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 平成28(2016)年3月25日、moog MOTHER-32が発売されました。価格は79,488円(税込)。

 moog WERKSTATT-01 MOOGFEST 2014 Kitの時も思ったのですが、モーグのシンセサイザーを10万円を切る価格で買える時代が来る事を、MIDIもYAMAHA DX7も登場していなかったあの頃、全く想像していませんでした。隔世の感があります。

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 わずかな時間であり、一切パッチングをしなかったものの、moog MOTHER-32を試奏してきました。本体のフロントパネルに白鍵黒鍵のように配された13個のボタン型鍵盤による発声のみ試しました。

 既に公開されている日本語の取扱説明書を参考にしつつ、記したいと思います。

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 minimoog VOYAGER XLやKORG MS-20 mini等のセミシステムシンセと同様、パッチングの端子群がパッチパネルという形で集約されています。

 この端子群は、32個あります。moog MOTHER-32の名の由来かもしれません。

 端子のうち、白い文字で名称が書かれているものは、ディスティネーションへの入力、白地の黒文字はソースからの出力です。

 出力、つまりソースの中に、アサイン(アサイナブルアウトプット)という端子があります。様々なソースをこの端子へ充てる事ができるのですが、中には内蔵シーケンサーを走らせると、ステップ1〜最終ステップで、ランプ波(傾斜波)、鋸歯状波、三角波、ランダムの1セグメントといった形で電圧を変化させるものがあります。

 WERKSTATT-01にも似たものが載っていたのですが、フロントパネル下方に、白鍵黒鍵のように配された13個のボタン型鍵盤があります。moog MOTHER-32本体での試奏はこれで行う事ができました。

 白鍵にあたるボタン鍵盤の下にある八つのランプは、内蔵シーケンサーの実行ステップの所が灯るようになっています。

 また、このボタン型鍵盤群の左横に、オクターブの状態を示す八つのランプと、オクターブトランスポーズの操作子である左右二つの矢印ボタンがあります。

 発声中にこのボタンを操作した場合、発声が途切れるか否かをチェックし忘れました。

 VCOは一つ。フリケンシーつまみで上と下にピッチを約1オクターブチューニングできます。“約”とした理由は、センター位置から左端右端とも若干1オクターブよりはみ出る、つまり余裕を持たせているという事です。

 ポルタメントはオン/オフは無くグライドつまみがあるだけです。カーブはリニア変化ではなく、アナログ的な始めは速くてだんだん間延びしてくれるタイプでした。

 波形は、トグルスイッチで鋸歯状波かパルス波かどちらか一つを選択します。ただ、ここで選択したのと反対の波形を、パッチパネルのVCO鋸歯状波/パルス波端子からパッチコードを引いて音声入力端子へ送り、ミックスつまみで波形のブレンド具合を設定することができます。

 発声中にトグルスイッチで波形を変えた場合、音が途切れるか否かのチェックを忘れました。

 パルスウィズ(取扱説明書ではパルスウィズでもパルスワイズでもないパルス・ウィズスという珍しい表記が為されています)を調整するつまみがあります。センター付近で矩形波になり、最大値だけではなく最低値でも音が聴こえなくなります。

 VCOモジュレーションソースは、VCOの変調をLFOかEG/外部入力かをトグルスイッチで選択します。どれか一つだけという事です。後者を選んだ場合、パッチパネルのVCOモジュレーション端子に、外部ソースからのパッチケーブルが引かれていれば、それがVCO変調のソースになります。

 VCOモジュレーションアマウントつまみでデプスを設定します。

 VCOモジュレーションのディスティネーションとして、ピッチ(フリケンシー)かパルスウィズかを選択します。

 LFOはレイトと波形(矩形波/三角波)を設定します。正逆鋸歯状波はありません。

 LFOの矩形波、三角波は、パッチパネルにソースとしての出力端子もあります。

 VCFはハイパスフィルター、ローパスフィルターがあり、どちらかを選択します。

 カットオフフリケンシーの変調のソースとして、EG(径時変化)かLFO(周期変化)かを選びます。変調の効果の深度はVCFモジュレーションアマウントつまみで調整します。また、この効果の正逆をポラリティスイッチで選択する事もできます。

