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KORG TRINITY plus導入記(1)

 平成22(2010)年5月、私の手許にワークステーション機KORG TRINITY plusが来た事は、既にKORG TRINITY plusが来ましたで触れています。

 その記事を含めこれまで何度か書いているのですが、私はかつて平成9(1997)年夏から3年間、KORG TRINITYシリーズの88鍵機、TRINITY pro Xを使っていました。その時に作りためた音色データを今回導入したTRINITY plusにロードして、ひとしきり懐旧の情に浸ったものの、結局、今の私の感性にはそぐわないと結論づけた事も、KORG TRINITY plusが来ましたで記しました。

 今回、改めてKORG TRINITY plusに関する雑感を記したいと思います。まずTRINITYシリーズの概要をこのKORG TRINITY plus導入記(1)で、そして仕様のより細かい部分や操作感等を、KORG TRINITY plus導入記(2)に記したいと思います。

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 ワークステーション機KORG TRINITYシリーズは、平成7(1995)年秋、発売されました。平成3(1991)年秋の01/Wシリーズ以来、4年ぶりのフラグシップ機の交代です。

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 それまでデジタルシンセ民生機の筐体の色は、コルグはもちろん各社の製品の多くが暗い色だったのですが、TRINITYシリーズは銀色です。しかしながら、後にBKカラーのモデルも出ました(88鍵機pro Xは除く)。

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 デジタルアクセスコントロールの新しい操作子として、画面に触れてエディットしたいパラメーターを指定する、タッチビューグラフィカルユーザーインターフェイスが採用されました。今日のコルグのワークステーション機は、上級機M3はもちろん、廉価機M50にもこのタッチビューが継承されています。

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 コルグのシンセサイザーとしては、DSM-1、WAVESTATIONに続いて、入力操作子バリューダイヤルが装備されました。コルグのワークステーション機としては初です。

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 スライダーの大きさや形状は、それまでの、そしてTRITONシリーズ以降のモデルとも違う独特のものです。指の先を乗せる形でも2本の指で上下をつまむ形でも、使いやすくなっています。また、ボタンの形状や感触も、以後のモデルよりも上級感があります。

 鍵盤はM1、Tシリーズ及び01/Wシリーズの61/76鍵機同様、ヤマハ製FS鍵盤です。ベロシティとアフタータッチが使えることも同じです。

 88鍵機pro Xの鍵盤は、それまでのT1、01/W pro Xのものと比べて感触が緩くなったような気がしました。この鍵盤は後にN1、TRITON pro X及びデジタルピアノSG pro Xへと継承されます。これもヤマハ製だと聞きました。TRITON Le 88及びTRITON STUDIO 88以降は、コルグ製RH鍵盤が使われています(KORG M3-88試奏記参照)。

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 ジョイスティックはKORG 01/Wシリーズのものが継承されています。01/Wシリーズの88鍵機01/W pro Xのジョイスティックは、01/W型ではなくM1/Tシリーズのものが採られたのですが、TRINITY pro Xは、他のTRINITYシリーズ61/76鍵機同様、01/Wタイプのジョイスティックが採用されています。

 ジョイスティックの手前にリボンコントローラーが載っています。TRINITYシリーズと同時に出たフィジカルモデリング音源シンセサイザーKORG Prophecyにも採用されました。これが端緒になってか翌年に登場したアナログモデリングシンセサイザーRoland JP-8000や、平成10(1998)年のワークステーション機YAMAHA EXシリーズにも、リボンコントローラーが搭載されました。リボンコントローラーは、TRINITYシリーズ以後の歴代コルグワークステーションの上級機に継承され続けています。

 私が大変重宝しているジョイスティックのそばの二つのアサイナブルボタンは、TRINITYシリーズで初めて搭載され、これも今日に至るまでコルグワークステーション機に継承され続けています。後のコルグワークステーション機のようなトグル(押す毎に効果が切り替わる)かモーメンタリー(押している間だけ効果が有効になる)かを選択する事はできません。トグルだけです。私は喜多郎mini KORG 700Sのオートベンド(ピッチEG)のオン/オフ等に使っています。

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 SCSIやプレイバックサンプラー/フラッシュROMのオプションボードを装着できるようになっています。

 シンセサイザーエンジンは、TRINITYシリーズ全てにPCMのACCESS音源が、そしてTRINITY plus、 pro、pro Xには、Prophecyと同じMOSS音源が併せて搭載されています。

 ACCESS音源部のオシレータは、24メガバイトの容量の中に、375種のマルチサンプル、258種のドラムサンプルが収録されています。喜多郎mini KORG 700Sで使うオシレータ波形Pulse-33%も、276番に収録されています。

 ACCESS音源部にはポルタメントはありません。またオシレータに関して、ある現象を確認しています。KORG TRINITY plus導入記(2)で記します。

 フィルター部は、他社機に対して遅ればせながら、コルグのデジタルフィルターとしては初めてレゾナンスを備えました。

 話はそれるのですが、コルグのサンプリングシンセサイザーDSS-1のフィルターはアナログのVCFであり、レゾナンスがあったのですが、サンプリングシンセモジュールDSM-1にはたしかレゾナンスがありませんでした。あるいはDSM-1のフィルターはVCFではなく、デジタルだったのかもしれません。

 また、M1、Tシリーズ、01/Wシリーズで使われていたVDF(バリアブルデジタルフィルター)という呼称は、TRINITYシリーズからは単にFilter(フィルター)となりました。

 後のTRITONシリーズやOASYS、M3、M50等に比べるとやや簡便なのですが、オルタネートモジュレーションが使えます。

 YAMAHA DX7をはじめとするデジタルシンセ民生機の登場によって、私の中でコンボタイプのアナログシンセの存在価値が木っ端微塵に吹き飛んだのですが、コルグのオルタネートモジュレーションやローランドのマトリックスコントロールは、システムシンセのパッチコードの抜き差しに対する興味を過去のものにしました。

 KORG TRINITY plus導入記(2)に続きます。


KORG TRINITY
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/TRINITY/

by manewyemong | 2010-08-03 14:10 | シンセワールド | Comments(0)