KORG TRITON試奏記

 implant4さんで、KORG TRITONを試奏させていただきました。

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 TRITONの中古機は、フロントパネルに黒いくすみがある等状態の悪いものが多いのですが、この個体は久方ぶりに見た美品といっていいコンディションだと思います。早晩、implant4さんのサイトの在庫リストにアップされるものと思われます。

 ワークステーション機KORG TRITONは、KORG TRINITYの後継機として、平成11(1999)年のたしか5月後半か6月頃、発売されました。

 ヤマハ製FS鍵盤を持った61鍵機TRITONと76鍵機TRITON pro、重い感触の鍵盤を備えた88鍵機TRITON pro Xがあります。

 コルグワークステーションのフラグシップ機として、初めてアルペジエータが搭載され、それを活かしたプリセット音が入っています。それ故か、それまでのコルグのワークステーションのフラグシップ機とは、若干毛色の違う人達が手にしたモデルといえるかもしれません。その事とTRITON中古機の状態が悪い事との因果関係の在りや無しやは判りません。

 TRITONが発売された平成11年、私は東京に住んでいましたが、都区内のある楽器店で「KORG M1の時みたいな売れ方だ」といった意味の店内ポップを見ました。

 TRITONはその後、ラックマウントタイプTRITON-Rack、廉価機TRITON Le、オプションボードEXB-PCMシリーズの装着数を8にし、4GB(後のV2では20GB)のハードディスクを搭載したTRITON STUDIO、オプションボードからの波形をオシレータへ増装し、真空管エフェクトバルブフォースを搭載したTRITON Extreme、TRITON Leの後継機TR、また、TRITONと同じシンセサイザーエンジンを搭載したKARMAと、バリエーションが増えていきました。

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 フロントパネル。

 日本のメーカーのシンセサイザーは、長い間、黒っぽい筐体のものが多かったのですが、TRINITYがその流れを変えた感があります。そして、続くTRITONも灯りに映えるカラーリングが施されています。

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 演奏操作子群。四つのアサイナブルつまみ、二つのアサイナブルボタン、ジョイスティック、リボンコントローラー。

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 ジョイスティックの本体側の付け根の部分の形状が独特です。

 二つのアサイナブルボタンは、他のボタン類とは違い、TRINITYと同じものが継承されています。これは続くTRITON STUDIO、TRITON Extremeも同じです。

 リボンコントローラーにはざらつきがあって、TRINITYやYAMAHA EX5のそれより好感触だと思います。

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 2HDフロッピーディスクドライブ。

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 タッチビューと音色設定操作子群。

 バリュースライダーとDEC/INCボタンはタッチビューの左側に、テンキーやダイヤルは右側にあります。TRITON Le、TR、KROMEはタッチビューの右側へ集約されています。

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 ダイヤルとテンキー。


 ボタンの形状が、前モデルTRINITYでは中央部が出っ張る形だったのに対し、TRITONは逆に凹んでいます。新発売時に試奏したおり、KORG TRINITY pro Xを愛用していたからか、どうも違和感を感じました。ただ、4年半のブランクの後、TRITON Leでシンセサイザー趣味を再開した時は、全く意識しなくなっていました。

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 コンビネーション/プログラムバンクボタン、内蔵MIDIシーケンサー及びアルペジエータ操作子群。

 複数のプログラムをコンビネーションモード上で併せて一つの音色を作る時、コンビネーション/プログラム間を頻繁に行き来するのですが、コンビネーション/プログラムモードのボタンがフロントパネルの左側に、そしてバンクボタンが右端にある事に面倒臭さを感じました。しかしながら、KORG KROMEのレイアウトはそれを解消してくれています。

 平成7(1995)年秋、フィジカルモデリングシンセサイザーKORG Prophecyを、発売と同時に手にしたのですが、シンセサイザーエンジン部分MOSS音源部には、必ずしも期待した効果を得る事ができませんでした。しかしながら、アルペジエータに関して、かつて所有していたKORG Mono/PolyRoland SH-101よりも進んでいて、フライングジュピターRoland JUPITER-4の様な事のシミュレーションにも使えました。

 パターンのバリエーションやユーザーパターンの打ち込み関連の性能を上げ、しかも、ワークステーション機に搭載される形のものを使えたらなと思っていたのですが、このTRITONで実現しました。

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 中央に背骨がある事が特徴のヤマハ製FS鍵盤。

 今更ながら、楽器を弾いている、という感じを味わえる鍵盤です。

 今回試奏したこの個体に関して、グリッサンドの傷も無く、弾いた感触に全く疲労が感じられませんでした。たいへんコンディションの良いFS鍵盤だと思います。

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 リアパネル側。

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 「KORG」「TRITON」「MUSIC WORKSTATION/SAMPLER」のロゴとSCSIポート。

 SCSIポート使用にはオプションボードEXB-SCSIが必要です。

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 TO HOST、MIDI THRU/OUT/IN端子。 

 TO HOST端子は専用ケーブルを介して、TRITONとApple Macintoshのモデム/プリンタ端子、DOS/V機やNEC PC9800シリーズのシリアルポートとをつなぎます。

 TRITON発売の前年夏にApple iMac(ボンダイブルー)が、そして数ヶ月前にはポリタンク型のPower Macintosh G3(ブルー&アイス)が出て、USBが使われ始めていたのですが、その頃、MIDI関係はインターフェイス等、まだ対応していなかった記憶があります。

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 サンプラー及び内蔵ボコーダー用の音声入力端子と、ステレオ1系統及びモノラル4系統の音声出力端子。

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 コンビネーション/プログラムがカテゴリー分けされているのはTRINITYの時からでしたが、

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 TRITONからは、本体ROM分のみながらオシレータ波形も分類されて表示されます。

 オプションボードKORG EXB-PCMシリーズからの2枚と、KORG Z1タイプのフィジカルモデリング音源ボードEXB-MOSSを増装する事ができます。

 シンセサイザーエンジン部分は、KORG TRITON Le 61導入記KORG TRITON STUDIO 61導入記(1)KORG TRITON STUDIO 61導入記(2)KORG TRITON Extreme BK試奏記KORG TR 61試奏記を参照してください。

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 KORG TRITON STUDIO、そして、全く想像を絶するある理由で価格が高騰したTRITON Extreme(特に76鍵機)に比べ、比較的価格は抑えられ気味ではあるものの、年を追う毎にKORG TRITONの中古機の良品を目にする機会が減っています。

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 このKORG TRITONを含め、私が好きな1990〜2000年代前半のモデルが、より中古市場に出回る為には、オーナー達がそれらを手放す気になる様な魅力的な現行機が現れるべきなのですが、今、そういう状況ではないようです。


KORG TRITON
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/TRITON/

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by manewyemong | 2013-07-05 12:13 | シンセワールド | Comments(0)