minimoog導入記

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 平成22(2010)年12月4日、作曲家/シンセサイザー奏者の東祥高(あずま・よしたか)さんと酒席をともにする機会を得ました。そのおり、東さんのニュートンスタジオの備品であるminimoog(ミニモーグ)を譲っていただけました。

 昭和57(1982)年2月のサウンド&レコーディングマガジン創刊2号(キーボードマガジン1982年2月号増刊)の記事「SYNTHESIZER HOME RECORDING ベーシック編(1)」は、東さんの執筆によるものなのですが、当時、新大阪から今の住所に引っ越してきて半年のニュートンスタジオの機材の中に、
カスタムミニ・ムーグ
という記述があります。今回いただいたのはこのminimoogです。システムシンセサイザーRoland SYSTEM-700と併せて使う為に、簡便ながらパッチコードを抜き差しできる様に改造が為されています。

 ニュートンスタジオは翌年アナログシンセサイザーを一掃し、サンプラーFAIRLIGHT C.M.I.、E-MU Emulator、ハイブリッドシンセサイザーPPG wave 2.2といった新しい電子楽器を導入します。そのおりニュートンスタジオの棚の上で眠りについたであろうこのminimoogが、私の手許で新たな役割を担う事になったというわけです。

 つまみの形状や感触、配置は、おもちゃのような現行機群とは隔世の感があります。仕様を簡素化する以外にコスト意識を働かせようが無い時代の、物としての堅実さを感じます。

 音程が上手く取れないのでとてもドレミを弾ける状態ではないのですが、アウトプットから本来の音以外の異音が出るという事は無く、悪い個所は鍵盤まわりにあると思われます。

 そういう状態にも関わらず、私のアナログシンセ観をくつがえしそうな素晴らしい出音です。デジタル機より音の輪郭は曖昧なのですが、存在感があります。

 私の長年アナログシンセ嫌いの理由の一つであるEGに関して、たしかに簡素なADS(アタックタイム、ディケイタイム、サスティンレベル)タイプなのですが、VCF/VCAで独立して設定できる上、各要素はきちんと私の意図に追従してくれます。動かした分だけ変化してくれます。

 喜多郎さんの「MYSTERIOUS ENCOUNTER」の効果音を試してみたのですが、この記事通りVCOのランプ(RAMP:傾斜)波を使って簡単に作る事ができました。

 またVCOの波形を右から二つ目のパルス波にしてVCFやEGを設定したら、喜多郎 mini KORG 700Sリードと似た音になりました。

 それと適当にいじっていたら、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の第1話、ガミラス艦の砲撃を受けて危機的状況の沖田艦の警報とそっくりの音になったりもしました。
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 minimoogとテーブルの見た目の相性が良いように思えます。minimoog用にするか否か検討中です。
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 ホイールは白色、ギザギザはありません。
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 差し込み口の名称は手書きです。レッドノイズって何なのでしょうね。怖くてまだこのパッチコード差し込み口に何も行っていません。
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 フロントパネル。
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 「MAXIMAMMMMoog」と書いてあります。
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 minimoogの背面。上部に横に並んだ黒い物は、増設部分です。
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 西ドイツ(当時)のシンセサイザーグループ、タンジェリンドリームのクリス・フランケ(Christopher Franke)さんから東さんへのサイン。
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 東さんからいただいたサイン。嬉しかったです。
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 増設部分には、鉛筆で役目が書かれています。
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 ロバート・アーサー・モーグ博士(Dr.Robert Arther Moog)がいなければ、私は自分で楽器を使う等という事は無かったと思います。

 おそらく私は、平成22(2010)年12月12日の時点で、68億の人類で最も後にminimoogを好きになった人間だと思います。

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by manewyemong | 2010-12-12 10:44 | シンセワールド | Comments(0)