KORG RADIAS 2.0試奏記
implant4さんで、アナログモデリングシンセサイザーKORG RADIAS 2.0を試奏させていただきました。既にimplant4さんのサイトの在庫リストに載っている個体です。
KORG RADIASに関して、既にThe NAMM Show 2006、KORG RADIAS試奏記、KORG RADIAS System Version 2.0で触れています。
KORG RADIAS 2.0試奏記は、先の記事を画像や記述で補完する意味合いの内容になっています。先の記事を併せて読んでいただく事が前提の内容です。
KORG RADIAS 2.0試奏記は、先の記事を画像や記述で補完する意味合いの内容になっています。先の記事を併せて読んでいただく事が前提の内容です。
RADIASのこの姿は、次に続くワークスステーション機KORG M3と並んで、コルグの奇想のデザイン意思が発露していると思います。
RADIASは、シンセサイザーモジュール部RADIAS-Rと鍵盤部を分離する事ができる、デタッチャブル構造です。RADIASの鍵盤部分は、KORG M3の鍵盤部M3 KYBDアセンブリ同様、独立したMIDIキーボードとしては使えません。専用のケーブルを介してシンセサイザー部RADIAS-Rと併せて使う形でしか活用できません。
RADIAS-Rを左に寄せた場合は右に、右に寄せた場合は左に設置するテーブル。RADIAS-Rが中央にある場合は使用できません。
このテーブル、様々な使い道が考えられると思うのですが、KORG RADIAS試奏記の時、コルグのデモンストレーターの方は、ここにUSBを介してRADIASとつながったノートパソコンを置いて操作されていました。
RADIASの銀のカラーリングには、KORG KAOSS PAD KP2や白いpadKONTROL(どちらも製造は終わっています)を置くと合いそうな気がします。
このテーブル、様々な使い道が考えられると思うのですが、KORG RADIAS試奏記の時、コルグのデモンストレーターの方は、ここにUSBを介してRADIASとつながったノートパソコンを置いて操作されていました。
RADIASの銀のカラーリングには、KORG KAOSS PAD KP2や白いpadKONTROL(どちらも製造は終わっています)を置くと合いそうな気がします。
二つのホイール。左側のピッチベンド用は奏者やマニピュレータが力を抜くとニュートラル位置へ勝手に帰って来るタイプ、右側のモジュレーションホイールは戻さなければならないタイプです。
コルグのホイール、形状、感触ともに、私は他社機よりも気に入っています。
コルグのホイール、形状、感触ともに、私は他社機よりも気に入っています。
鍵盤はKORG KARMA、TRITON Le及びTRの61/76鍵機、MIDI/USBキーボードKORG KONTROL49と同じものです。ヤマハ製FS鍵盤のように白鍵中央に仕切りが走っているわけでも、おもりが装着されているわけでもありません。しかしながら、私は昨今の廉価機の鍵盤よりも気に入っています。静粛性にも優れています。
RADIASのシンセサイザーモジュール部RADIAS-R。KORG RADIAS-Rは単体でも販売され、RADIAS廃番後も、引き続き販売が継続されました。
各パラメーター専用の黒いつまみを、オレンジ色に輝くランプが囲っているのですが、残念ながらこれはnord lead 3やKORG OASYSのつまみのランプのような、バリューを示すものではなく、単なる飾りです。しかしながら、地味な印象の多い日本のメーカーのデジタルシンセの中にあって、銀の筐体、自照型ボタンのピンク色と相まって、KORG RADIASがデコラティブジャパンなシンセである事を印象づけていると思います。
液晶画面、バリューダイヤル、ページ移動、カーソルを上下や左右に移動させる為の矢印ボタン、デジタルアクセスコントロールのエディットモードへの進入/退出ボタンは、YES/NO、つまりDEC/INCボタンでもあります。
コルグ独特のオリジナルバリューランプ。パラメーターの保存されている内容と、つまみその他の入力操作子の位置が同一になった場合、点灯します。
二つのオシレータ部。
KORG MS2000B試奏記(2)でも書いた事なのですが、オシレータ1のサイン波は、KORG MS2000シリーズやmicro KORGとちがい、コントロール1によって波形を変調させる事ができます。アナログシンセのVCFの自己発振ではなく、VCOのサイン波をシミュレーションするのに重宝します。
KORG MS2000B試奏記(2)でも書いた事なのですが、オシレータ1のサイン波は、KORG MS2000シリーズやmicro KORGとちがい、コントロール1によって波形を変調させる事ができます。アナログシンセのVCFの自己発振ではなく、VCOのサイン波をシミュレーションするのに重宝します。
二つのフィルター、そしてアンプ部。
二つのフィルターは直列、並列といった用法を選ぶ事ができます。
