでEGを0、AMS(オルタネートモジュレーションソース)をSW2、オルタネートモジュレーション側のIntensityを+8.40にします。これもオートベンドのオン/オフをSW2で行う為の設定です。LFO1 Int(ビブラートの深度)を+00.33にします。

 ピッチEGはスタートレベルを-64、アタックタイムを23、アタックタイムのカーブをリニア変化から6に変えて、その他の要素を全て0にしてください。

 P-FilterのFilter RoutingをSingle、フリケンシーを19、レゾナンスを0にし、フィルターEGのアタックタイムを14、リリースを7あたりにしてください。EGに関してP-Ampも同じ設定変更で結構です。

 P-AmpのBASICのAmp Levelを最大値127。パンポットが右寄りの状態(R74)になっているので、64を入れるとステレオ音場の中央に来ます(C064)。これもEspress Leadが本来デュアルモードでOSC1が右寄り、OSC2が左寄りに振られていた名残です。

 P-AmpのMODのVelocity Intensityを19にします。

 P–OSC LFOのFadeを10、Delayを14にします。

 インサーションエフェクターは使わないので、P–FX ROUTINGのIFXで5つのエフェクターのチェックを全て外して下さい。

 P–MFXのMFX1は使わないのでチェックを外してください。ただし、その上でエフェクターをEnsembleからStereo Chorusにしておいてください。いずれこの店頭で喜多郎mini KORG 700Sリードを作る方法(KORG KROSS2の場合)で作った音色をエディットする形で、店頭で喜多郎KORG 800DVブラストーンリードを作る(KORG KROSS2の場合)を書くつもりなのですが、その時、使います。

 MFX2は既にReverb Hallが選択されているのですが、あえてReverb Hallを選びなおしてください。Espress Leadの為の設定になっているのを、汎用的な設定に変える為です。Return 2を最大値127にしてください。Reverb HallのWet/Dryを24/76あたりにしてください。

 以上、楽器店さんの店頭での試奏時に作ってみるというのはいかがでしょうか。もちろん、この記事は簡便な操作で音色を模倣する事を企図したものであり、本格的なマニピュレーションには、EGの各タイム各レベルを個別にベロシティを設定できる事やオルタネートモジュレーション、プログラム毎に様々に設定できるフットスイッチやエクスプレッションペダルといった、コルグのワークステーション機の特長を活かした発想、パラメーターが豊富なデジタルシンセである事の意義を織り込むべきだと思います。フットボリュームも必需です。

 演奏に関して、スタッカート/レガートを弾き分けて、リトリガーする/しないをタイトに鳴らし分けるのと、ピッチベンドの設定の所で記しましたが、本来1オクターブ上へレガートしつつポルタメントをかけるという行為のピッチベンドでの代行時、カーブが非リニア変化のポルタメントの感じを上手く出す、がコツだと思います。

 アサイナブルボタンSW2でオートベンドのオン/オフができるようにしたので、これも活かしてください。

 平成12年(2000年)に放映されたNHKスペシャル「四大文明」は、音楽を喜多郎さんが担当したのですが、同番組オリジナルサントラ盤「 Ancient」に収録された「Main theme Nile」「Great pyramid」「Dholavira」、同じく同番組オリジナルサントラ盤「An ancient journey」の「Tabiji」は、1オクターブ下からしゃくりあげるオートベンド、1オクターブ上へのレガート時にかけるポルタメントといった、喜多郎mini KORG 700Sリードの表情を聴きとりやすい曲だと思います。参考にしてみてください。

 妙な所で見かけたシンセをつぶやくで、
1982年のフジテレビ系新春かくし芸で、ドリフターズがシンセで喜多郎さんの「絲綢之路 黒水城の幻想」を演奏した事もあった。たしか志村けんさんがRoland VP-330で「アァー…」とやっていたおぼえがある。
としたのですが、今回、動画投稿サイトに、昭和57年(1982年)元日夜に放映されたフジテレビ系新春かくし芸大会の映像を発見しました。