 レゾナンスを上げていくと自己発振します。VCOの波形にパルス波を選び、パルスウィズを最低値か最大値に設定するとVCOを黙らせる事ができます。

 VCFの自己発振させた音を平均律で鳴らす方法は、パッチパネルのキーボードアウトとVCFカットオフを、そして、VCF端子と音声入力を接続します。これはあくまで、moog MOTHER-32のボタン型鍵盤でのお話です。

 moog MOTHER-32のEGは、アタックタイム、サスティン(オン/オフ)、ディケイタイムで構成されています。サスティンスイッチをオン状態にすると、押鍵中、アタックレベル(最大値固定)が維持され続けます。オフの場合、アタックタイム実行終了後すぐにディケイタイム実行に入ります。

 VCAモードのトグルスイッチは、音量に径時変化(EG)を付けるか、あるいはARP ODYSSEYでいうVCAゲインを最大値に設定したのと同じ状態、つまり音声信号が常時最大値で通り続ける、要するに鳴りっ放しにするかの選択をします。

 今回、内蔵シーケンサーを試す事ができませんでした。いずれ機会があればと思っています。

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 手のひらに乗る小型の廉価機とはいえ、モーグらしいつまみやその周りの目盛り、古めかしい感じのトグルスイッチ、側面の木の化粧板等、愛嬌の中にそこはかとなく風格を感じてしまいました。

 複数のオシレータをディチューンしてアンサンブル感を出すといった事をあまりしない身には、minimoogの三つのVCOのうち、VCO2を使う事が滅多にない(VCO3はLFOとして使う)のですが、moog MOTHER-32は1VCOながら、パッチングを併用して二つの波形を採る事ができるという点も気に入りました。

 カットオフやEGの各タイム等、私が所有している比較的古い形式のminimoogとは異なり、もっと素直に変化してくれました。そのシンセ独特の妙味とやらを、単に奏者やマニピュレータの音色の発想の具現化を阻害する要因としかみない私には、安心して使えるアナログシンセだと思いました。

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 セミシステムシンセながらも、基本的にパッチングせずとも単体で音色を作る事ができるmoog MOTHER-32は、ユーロラックのシステムシンセを始める橋頭堡(きょうとうほ)、つまり初めの第一歩として、Roland AIRA SYSTEM-1mとならんで適当なモデルかもしれません。


平成28(2016)年9月1日追記。

 implant4さんで撮らせていただいた画像を添付いたしました。


平成28(2016)年11月7日追記。

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 平成28(2016)年11月4日から6日まで東京ビッグサイト催された2016楽器フェアで撮影した、moog MOTHER-32三連装の画像を載せました。


moog MOTHER-32
http://www.korg-kid.com/moog/product-details/mother-32/

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 KORG minilogue試奏記(1)の続きです。シンセサイザーエンジン部分について触れていきます。

 まず驚いたのが、各パラメーターが4桁で表示され、微細な設定が可能だという事です。

 私はアナログシンセサイザーはプログラマブルではない方が良いと思っているのですが、その理由はプログラマブル化する事によって、各パラメーターの変化のキメが荒くなる事を危惧するからです。しかしながら、ワークステーション機をも凌ぐきめ細かさ故、minilogueに関しては杞憂だと思います。

 KORG minilogueはキーアサイナー方式の4声ポリフォニックシンセであり、1声は2VCO、1VCF、1VCA、1LFOで構成されています。

 かつて、アナログポリシンセのLFOをつぶやくで、アナログシンセ時代、ポリフォニックを謳いながら、ポリフォニックシンセのLFOが発声数分ではなく一つしか載っていないことについて触れたのですが、公開されているブロックダイアグラムを信じる限り、minilogueには4声分あるという事になります。

 もし4声分無ければ、例えばLFOのレイトにEGで径時変化を付けた音色でボイスモードをディレイにした場合、四つの発声毎に全声にLFOのリトリガーがかかる故に、径時変化がやり直されてしまいます。

 遺憾ながら、今回の試奏の折、この事に関するチェックを忘れてしまいました。次の機会にと思っています。

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 オクターブキートランスポーズや、

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 VCO1、2のオクターブは、ボタンで押し送るのではなく、レバーで選択できるので、演奏操作という形でオクターブを変える事ができます。