二つのフィルターは直列、並列といった用法を選ぶ事ができます。
アルペジエータ、ステップシーケンサー、ポルタメント、EG1/2の操作子群。
EG3の操作子は露出してなく、デジタルアクセスコントロールのみです。
EG3の操作子は露出してなく、デジタルアクセスコントロールのみです。
ポルタメント/EGの各タイムのカーブ選択の操作子も同様です。ちなみに以前、ポルタメント/EGの各タイムのカーブに関して一稿をあげています。
アナログシンセ時代、ポルタメントのタイム(実際はレイトのようです)の緩急に関して、各機に癖がありました。minimoogのポルタメントは有名だそうですが、私はYAMAHA CS-5、CS-10、CS-15といったヤマハのアナログシンセの低価格機のものが好きでした。
ただ、このポルタメントの癖は、あくまでそのモデルが持って生まれた癖であり、奏者やマニピュレータの創造性とは関係の無い次元の話です。私はこれを、自分で設定できないものかと思って来ました。
ポルタメントのカーブを設定できるシンセは、私が知っている範囲ではRADIASだけなのですが、今回あらためて試奏してみて、自分が気に入ったポルタメントを作ることができました。ワークステーション機にも採っていただきたいパラメーターです。
EG1はフィルター用、EG2はアンプ用となっているのですが、フィルターのEGデプス(EG 1 INT)を0にする事で事実上接続を切る事ができ、バーチャルパッチを介して他のディスティネーションとつなぐ事ができます。
アナログシンセ時代、ポルタメントのタイム(実際はレイトのようです)の緩急に関して、各機に癖がありました。minimoogのポルタメントは有名だそうですが、私はYAMAHA CS-5、CS-10、CS-15といったヤマハのアナログシンセの低価格機のものが好きでした。
ただ、このポルタメントの癖は、あくまでそのモデルが持って生まれた癖であり、奏者やマニピュレータの創造性とは関係の無い次元の話です。私はこれを、自分で設定できないものかと思って来ました。
ポルタメントのカーブを設定できるシンセは、私が知っている範囲ではRADIASだけなのですが、今回あらためて試奏してみて、自分が気に入ったポルタメントを作ることができました。ワークステーション機にも採っていただきたいパラメーターです。
EG1はフィルター用、EG2はアンプ用となっているのですが、フィルターのEGデプス(EG 1 INT)を0にする事で事実上接続を切る事ができ、バーチャルパッチを介して他のディスティネーションとつなぐ事ができます。
バーチャルパッチ群。6本(6チャンネル)あり、これはMS2000シリーズやmicro KORGより2多く、ソフトウェアシンセサイザーKORG Legacy Collection Mono/Polyの8本よりも2本少ないです。
MS2000シリーズは、4本のバーチャルパッチ毎に個別にバリューを入力するつまみを備えていたのですが、RADIAS-Rの場合、セレクトボタンで押し送る形で1チャンネル選択する形です。バーチャルパッチの演奏時のリアルタイム操作という点で、実はRADIASはMS2000シリーズに劣っている面があるともいえるかもしれません。
MS2000シリーズのバーチャルパッチのソースとディスティネーションは、ともにパネル上に表記され、選択されたもののランプが灯るようになっているのですが、RADIASの場合はエディットモードに入って選ぶようになっています。バーチャルパッチのチャンネル数、ソース、ディスティネーションの多さからこういう仕様になったという事以外に、MS2000シリーズとは違い、システム上でディスティネーションを増装する事ができます。
システム2.0でのディスティネーション増装の内容は、私が願っていた通りのものでした。特にEGの各タイム、EGデプス、そしてバーチャルパッチにバーチャルパッチを組める事等です。
私のバーチャルパッチにバーチャルパッチを組み込む事の利用法を一つ記します。先に記した、RADIAS-Rがバーチャルパッチ各チャンネル個別に独立してつまみを持っていない事と関係があります。
喜多郎miniKORG 700Sのオートベンドは、EG→ピッチというバーチャルパッチで作り出します。これを演奏時オン/オフする行為とは、その都度デプスを0や設定値に変更する事なのですが、これ、一つしか無いバーチャルパッチのつまみを他の事に割り振っていると、その都度選び直さなければなりません。他に空いている操作子、また、つまみより頑丈な操作子として、ピッチベンドホイールが思い浮かびました。
ピッチベンドホイール→(EG→ピッチ)というバーチャルパッチを組み、オートマチックで行うベンドのオン/オフやデプスの変更を、マニュアルピッチベンドの操作子で行うわけです。喜多郎miniKORG 700Sのオートベンドのデプスはマイナス方向なので、ホイールを手前に引ききる事がオンになります。逆の操作で行いたい場合はマイナス値を入れます。オートベンドをオフにする操作は、ホイールの場合だと力を抜いただけで勝手にニュートラル位置、つまりデプス0に帰ってくれます。