 私の事実誤認の訂正も含めて、備忘録代わりに書きたいと思います。

 たしか新春かくし芸大会でのザ・ドリフターズは、いかりや長介さん、高木ブーさんと、加藤茶さん、仲本工事さん、志村けんさんが、西軍東軍に分かれて参加されている事が常だったと思うのですが、昭和57年の新春かくし芸大会でも、加藤茶さん、仲本工事さん、志村けんさんが東軍でした。

 東軍の出し物の2つ目として、喜多郎さんの絲綢之路(しちゅうのみち/シルクロード)が、加藤茶さん、仲本工事さん、志村けんさんのシンセサイザー演奏で披露されました。

 編曲は、かつて私がつぶやいた「絲綢之路II」の「絲綢之路 黒水城の幻想」や、NHK特集シルクロードオリジナルサントラ盤「絲綢之路」に入っているタイトル曲というよりは、NHK特集シルクロード第1部のオープニング映像の背景で流れたテーマ曲に近い感じがします。

 指導として、堂本重道さんという方のお名前がクレジットされています。

 加藤茶さんのブースには、この時点で既に製造が終わって久しい2台のRoland SH-1と、この番組放映の前年、昭和56年(1981年)の発売された最新鋭機Roland JUPITER-8があります。

 加藤茶さんはJUPITER-8のみを弾いています。パートはオスティナートで、喜多郎さんの原曲ではVCOの波形をランプ波にしたminimoogが使われています。

 仲本工事さんのブースには、solina String EnsembleかARP String Ensembleと思われるストリングスキーボードと、ボコーダーRoland VP-330 Vocode Plus

 私が志村けんさんが唄ったと記憶していたボコーダーの「アァー…」は、仲本工事さんでした。

 喜多郎さんの原曲ではストリングスキーボードのパートはKORG PE-2000、ボコーダーはVP-330です。

 志村けんさんのブースには、JUPITER-8同様、昭和56年に発売された最新鋭機KORG Mono/PolyMS-20、TRIDENT、そしてデジタルシーケンサーRoland MC-4。

 Mono/Polyはメロディの笛、TRIDENTは間奏のブラストーンリード、志村けんさんが左手で押さえるMS-20は風を鳴らしています。

 「絲綢之路」の演奏の始端、志村けんさんがRoland MC-4をスタートさせるのですが、音源はおそらく加藤茶さんのブースにある2台のSH-1と思われます。ベースと速いオスティナートのパート。

 喜多郎さんの原曲では、メロディの笛はVCOの波形をあの独特の三角波ではなく矩形波にしたmini KORG 700SブラストーンリードKORG 800DV、打ち込みはRoland CSQ-600で行われています。シンセベースとオスティナートはともにminimoogと思われます。原曲ではシンセベースは喜多郎さんの手弾きです。

 昭和57年(1982年)に初めて喜多郎さんのコンサートを体験したのですが、ステージ上に手弾き用以外にもCSQ-600の音源用として複数台のminimoogが設置されていた記憶があります。

 昭和57年元日のかくし芸大会放映当時、私は中学2年生でした。加藤茶さん、仲本工事さん、志村けんさんが、お笑いの要素を全く持ち込まず、真剣にシンセサイザーを演奏されていた事と、このかくし芸を観ながら、自分もいつかシンセサイザーをこんな風に並べて弾いてみたいと強く想った事を憶えています。