 オクターブトランスポーズスイッチの操作は、押鍵した状態では発声に反映されず、次の押鍵からオクターブが変わります。したがって、ARP ODYSSEYとは異なり、押鍵状態でポルタメントをオンにし、オクターブトランスポーズを操作しても、オクターブポルタメントをかける事はできません。

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 オシレータはVCOで、チューニングの安定度は流石にDCOのようなわけにはいかないのですが、シフトキー+RECボタンを押すと、画面上にチューニング中である事を示すメッセージが表示され、終わると消えます。10余秒かかったと思います。

 VCO1、2の波形は、鋸歯状波、三角波、パルス波。

 コルグのアナログモデリングシンセのオシレータのコントロール1に相当する、シェイプというパラメーターによって、パルス波のパルスウィズのデューティー比を変える事はもちろん、鋸歯状波や三角波も変調する事ができます。

 シェイプが0で純粋な鋸歯状波、三角波、そしてパルス波はデューティー比が50:50の非対称矩形波、つまり矩形波になります。

 鋸歯状波のシェイプを最大値にすると、

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 なぜか矩形波になりました。

 minilogueで恒例の喜多郎mini KORG 700Sリードを真似てみたのですが、シェイプの位置をKORG MS-20 miniのPWと同じく時計の短針10時過ぎでポイントを探すと似ました。シェイプのバリューはパルスウィズの%と合致しているのですが、パルスウィズ330ときちんと設定した時点で最も似ます。この値が、
幅の比によって倍音構成が大きく変化する、上部の幅が全体のn分の1の時n倍音系列が欠落するという性質があり、33%の場合、3、6、9倍音が抜ける
ポイントなのだと思われます。

 また、パルスウィズが1000を超える(最大値は1023)と、音が聴こえなくなります。

 シェイプにEGによる径時変化を加えることはできません。LFOによる周期変化だけです。

 VCOのオクターブスイッチは、先に触れたオクターブトランスポーズスイッチとは異なり、押鍵した状態でも変更が、即、発声に反映されます。

 VCO2をVCO1へのモジュレータにしてクロスモジュレーションやシンクロ、リングモジュレーションをかける事ができます。

 VCO2にのみ、ピッチにEGをかける事ができます。もちろんオートベンドとして使えますが、むしろクロスモジュレーションやシンクロ使用時の径時変化でユニークさを発揮すると思います。

 オシレータミキサーはVCO1、2各々のレベル、そしてホワイトノイズのレベルを設定します。VCO1/2のバランスではないところがミソです。

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 VCFはローパスフィルターのみで、2ポール、4ポールの選択ができます。

 レゾナンスを上げていくと自己発振します。オシレータミキサーがVCO1/2の割合ではなく各々のレベルである、つまりVCOを使わない選択が可能です。したがって、VCOのパルスウィズ(シェイプ)のデューティー比を100:0にしてVCOを聴こえなくする必要はありません。

 VCFと接続されたEGがあり、EGデプスを0にする事で事実上接続を解除する事ができます。また、マイナス値もあるので、リバース曲線にすることもできます。EGデプスつまみのセンター位置にクリック感は無く、感触で−/0/+の分水嶺を探ることはできません。しかしながら、画面に0%が出るので視認することはできます。

 VCFには3段階変化ですが、キーボードトラックがあります。VCFの自己発振でスケールをドレミ…つまり平均律に設定する場合、100%を選びます。

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 これが私が思うminilogueのウィークポイントの一つなのですが、VCA EGは、文字どおりVCA専用、音量の径時変化のソースのみで、VCFと共用する事ができません。

 例えば、EGを、ビブラートデプスの径時変化等、他の事と共用できないような目的に回した場合、VCFのカットオフポイントは発声の始端から終端まで変化させる事ができなくなります。

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 VCA EGの下のEGは、ディスティネーション側のオン/オフやデプスの設定で、ソースとして使用できます。

 minilogueの価格帯のプログラマブルアナログポリフォニックシンセで、VCF/VCA個別にEGを設定できるのは画期的な事です。昭和58(1983)年秋、KORG POLY-800が100,000円を切って以来の快挙だと思います。POLY-800の場合、EGはADSRではなく、より複雑な設定ができるADBSSRですけどね。

