Roland JUNO-STAGE試奏記

 先月26日に発売されたRoland JUNO-STAGEを、数日前に20分ほど試奏して来ました。雑感を記します。例によって誤りがある可能性を念頭に置いてください。それと、今回ボコーダーを試す事はできませんでした。

 まず鍵盤の感触に関して、先に発売された同社のFantom Gとよく似てはいるが微妙に違う、という印象を持ちました。これが単にアフタータッチを省略した事による差異なのか、仕組みの違いによるものなのかは分かりません。

 いずれにしてもローランドのフラグシップ機なみの感触の、それも76鍵のシンセサイザーがこの価格であるというのは、本体重量が10kgを切っている(9.8kg)事と併せて、特にライブ指向の人には大きい事だと思います。やはり鍵盤がこのシンセの最大の“売り”だと思います。

 私がこだわる鍵盤の静粛性に関して、Fantom Gと同等という感じがしました。必ずしも静かな鍵盤とは言い難いような気がします。もちろんこの事はステージ上では何の意味も無い事ですけど…。

 またJUNO-D及びJUNO-Gの鍵盤は心なしか他のシンセサイザーより小さい気がするのですが、JUNO-STAGEのそれはFantom Gと同じ大きさだと思います。

 JUNO-STAGEはV-Synth GTやFantom G同様、ベンダーレバーのそばにアサイナブルボタンが二つ(S1/S2)存在します。押す度にオン/オフが切り替わる(LATCH)だけでなく、押し込んでいる間だけ効果がかかる(MOMENTARY)という操作もできます。

 カテゴリーからパッチを選択する時、JUNO-Gの場合はカテゴリーボタンを押すと、そのカテゴリー下のパッチのリストが表示されるのですが、JUNO-STAGEの場合、そのカテゴリーの最初のパッチの名前が表示されます。さらにエンターを押す事によってリストが表示されます。

 Roland JUNO-STAGEで、

10個のカテゴリーボタンは、もしかするとNUMERICボタンを押せば0〜9のテンキーになるのかもしれません。パラメーターの入力といった音作りそのものに使えたらよいなと思います。

と書いたのですが、残念ながら各パラメーターのテンキー入力はできません。ちなみにそばにあったJUNO-D Limited Editionはテンキー入力が可能でした。

 フットスイッチ/エクスプレッションペダル関係のコントロール端子は、コルグの多くのシンセやV-Synth GT、Fantom Gが二つあるのに対し、JUNO-STAGEは一つです。ただしパッチ/パフォーマンスの選択用に一つ、ホールド/ダンパー用に一つ、各々独立して持っています。

 アウトプットに関して、Roland XP-80/60やFantomシリーズ、JUNO-Gのようなステレオ2系統ではなく1系統です。例えばライブでシンセの鍵盤をスプリットしてアッパー/ロワーで別のパートを弾きたいというシチュエーションがあると思うのですが、その時、フットボリュームにこだわりのある人が、アッパー/ロワーの音を別口で取り、各々に独立してフットボリュームをかませたくても、ステレオ1系統ではそれは不可能です。61鍵JUNO-Gのアウトプットがステレオ2系統で、76鍵機、それもステージ使用を指向したJUNO-STAGEが一つしか無いのは疑問です。

 シンセサイザーエンジン部分に関して、プロエディット画面に入って眺めた限り、オシレータ波形の増装以外にJUNO-Gとの違いは無かったように思います。画面は文字が白だからかJUNO-Gよりも見やすいと感じました。

 ちなみにプリセット音の中に女声ハミングのようなリード音の中で採り上げた“Sinetific”がありました。これはJUNO-Gには入っていません。

 たしか平成9(1997)年に発売されたYAMAHA QY700を最後に、本格仕様のMIDIシーケンサー単体機はワークステーション機がのみ込んでしまって久しく、またKORG OASYSやRoland Fantom GがMTRの単体機をのみ込んだ感があるのですが、打ち込みや録音といった役割はパソコンベースのDAWに任せて、シンセサイザー/MIDIコントローラーとして在るというのが、おそらく今後の単体ベースのシンセサイザーの流れなのかもしれません。YAMAHA MOTIF XS(エクセス)の仕様はそれを象徴しています。Fantom Gの直後に登場したJUNO-STAGEは、ローランド製品におけるその分岐点なのかもしれません。


Roland JUNO-STAGE
http://www.roland.co.jp/products/juno-stage/

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by manewyemong | 2008-08-10 19:35 | シンセワールド | Comments(0)