訃報:金田伊功さん

 アニメーターの金田伊功(かなだ・よしのり)さんが、7月21日、心筋梗塞で亡くなりました。57歳。

 このブログではかつてアニメーション映画「1000年女王」についてで、金田伊功さんについて触れています。

 私が小学校高学年のころ、テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」を劇場用に編集した作品が大ヒットしたことに端を発した、所謂アニメブームが起こっていました。私もそれに煽られる形で「銀河鉄道999(スリーナイン)」や「地球(テラ)へ…」「ヤマトよ永遠(とわ)に」といったアニメーション映画を観に行きました。ストーリーは全く楽しめなかったのですが、映像や音響、BGMに関して、私の今日に通ずる嗜好を醸成する淵源となりました。

 そして自分が観る作品の中に、ある共通した独特の画風のシーンがあることに気づきました。構図がどこか日本画的なのと、単にアルカディア号やコスモタイガーといった対象物が動くだけでなく、観る側の視点のみならず身体そのものの移動も考慮したようなスピード感のあるアニメーション…。私が意識した頃にはもうその筋の月刊誌では特集が組まれていて、その画風の主は金田伊功さんという有名人であることが判りました。

 中学から高校にかけて、興味の対象がシンセサイザーを駆使した音楽や音響に移ってしまったので、その後、アニメーション映画がどういう風に変わっているのか知らない(宮崎駿さんの作品をテレビで観る程度)のですが、かつて私が興味を憶えた金田伊功さんのシーンは、おそらく今観ても色あせていないと思います。

 先に挙げたアニメーション映画のDVDを買って観てみようかなと思います。私が気に入っていたのは「銀河鉄道999」の惑星メーテルでの終盤、「地球へ…」のミュウと地球軍の戦闘、「ヤマトよ永遠に」のコスモタイガーが基地を空爆するシーン、「さよなら銀河鉄道999」での星野鉄郎と黒騎士ファウストの最初の決闘(鉄郎の表情が秀逸。金田伊功さんはメカだけでなく人物の心理描写にも長けていました)、及びアニメーション映画「1000年女王」についてでも触れた戦闘衛星が999号の客車を1両ずつ撃ち落としていくシーン、「幻魔大戦」の終盤(ちなみにこのシーンのBGM担当は“シンセサイザーの巨人”キース・エマーソンさんです)といったところです。

 10代初めの私に刺激を与えてくれた金田伊功さんに、心から感謝したいと思います。おそらく私は金田伊功さんが絵でやっていたようなことを、シンセサイザーを使って音でやりたいのだと思います。


7月25日追記。

 来る平成21(2009)年8月30日(日)東京都杉並区の杉並公会堂で、「金田伊功を送る会」が催されます。アニメーション制作業の関係者だけでなく、一般の人の参加もできます。詳しくは、以下で。


「金田伊功を送る会」(アニドウ・ホームページより)
http://www.anido.com/html-j/kanada-j.html
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by manewyemong | 2009-07-23 12:36 | アニメーション映画 | Comments(0)