 VCA EG、EGともに、パラメーターのきめ細かさと併せて、SEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5とまではいかないものの、アタックタイムの変化のカーブがこれまでのコルグのアナログ/アナログモデリングシンセよりも緩やかなので、吹奏、特に金管系の設定を緻密に行えます。時計の短針でいえば8時あたりでも「コツッ」という感触が残っています。

 また、リリースタイムも同じく緻密な設定ができるカーブです。リリースタイム0にすればハサミで切ったような終わり方になるのですが、このバリューを少々あげてもタッチノイズが入らない形で歯切れよくEGの実行を終了させることができます。

 EGは私にとって最も重要なパラメーターですが、minilogueはこの点でも気に入りました。

 LFOの波形は、下降型鋸歯状波、三角波、矩形波で、サンプル&ホールド、ランダム、ノイズの類はありません。また、デプスにマイナス値を設定できないので、上昇型鋸歯状波はありません。

 EGをLFOデプスの径時変化に充てる事ができるのは珍しくないのですが、minilogueはLFOのレイトのソースにも使う事ができます。

 LFOはEGと異なり、ソース側(LFO)からディスティネーションを選びます。ただし、ディスティネーションを、カットオフフリケンシー、VCOのシェイプ、ビブラートデプスのうちのどれか一つしか選ぶ事ができません。ディスティネーションの中にVCAはありません。

 内蔵エフェクターとしてディレイがあります。ディレイタイム、フィードバック数に加えて、ハイパスフィルターがあります。

 minilogueのパラメーターには概ね専用の操作子があるのですが、一部デジタルアクセスコントロール、つまりエディットモードに入って設定する必要があります。例えば、スライダーのディスティネーションの選択(一つのみ)、左右個別のベンドレンジ等々。

 その中の一つ、ポルタメントは、タイムを、オフ、0~127の範囲で設定できます。また、レガートの時のみポルタメントがかかるオートモードもあります。

 大変遺憾ながら、minilogueのポルタメントのカーブは、多くのアナログシンセのような、始まりは速く、そして実行終了が近づくにつれて遅くなっていくフィーリングではなく、デジタルシンセのようなリニア変化です。考えようによっては、VCOのポルタメントをリニア変化でかける事ができるのは画期的な事ともいえます。

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 KORG minilogueは、低価格のプログラマブルポリフォニックアナログシンセサイザーながら、豊富なパラメーターを持っています。ただ、いくつか触れたように、意外にかゆい所に手が届かない面もあります。

 KORG minilogueに、KORG MS-20 miniARP ODYSSEYを併せると、私の中でうまい具合にピースが揃って、楽音用のアナログシンセサイザーのパズルが完成する感があります。

 あるいはコルグさんは、それを企図した製品開発を行っているのかなと思ってしまいました。


平成29(2017)年12月1日追記。

 KORG minilogueの数量限定カラーバリエーション機、minilogue PG(ポリッシュドグレーカラー)が発表されました。

 筐体のアルミ部分はポリッシュドグレーカラー、そして、リアパネルのピンカド材の部分は光沢のあるシースルーブラックに塗装されています。黒く塗られているにもかかわらず、ピンカド材の木目が活きています。

 平成29年12月3日発売。minilogue PG、minilogue量産型機とも税込価格49,800円。


KORG minilogue
http://www.korg.com/jp/products/synthesizers/minilogue/

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 implant4さんで、プログラマブルアナログポリフォニックシンセサイザーKORG minilogueを試奏させていただきました。

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 KORG minilogue(ミニローグ)は、平成28(2016)年1月15日に発表され、同30日に発売されました。implant4さんには既に中古機が入荷していて、ウェブサイトの在庫リストにもアップされています。

 今回試奏させていただいたminilogueは、発売から一ヶ月を経ていない事もあり、新品としか思えない美品でした。

 全くの余談ですが、implant4さんには、このminilogue以外にも、Roland Boutique JP-08JU-06YAMAHA refaceと、発売からさほど日を経ていないモデルが入荷しています。バブルの頃、発売直後のシンセサイザー及びその周辺機器の新製品を中古で探す事は、特段難しい事ではありませんでした。今、もしかしたら、消費マインドが上向いて、多少なりともその頃に近づいているのかなとも思えます。