MS2000シリーズは、4本のバーチャルパッチ毎に個別にバリューを入力するつまみを備えていたのですが、RADIAS-Rの場合、セレクトボタンで押し送る形で1チャンネル選択する形です。バーチャルパッチの演奏時のリアルタイム操作という点で、実はRADIASはMS2000シリーズに劣っている面があるともいえるかもしれません。
MS2000シリーズのバーチャルパッチのソースとディスティネーションは、ともにパネル上に表記され、選択されたもののランプが灯るようになっているのですが、RADIASの場合はエディットモードに入って選ぶようになっています。バーチャルパッチのチャンネル数、ソース、ディスティネーションの多さからこういう仕様になったという事以外に、MS2000シリーズとは違い、システム上でディスティネーションを増装する事ができます。
システム2.0でのディスティネーション増装の内容は、私が願っていた通りのものでした。特にEGの各タイム、EGデプス、そしてバーチャルパッチにバーチャルパッチを組める事等です。
私のバーチャルパッチにバーチャルパッチを組み込む事の利用法を一つ記します。先に記した、RADIAS-Rがバーチャルパッチ各チャンネル個別に独立してつまみを持っていない事と関係があります。
喜多郎miniKORG 700Sのオートベンドは、EG→ピッチというバーチャルパッチで作り出します。これを演奏時オン/オフする行為とは、その都度デプスを0や設定値に変更する事なのですが、これ、一つしか無いバーチャルパッチのつまみを他の事に割り振っていると、その都度選び直さなければなりません。他に空いている操作子、また、つまみより頑丈な操作子として、ピッチベンドホイールが思い浮かびました。
ピッチベンドホイール→(EG→ピッチ)というバーチャルパッチを組み、オートマチックで行うベンドのオン/オフやデプスの変更を、マニュアルピッチベンドの操作子で行うわけです。喜多郎miniKORG 700Sのオートベンドのデプスはマイナス方向なので、ホイールを手前に引ききる事がオンになります。逆の操作で行いたい場合はマイナス値を入れます。オートベンドをオフにする操作は、ホイールの場合だと力を抜いただけで勝手にニュートラル位置、つまりデプス0に帰ってくれます。
二つのLFO。ディレイタイムやフェイドタイムはありません。これらがあれば、モッドシーケンスやバーチャルパッチを別の事に割り振る事ができるのですが…。
内蔵エフェクトの操作子群。本格的なエディットはエディットモードに入って行います。
モッドシーケンスの操作子群。RADIASのモッドシーケンスは、各16ステップ、3チャンネルあります。
音色プログラムやエディットページを指定する操作子である16個の自照型ボタンは、モッドシーケンス再生時、実行中のステップを示して点灯します。
RADIAS-Rのリアパネル。
フットスイッチとエクスプレッションペダルを併せて使う事ができます。コルグのシンセでは珍しいのですが、音声出力端子がステレオ2系統です。
フットスイッチとエクスプレッションペダルを併せて使う事ができます。コルグのシンセでは珍しいのですが、音声出力端子がステレオ2系統です。
MS2000シリーズ、RADIAS、R3の後、コルグは標準サイズの鍵盤を備えたアナログモデリングシンセを出していません。世間的には私がKORG RADIAS試奏記で記した、
多くのシンセユーザーがつまみ操作タイプのシンセサイザーに求めているのは、複雑な機能ではなくシンプルな操作感に対するニーズが大きいのだろうとは思います。
しかしながらこのRADIASのような、奏者やマニピュレータの音色作りのアイディアを汲むキャパシティがより広大なアナログモデリングシンセの新製品が、パソコンのデスクトップではなく、キーボードスタンドや机の上等に現れてもよい頃だと思うのですが…。
KORG RADIAS
http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/RADIAS/
KORG RADIAS System Version 2.0
http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/RADIAS/v2.html
KORG RADIAS
http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/RADIAS/
KORG RADIAS System Version 2.0
http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/RADIAS/v2.html
by manewyemong
| 2012-10-29 10:56
| シンセワールド
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