KORG MS2000B導入記(1)

 アナログモデリングシンセサイザーKORG MS2000Bを手に入れました。このKORG MS2000B導入記(1)では仕様を、そしてKORG MS2000B導入記(2)では雑感を記したいと思います。

 KORG MS2000シリーズの初代MS2000(鍵盤付)、MS2000R(ラックマウント型)は、平成12(2000)年のたしか2月頃に登場しました。アナログモノフォニックシンセサイザーKORG MS-20、ボコーダーKORG VC-10、アナログシーケンサーKORG SQ-10の、20、10、10を掛け合わせた数字2000と西暦2000年にちなんだネーミングだと聞きました。名前だけではなく、これらのモデルの仕様に影響を受けた機能(バーチャルパッチ、ボコーダー、モッドシーケンス等)を持っています。

 KORG MS2000BはそのMS2000の後継機です。昭和38(1963)年の創業から40周年という節目に当たる平成15(2003)年の7月19日、コルグは大阪市内のBIGCATというライブハウスで、KORG Beat Emotion 2003というイベントを行なったのですが、その直前に楽器店に展示機が置かれはじめていました。

 MS2000Bのデザインは基本的にはMS2000と同じです。44個の鍵盤、傾斜角の付いたフロントパネル、そしてローズウッドでできた化粧板が外観上の特徴です。フロントパネル右に全パラメーター名が、そして左側にはブロックダイアグラムが表記されています。

 ただ、MS2000BにはMS2000との相違点もあります。筐体の色が深緑から黒に変更されている、フロントパネルにグースネックマイクが生えている(着脱可能)、そして一部プリセット音です。

 音色の書き込みボタンが赤いのは、かつてのコルグのプログラマブルアナログシンセKORG Polysix、POLY-61、POLY-800等の特徴の踏襲と思われます。

 また16個並んだボタンは、音色の選択やエディットモード時のパラメーターページの指定、さらにモッドシーケンスを走らせる時、実行中のステップを示すランプとして点灯するようにもなっています。

 鍵盤はベロシティが使えます。フィルターの開き具合や音量のコントロール、そしてバーチャルパッチのソースとして使えます。

 コントローラーはオーソドックスなホイール型。オプションペダルに関してワークステーション機と同様、フットスイッチPS-1ないしダンパーペダルDS-1H、エクスプレッションペダルXVP-10、EXP-2を用いる事ができます。

 発声数は最大4。ポリフォニックやユニゾンモードの時の発声数の割り当てを設定できます。

 音色エディットの方法は、フロントパネルのつまみ/ボタン操作と、デジタルアクセスコントロールの併用型です。RADIASほどではありませんがフロントパネルに露出していないパラメーターもあり、液晶画面を全く見ずに一から音を作る事はできません。

 プログラムのボイスモードは、シングル、スプリット、デュアル、ボコーダーがあります。シングルの場合、Roland SH-201(Roland SH-201試奏記参照)とちがいティンバーは一つだけです(KORG R3試奏記1参照)。

 ボイスアサインモードは、モノフォニック、ポリフォニック、ユニゾンがあります。モノ及びユニゾン選択時、トリガーモードのシングルかマルチを選択します。女声ハミングのようなリード音の場合、モノ、そしてシングルを選ぶ事になります。

 オシレータ1の波形は、鋸歯状波、パルス波、三角波、サイン波、そして人間の声帯を模した波形VOX、64種類のDWGS、ノイズ、音声を入力する為のオーディオインがあります。

 コントロール1に関して鋸歯状波、パルス波、三角波、VOXでは波形変化(パルス波でいえばパルスウィズ)を、ノイズではローパスフィルターのカットオフポイントを設定します。コントロール2では鋸歯状波、パルス波、三角波、VOXに関してコントロール1で設定した波形にかけるLFO変調の深さを、DWGSの場合は64種の波形の選択、そしてノイズではレゾナンスを設定します。

 購入して気づいた事なのですが、オシレータ1の波形のうち、サイン波選択時のコントロール1の役割に関して、MS2000シリーズ及びmicro KORGとMMT音源機(RADIASR3microKORG XL)とで違いがあります。KORG MS2000B導入記(2)で触れます。

 オシレータ2は鋸歯状波、矩形波、三角波、そしてリングモジュレータやシンクロがあります。

 オシレータミキサーは、ローランドのアナログモデリングシンセの場合、二つのオシレータの割合を決める形になっているのですが、コルグの場合は各オシレータ及びホワイトノイズジェネレータのレベルを設定します。

 フィルターに関して、ローパス、ハイパス、バンドパスの切り替えができます。

 アンプ部はティンバーの音量やステレオ音場の定位、そしてディストーションのオン/オフの設定をします。またローランドのモデルの場合、キーボードフォローはフィルターにしかないのですが、コルグの場合キーボードトラックはアンプ部にもあります。

 EGは二つ。各々フィルターとアンプ部に接続された形になっています。フィルターEGに関して、デプスを0にする事で見かけ上接続を切断する事ができます。それからこれも今回購入して気づいた事なのですがEGに関連して、RADIAS、R3、microKORG XLにあって、MS2000シリーズやmicro KORGに無いパラメーターがあります。これについてもKORG MS2000B導入記(2)で記します。

 LFOは二つあり、1、2ともに鋸歯状波、矩形波、サンプル&ホールドがあり、さらに1には三角波が、2にはサイン波があります。ディレイタイムやフェイドタイムに関するパラメーターはなく、これらに関してモッドシーケンス機能を使う事になります。

 バーチャルパッチは四つ。ソースはEG1、EG2、LFO1、LFO2、ベロシティ、キーボードトラック。ディスティネーションは、ピッチ、オシレータ2ピッチ、ノイズレベル、カットオフ、アンプレベル、ステレオ音場での定位、LFO2のレイト。ソース及びディスティネーションの選択項目は、R3、さらにRADIASやmicroKORG XLに比べると著しく少ないです。

 モッドシーケンスのチャンネル数はRADIASと同じ3。各チャンネルのステップ数は16。シーケンス実行のタイプは先頭から、最後尾から、そしてそれらの交互があり、また、1サイクルだけの実行(つまり経時変化)やループ(周期変化)と実行のタイプを選べます。そしてステップからステップへスムースに変化させるか文字通りステップさせるかの設定もできます。さまざまなパラメーターを割り当てる事によって、経時/周期にEGやLFOとは違う形で変化を加える事ができます。

 内蔵エフェクトはコーラス/フランジャー、アンサンブル(笛、さまざま2参照)、フェイザー(うねりを帯びた男声風パッド音参照)、ディレイで、いずれも簡便な仕様です。

 アルペジエータは、かつてコルグのアナログシンセサイザーにあったアップ、ダウン、二つのアップ/ダウン(ドレミと押鍵するとドレミレドレミレ…と繰り返すタイプとドレミミレドドレミミレド…と繰り返すタイプ)、ランダム、トリガーのモードがあります。またレンジ(オクターブ)、ゲートタイム、スイング(先頭から偶数番目のアルペジオ音のタイミングをずらす)といった設定を行なう事ができます。

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 KORG MS2000B導入記(2)に続きます。


KORG MS2000B
http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/MS2000B/

KORG MS-20
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/MS-10/

KORG SQ-10/VC-10
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/VC-10/

KORG POLY-61
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/POLY-61/

KORG POLY-800
http://www.korg.co.jp/SoundMakeup/Museum/POLY-800/

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by manewyemong | 2009-04-10 18:30 | シンセワールド | Comments(0)