 このKORG minilogue試奏記(1)では、奏者やマニピュレータとの接点や、シンセサイザーエンジン以外の諸機能を、そして、KORG minilogue試奏記(2)では、シンセサイザーエンジン部分について記したいと思います。

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 KORG minilogueは、他に類例の無い不思議な姿をしています。少し反ったフロントパネルに、操作子群や鍵盤が配されていて、本体部分はその下に隠れる形になっています。

 奏者側と演奏を聴く側の視点によって、minilogueの印象はずいぶん変わります。かつてKORG RADIASM3のデザインに、演奏を観る側の視点の不在を感じたのですが、minilogueは双方の目線を意識したデザインになっていると思います。

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 リアパネルは木(ピンカド材)でできています。

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 フロントパネル右に有機ELディスプレイがあり、minilogueを発声させると、オシロスコープが、また、音色をエディットするとその内容が表示されます。

 店頭での試奏の折、つまみを動かしてもEG INT等一部のパラメーターしか表示されない場合、エディットモードのグローバルエディットを選び、ボタン5を1回押し、

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 パラメーターディスプレイを「Normal」から

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 「All」にすると、エディットされたパラメーターが表示されます。

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 鍵盤はKORG MS-20 miniRK-100SARP ODYSSEYと同じスリム鍵盤。

 ベロシティはカットオフフリケンシーの開きと音量のソースになります。これ以外の目的にベロシティを充てる事はできません。

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 コントローラーはコルグ伝統のジョイスティックでもホイールでもなく、右下がりに斜めに配されたスライダーです。ピッチベンド以外にも様々なディスティネーションを、ただし一つだけを選んでアサインできます。

 このスライダーは手指を緩めると勝手にニュートラル位置へ帰ってくれます。スライダーはニュートラル位置で左右をバネに挟まれた状態になっていて、左へ動かすと左側のバネが、右へ動かすと右側のバネが押されて動きます。このバネはニュートラル位置から遠くなるにつれて抵抗が強くなっています。

 コルグ伝統のジョイスティック、ローランドのベンダーレバー、そして、多くのメーカーが採っているホイールが、いずれも弧を描いて動くのに対し、minilogueのコントローラーはスライダー型故に、文字通り水平に滑って動きます。

 また、このスライダーは、ピッチベンドに使う場合、

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 ニュートラル位置から右(右下)へ動かす時と、

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 左(左上)へ動かす時で、バリューを個別に設定できます。これは私にとって非常にありがたい事です。私が知る限り、アナログシンセでこれができるのは、Roland JD-Xiのアナログシンセトーンだけでした。ただし、正逆の逆転は出来ません。

 また、例えばビブラートデプスを充てた場合、

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 ニュートラル位置でビブラートデプスの中間値が入った形になります。したがって、デプスを0にする場合、

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 スライダーを左端に持ってきておく必要があります。

 勝手にニュートラル位置に戻ってくるが故に、このスライダーでビブラートやグロウル効果をコントロールする場合、終始指を離す事ができないという事を念頭に置く必要があります。

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 音色設定操作子はつまみとレバーで、ボタンや上下に動かすタイプのスライダーはありません。選択設定操作子は全てレバーで、ボタンを押し送る形と異なり、往きつ戻りつができるので素早く選択できます。

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 操作子群の配置も、音色設定時、演奏時を問わず、動線的に実に合理的だと思います。例えば、フレキシブルEGはVCA EGより奏者側に、そしてそれに接する形でLFOが配されています。

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 音色プログラムはプログラム/バリューつまみを回して選びます。シフトキーを押しながら操作すると10音色跳ばせます。

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 フロントパネル右端奏者寄りに八つの自照型ボタンが並んでいます。局面によって役割が変わる(画像はグローバルモードのパラメーター表示に関するもの)のですが、その一つに、かつてKORG PolysixMono/PolyPOLY-800等でキーアサインモードと呼ばれたボイスモードの選択があります。

 このボイスモードは、キーアサインモードよりも素晴らしく進化しています。minilogueのシンセサイザーエンジン以外の機能で、私が最も気に入ったのがここです。

 ボイスモードは八つのボタン直下に語彙とアイコンが配されていて、上のボイスモードデプスつまみと併せて使う事で、キーアサインモードでは考えられなかった効果が出せます。

