「絲綢之路」(アルバム「絲綢之路」より)
シルクロード(絹の道)は、何千年にもわたって欧亜をまたいだ国家や民族の興亡の舞台であり、物流の大動脈でした。しかしそんな壮大な題材の番組の主題曲であるにも関わらず、喜多郎さんは大仰な表現を持ち込まず、むしろ優しい、そして同時に哀調を帯びたメロディを作り、緩やかで広がりを感じさせるアレンジを施しました。結果的にこれが多くの視聴者の支持を受け、喜多郎さんが一般家庭に知られていく端緒になったのではないでしょうか。
もしこの番組の主題曲を日本や欧米の作曲の大家が担当したら、もっと大胆な曲調の作品になったかもしれませんが、単に1番組のオープニング曲として消費されて終わったかもしれません。
番組冒頭で流れた主題曲は、恐らくNHK側によるラップタイム指定に沿った編曲演奏が為されたと思うのですが、アルバム「絲綢之路」に収録された「絲綢之路(しちゅうのみち)」は、オープニングテーマよりも尺数が長く、音数が増え、曲がドラマチックに展開していきます。一つ一つの音の要素も洗練されているように聴こえます。
昭和57年(1982年)元日夜、フジテレビ系で放映されたかくし芸大会で、ザ・ドリフターズの加藤茶さん、仲本工事さん、志村けんさんが、シンセサイザーで「絲綢之路」を演奏しました。
数年前、小学校の近くを通った時、児童の皆さんが「絲綢之路」をリコーダーで演奏しているのを耳にしました。「絲綢之路」は、すでに喜多郎さんという1人の音楽家の1作品、あるいはNHK特集「シルクロード」という1番組の主題曲ではなく、楽曲そのものが1人歩きを始めているようです。
数年前、小学校の近くを通った時、児童の皆さんが「絲綢之路」をリコーダーで演奏しているのを耳にしました。「絲綢之路」は、すでに喜多郎さんという1人の音楽家の1作品、あるいはNHK特集「シルクロード」という1番組の主題曲ではなく、楽曲そのものが1人歩きを始めているようです。
by manewyemong
| 2005-11-11 22:02
| 音楽
|
Comments(0)