KORG TRITON Le 61導入記

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 私が平成16(2004)年12月に購入し、現在も使っているミュージックワークステーションの廉価機KORG TRITON Leについて記したいと思います。私が所有しているのは61鍵機TRITON Le 61です。

 平成12(2000)年夏、江戸所払い及び大阪転勤の社命を受けアパートを引き払うおり、所有していたシンセサイザーKORG WAVESTATION A/D、Prophecy、TRINITY pro X、Roland JD-990、そしてMIDIシーケンサーKAWAI Q-80EX(2台)とYAMAHA QY300をお金に替えました。

 その後、健康を害したこと等からシンセサイザーを所有する機会が無かったのですが、平成16年10月1日、姫神・星吉昭さんの訃報に接して以来、無性にシンセサイザーが弾きたくなってきました。そして、シンセサイザー趣味再開の最初の1台としては、やはりワークステーション機だろうと考えました。

 私はそれまでKORG T1、そしてTRINITY pro Xと88鍵機をMIDIマスターキーボードにして来ました。かつては重い感触の鍵盤の方が弾きやすかったことと、61、76鍵機の押鍵、離鍵時の音が耳障りだったことがその理由です。

 しかしながら4年半後にシンセサイザー趣味の再開を企図した時、インターバルが開いたことと加齢ですっかり退化した私の手指は、88鍵機の重い鍵盤を弾きづらくなっていました。

 私はKORG TRINITY pro Xを手にして以来、ジョイスティックそばの二つのアサイナブルボタンを、特にメロディーパートの演奏中に頻繁にオン/オフします。このボタン、Roland V-Synth GTFantom Gの無かった当時、コルグのワークステーション機以外はコントローラーのそばに無く、また後に登場した廉価機Roland JUNO-GYAMAHA MO6にはアサイナブルボタンそのものがありませんでした。必然的にコルグのワークステーション機ということになります。

 結果、鍵盤の音が比較的静かで軽い感触の、ジョイスティックそばに二つのアサイナブルボタンがあるワークステーション機として浮かんだのは、KORG KARMAとTRITON Le 61でした。

 KARMAとTRITON Leは、シンセサイザーエンジン部分はTRITON以来のHIシンセシスシステムなのですが、KARMAはインサーションエフェクトがLe以外のTRITONシリーズ同様5系統が使えるのに対して、TRITON Leは1系統、そしてオシレータ波形に関してKARMAはオプションボードEXB-PCMシリーズやEXB-MOSSを装着することによって波形やフィジカルモデリング音源の増装が可能でしたが、それらはTRITON Leには使えません。

 しかしながら既にハードディスクベースのMTRの民生機でも、32ないし16トラックのモデルが登場していて、額面通りのマルチティンバーのワークステーション機として使うのではなくとも、演奏と多重録音を繰り返せば作品を作れる時代になっていました。したがってシンセサイザー側に、インサーションエフェクトの同時使用数が五つもある必要性を感じませんでした。

 そして元々私はオシレータ波形の数や精度にさほど興味が無いこと、KARMAのボタンの感触が好きになれなかったこと、KARMA機能よりもユーザーパターンを打ち込めるアルペジエータの方に魅力を感じたこと等から、KARMAではなくTRITON Le 61を購入しました。

 サウンド&レコーディングマガジンの創刊2号のSYNTHESIZER HOME RECORDINGベーシック編2という記事は、姫神・星吉昭さんの手によるものなのですが、そこには、1台のシンセサイザーを
使いこなし、使い古す
事が大事と書いてありました。楽器店でKORG TRITON Le 61購入の手続きをしている間、脳裏に響き、今も折に触れて思い出す言葉です。

 もっとも昨年手に入れたKORG MS2000Bは、とても使い古す気になれず、あっという間にお金に換えてしまいましたが…。

 ちなみにサウンド&レコーディングマガジン創刊2号

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 の表紙は喜多郎さんでした。

 TRITON Le及びその後継機TRは、ワークステーション機の廉価機とはいえ日本国内での製造です。つくりが後の各社の海外にアウトソーシングされた廉価機よりも、しっかりしているような気がします。

 ちなみにTRは、アフタータッチ付きのワークステーション機の歴史上、おそらく現時点で唯一、61/76鍵機が発売時から10万円を切り、なおかつ重量が10kgを切ったモデルでもあります。

 Leを除くKORG TRITONシリーズやKARMA、OASYS、M3、M50は、DEC(decrement)/INC(increment)ボタンやバリュースライダーが液晶画面の左側にあるのですが、TRITON LeやTRは、パラメーターに関する操作子が全て画面右側に集約されています。また、タッチビューとちがって指が画面を隠すということが無く、半ば手許を見ずに入力作業が出来ます。この環境が性に合っているからか、KORG TRITON STUIDIO 61を手に入れた今でも、新たに音を作る時、ついTRITON Le 61の方に手が行ってしまいます。私はTRITON Le 61で400近い音色を作りました。

 ジョイスティックの形状や感触に関して、私はこのTRITON Leタイプを最も気に入っています。このジョイスティックは、後にフラグシップ機TRITON Extreme、そしてモンスターワークステーションKORG OASYSへと継承されました。

 エディット画面1ページに収められているパラメーターの数やレイアウトが適切で、JUNO-Gのように画面をスクロールさせる必要がなく、またタッチビューと違ってストレートに変更したいパラメーターを指定する事が出来ないにもかかわらず、さほどボタンを押し送らなくともすぐに目的のパラメーターへカーソルを置く事が出来ます。タッチビューが苦手な私にとってありがたい事です。

 TRITON Le、TRに続くワークステーションの廉価機KORG M50が出てきた時、画面がタッチビューだったことに若干の失望をおぼえました。既にボタンよりもタッチビューの方が、コストを下げられる時代になったのかもしれません。そういえば最近購入したデジタルカメラNikon COOLPIX S230もタッチビューです。反応はすこぶる良いです。

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 銀さん(TRITON Le 61)と金さん(TRITON STUDIO 61)。ちなみに三つの赤いピアノベンチはKORG PC-3 REDです。

 KORG TRITON STUDIO 61導入記(1)に続きます。TRITONシリーズのシンセサイザーエンジン部分HIについてと、TRINITYのACCESS、M3及びM50のEDSとの違いも併せて書きたいと思います。


KORG TRITON Le
http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/TritonLe/

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by manewyemong | 2010-03-15 17:10 | シンセワールド | Comments(0)