 コード弾きを左手でしかできない私としては、ボイスモード関連の操作子群がこの位置にある事は、大変都合が良いです。

 ポリの場合、4声のポリフォニックなのですが、ボイスモードデプスの操作によって、押さえた和音の転回形が発声されます。例えば「ドミソ」が「ミソド」「ソドミ」といった具合。

 デュオやユニゾンは、文字通り、4声を、2声やモノフォニックのユニゾンに振って発声させるのですが、ボイスモードデプスがディチューンになります。

 モノは、ボイスモードデプスが0だとモノフォニックの、いわゆるソロモードなのですが、このバリューを変えるごとに1オクターブ下、2オクターブ下の音が加味されます。

 ユニゾンやモノの時にポルタメントが、

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 オフだとトリガーモードはマルチ、

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 0だとシングルになります。

 ボイスモードのアルペジエータは、micro KORGmicroKORG XLといったコルグのアナログモデリングシンセに搭載されてきたものよりも進化しています。

 例えばマニュアルというタイプでは「ド」「レ」「ミ」と弾くと「ドレミドレミ…」と発声し、「ミ」「レ」「ド」では「ミレドミレド…」と発声します。つまりアップにもダウンにもなります。

 KORG minilogueには、16ステップのシーケンサーが載っています。鍵盤によるリアルタイム入力や、モーションシーケンサーとして最大四つのディスティネーションの周期変化/径時変化のソースになるのですが、KORG MS2000、RADIAS、R3のモッドシーケンス機能や、Roland V-synthのマルチステップモジュレータのように、押鍵すると1回実行される、あるいは押鍵中実行が繰り返されるといった使い方ができず、私としては特段興味が湧きませんでした。

 minilogueのLFO波形には、サンプル&ホールドあるいはランダムの類が無いので、私の場合、この16ステップシーケンサーにでたらめな音階を打ち込んで、それらしく使う事ぐらいしかなさそうです。

 なお、この16ステップシーケンサーを走らせるおり、先の八つの黒いボタンが1~8、9~16の実行中のステップを示してランプを灯します。ここはモッドシーケンス機能と同じです。

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 アルペジエータや16ステップシーケンサーのテンポの操作子が、なぜか遠く離れたフロントパネル左端にあります。

 音色設定操作子群の現状を発声に反映させる、要するにPolysixのマニュアルボタンに類する専用の操作子はありませんが、パネルロード機能(プレイボタン+シフトキー)で同じ事ができます。

 端子群について。音声出力はモノラル。音声入力端子があり、VCFへ通じています。MIDI端子は平成期のコルグアナログシンセとしては初めて、OUTがあります。シンクロイン/アウトがあります。

 KORG minilogue試奏記(2)に続きます。


平成29(2017)年12月1日追記。

 KORG minilogueの数量限定カラーバリエーション機、minilogue PG(ポリッシュドグレーカラー)が発表されました。

 筐体のアルミ部分はポリッシュドグレーカラー、そして、リアパネルのピンカド材の部分は光沢のあるシースルーブラックに塗装されています。黒く塗られているにもかかわらず、ピンカド材の木目が活きています。

 平成29年12月3日発売。minilogue PG、minilogue量産型機とも税込価格49,800円。


KORG minilogue
http://www.korg.com/jp/products/synthesizers/minilogue/

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平成28(2016)年1月22から催されたNAMM 2016に、コルグはFM音源シンセサイザーKORG volca fmを参考出品しました。

 volca fmはあくまで参考出品機ですが、かつて、同じく楽器フェスティバル2008において参考出品機だったmicroKORG XLが、さほど日を経ずして発売されたという先例から、volca fmの今後の正式発表~新発売の流れは間違いないものと思われます。

 本稿は今後、その流れに応じて大幅な加筆、改訂、あるいは新たに一稿を上げる可能性があります。

 現時点でネットに上がっている、先のNAMM 2016で撮られたと思われる画像や動画を元に記していきます。

 KORG volca fmは3声ポリフォニック。6オペレータのFM音源を持っています。音色プログラムは32記憶します。

 ワークステーション機KORG OASYSやKRONOSのシンセサイザーエンジンの一つ、MOD-7同様、システムエクスクルーシブを介して、YAMAHA DX7の音色データを持ってくることができます。