 志村けんさんは、令和2年(2020年)3月、新型肺炎でこの世を去っています。


https://www.youtube.com/watch?v=akgu7srXIhI&feature=emb_logo

 以上の映像の13分26秒あたりから田原俊彦さんとツービートさんによる紹介があり、「絲綢之路」の演奏が始まります。

 田原俊彦さんが「喜多郎さん」と言った所でビートたけしさんが「ゲゲゲ」と言っています。

 令和2年(2020年)2月7日、ローランドは電子和太鼓Roland TAIKO-1を発表しました。

 和楽器の音色が出る電子ドラム/パーカッションは、既にローランドのものも含め内外のメーカーから出ているのですが、TAIKO-1は帯(ストラップ)を付けて肩から下げる担ぎ桶太鼓の姿をしています。

 ローランドは平成29年(2017年)頃から、この担ぎ桶太鼓型電子和太鼓の試作機を公にしてきました。

 初号機は電子ドラム2台(2枚というべきか)を合わせたような姿だったのですが、当初から胴の部分が無く、世代を重ねる毎に、太鼓の縁(ふち/へり/リム)の部分が薄くなり、直径35cmの面(めん/皮/ヘッド)は初号機から描かれていた巴紋(ともえもん)が反対側に透けるほどに薄くなり、紐の部分が簡素化されていきました。

 TAIKO-1の発声のトリガーは、面や縁を打つ事なのですが、担ぎ桶太鼓同様、2組あります。面と縁に個別に音色を割り振る事ができます。つまり4音色を鳴らす事になります。

 また、面を打つ位置や強さで様々な音色変化を表現できます。

 面はメッシュ素材、先にも書きましたが、その薄さ故に表側に描かれた巴紋が裏側から透けて見えます。打つ感触や静粛性を考えられた素材です。

 TAIKO-1の面や縁が、和太鼓のバチではなく、例えばトーキングドラム等に使われるクエスチョンマークの様な形をした桴(いかだ)やマリンバ用のマレット、あるいは鼓(つづみ)やコンガ、タブラのような手のひらや指で叩く事を想定しているのか否かはわかりません。ウェブサイトには
朴(ほお)やメープルのバチをお勧めします。柔らかい素材はメッシュ素材により、摩耗する可能性があります。
打面に使用しているメッシュ・ヘッドは非常に高い強度を誇ります。朴やメープルの撥で力いっぱい叩いても問題なく演奏いただけます。
とあります。時にTAIKO-1の面ではなくバチの方が負けるほど、面に使われているメッシュが強い素材である事は間違いないいようです。

 TAIKO-1は、帯を肩にかけて担ぐ担ぎ桶太鼓の姿をしているのですが、二つの面を切り離してブショウ台の様な傾斜のあるスタンドに設置し、2張りの締太鼓として使う事もできます。

 音色は100以上あり、担ぎ桶太鼓系だけでなく、設置型の大太鼓、締太鼓、またバチの種類の違い、太鼓のアンサンブル、ドラやチャッパ、拍子木といった鳴り物、掛け声、その他打楽器や効果音まで収録されています。

 内蔵エフェクターは20種類以上あります。

 TAIKO-1のウェブサイトのディスプレイの画像を見て驚いたのですが、TAIKO-1は音色名を日本語で表示します。

 ドラムセットやパーカッションのパートに関して、リズムマシンのチャカポコリズムがダメ、手弾き(指叩き?)のキーボードラムも満足できず、結局リズムパートそのものを省略してしまう事も多い私にとって、TAIKO-1は、上手く演奏法をつかむ事ができれば、単にアンプ/スピーカーを使う和太鼓という事ではなく、有機的なリズム用のシンセサイザーとして使えるかなと思います。

 ところで、電子和太鼓Roland TAIKO-1の技術を応用する形で、インドの民族楽器タブラの電子楽器化、いかがでしょうか。開発に成功して人口が多いインドで大ヒットすれば…。


令和2年(2020年)12月26日追記。

 Roland TAIKO-1、令和3年(2021年)1月15日発売。価格は税込140,800円。


Roland TAIKO-1
https://www.roland.com/jp/products/taiko-1/

電子和太鼓TAIKO-1特設サイト
https://www.roland.com/jp/promos/roland_taiko/