CASIO XW-G1及びXW-P1が出るそうです

 1980年代、デジタルシンセサイザーを製造していたカシオから、先のNAMM 2012で久方ぶりのシンセサイザー発売に関するアナウンスがありました。CASIO XW-G1、XW-P1です。両機は基本的なデザインや重量、操作子の位置や数、形状等が共通しているのですが、仕様に違いがあり、操作子の意味も違うモデルです。

 両機のシンセサイザーエンジン部分も概ね共通していて、モノフォニックシンセやPCM音源が入っています。

 鍵盤は61鍵標準サイズでベロシティ付き。

タッチレスポンス機能 2種類、オフ

とは、あるいはベロシティ値を細かくは設定できないのかもしれません。

 フレーズシーケンサーとは、録音と繰り返し再生をする為のオーディオツールと思われます。

 ステップシーケンサーなるものが備わっているのですが、これがシステムシンセのアナログシーケンサーやKORG MS2000シリーズRADIASR3のモッドシーケンスのような、シンセサイザーエンジン部分のパラメーターの変調のソースとして使えるものなのか否かは分かりません。

 XW-G1はクラブ(「ク」にアクセントがある飲食店ではなく、平坦なイントネーションの方)のDJ向けのシンセサイザー。両機共通のシンセサイザーエンジン以外に、簡便なサンプラーの事と思われるサンプルーパーなる機能があります。

 XW-P1は、所謂キーボーディストやシンセシスト向けシンセ。両機共通のシンセサイザーエンジン以外に、ヘクスレイヤーなるエンジンや9本のスライダーで音を作るコンボオルガンのモデリング音源があります。

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 私がカシオのシンセサイザーの音を意識して聴いたのは、昭和59(1984)年夏に出た冨田勲さんのアルバム「ドーンコーラス」で使われた試作機、コスモシンセサイザーです。

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 獅子座AD星やオリオン座V371星、とかげ座EV星といった変光星の明滅の曲線を、デジタイザータブレットを使ってコスモシンセサイザーに読み込み、それをオシレータ波形の1セグメントとし、システムシンセサイザーmoog III p(モーグスリーポータブル)、moog system 55、Roland SYSTEM-100Mへ送って楽音化したというわけです。VCOの鋸歯状波で作ったストリングスとは違った効果が出ていて、高校2年生だった当時、YAMAHA DX7以来のデジタルシンセサイザーに対する憧憬を新たにしました。

 おそらくその年だったと思うのですが、カシオはデジタルシンセの民生機CZ-101を出しました。このミニ鍵盤のモデルはショルダーシンセにもなり、今日に至るまで高価で取引されていると聞きます。

 翌昭和60年、NHK教育テレビで放映されたロックバンド講座「ベストサウンド」で、講師の難波弘之さんがバッハの「イギリス組曲」のプレリュード(アルバム「真幻魔大戦」に「スーパーバロックプリンセス」として収録されています)をシンセで演奏された事があったのですが、手弾き以外の部分を2台のCZ-5000が担いました。CZ-5000は標準鍵盤機でMIDIシーケンサーを内蔵していました。

 その後、ベロシティを備えたCZ-1、そしてシンセサイザーエンジン部分を強化し、ホイールを三つ備えたVZ-1が登場しました。三つのホイールは、SY77/99VL1、VP1EX5等に先駆けています。

 またリズムマシンRZ-1はPCM波形をカードで追加できるようになっていたのですが、これも先駆けで、KORG DDD-1(スリーディーワン)、DDD-5等が続きます。

 その他、サンプラーFZ-1はサンプル音のバリエーションが豊富な事と精度が高く、当時あった16ビットサンプラーは12ビット機より音が悪い、という噂を払拭したモデルです。喜多郎さんが尺八や鼓(つづみ)で多用しました。

 いずれにしても、国内デジタルシンセサイザーメーカーの老舗たるカシオさんが、再びシンセを作り始めた事を歓迎したいと思います。カシオトーンはある意味、ワークステーション機の先駆けであり、また譜面をバーコードで読み込むモデルや、逆に演奏を採譜してレシート用紙に印字してくれるモデルが、既に1980年代にありました。今後も他のメーカーとはひと味違う形で、シンセサイザーの開発を続けていただけたらと思います。

 CASIO XW-G1、XW-P1の発売は、来る3月下旬だそうです。

 CASIO XW-P1試奏記に続きます。


CASIO XW-G1、XW-P1
http://casio.jp/emi/synthesizer/

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by manewyemong | 2012-01-25 13:46 | シンセワールド | Comments(0)