 内蔵エフェクターとして、コーラスがあります。

 volca fmの筐体の姿や寸法は、これまでのKORG volcaシリーズを踏襲しています。

 volca keysのように27ある鍵盤型リボンコントローラーは、演奏以外にいくつかの設定操作子を兼ねていることや、16ステップシーケンサー使用時、実行中のステップのランプが灯る事も同じです。

 フロントパネルを見ていきます。

 赤い表示のLEDがあります。音色の名や、選択されたFMアルゴリズムやパラメーター等が表示されます。

 左端に2本のスライダーがあり、演奏モード時は、左がキートランスポーズ、右がベロシティの操作子なのですが、右のベロシティの操作子は、エディットモード時は各パラメーターの入力に使います。

 これらスライダーのキャップには、YAMAHA DX7の32個の音色プログラムボタンを思わせる青色のラインが入っています。この青色、DX7の実機を見ると緑色に見えるのですが、印刷物や画像だとなぜか青になってしまいます。DX7の筐体のチョコレート色が、印刷物や画像だと黒くなる事と併せて、不思議な事だと思います。

 volca fmのデザイナーが、印刷物や画像のみを見てこの色をつけたのか、あるいは同じくvolca fmも、実機ではまた違って見えるのかもしれません。

 volca fmのボタンの色に関して、もう一つ気付いたことがあります。この後その都度、記します。

 二本のスライダーの右に、縦二つがセットになったつまみが並んでいます。アルゴリズムのモジュレータのEGのアタックタイム、ディケイタイム。キャリアのEGのアタックタイム、ディケイタイム。LFOのレイトとデプス。音色プログラムのパラメーター呼び出し、アルゴリズムの選択。

 これらつまみの下にボタンが横に三つ並んでいて、やはりDX7を思わせる色になっています。左からオクターブトランスポーズのダウン、アップ、音色プログラムのセーブ。これらはエディットモード時、別の役目を負います。

 この右横にエディットボタンがあるのですが、色はなぜかDX7のファンクションモードボタンと同じ薄茶色です。ちなみにDX7のエディットボタンは藤色です。

 フロントパネル右の部分は、これまでのKORG volcaシリーズの機能が踏襲されています。

 MIDI IN端子があります。またシンクロイン/アウトがあり、外部機器との同期演奏が可能です。

 volca fmにはアルペジエータがあり、その操作子のつまみが二つ並んでいます。

 その下にステップシーケンサー関連のボタンが四つ並んでいて、三つは先のスライダーと同じ色、そして、右端のファンクションボタンの色はDX7のストアボタンと同じ赤になっています。DX7のファンクションボタンは薄茶色です。

 昭和58(1983)年春に現れたYAMAHA DX7以降、FM音源シンセサイザーや同モジュール、リズムマシン、シーケンサー、ショルダー型を含むMIDIコントロールキーボードを、「X」の型番とロゴ字体で統一したXシリーズの怒涛のような席捲ぶりと、同時期の他社に漂っていた、出遅れ感、そこはかとない格下感を嗅いだ身には、コルグが国際見本市に、手のひらサイズのDXともいうべきvolca fmを出した事に、世の無常を感じます。

 昭和61(1986)年、コルグはヤマハからFM音源の部材の提供を受けて、KORG DS-8、続いて707を出しました。それから30年後というタイミングで、まるで前年のYAMAHA reface DXに当てるが如くKORG volca fmを出す事にも、多少の感慨を覚えずに入られません。


平成28(2016)年3月10日追記。

 コルグのサイトにKORG volca fmに関する情報がアップされています。また取扱説明書のダウンロードもできます。

 volca fmの筐体の色、DX7のチョコレート色を踏襲しているようです。

 FM音源を簡便にエディットするために、複数のパラメーターが当てられたモジュレータ、キャリアつまみがあります。

 また、プロエディットのために、パラメーターのリストと32種のアルゴリズム図が載ったパラメーターリストカードが付きます。似たもの(もっと大きかったですが…)が、かつてKORG M1及びTシリーズにも付属しました。

 KORG volca fm、発売日平成28(2016)年3月27日、価格14,580円(税込)。


KORG volca fm
http://www.korg.com/jp/products/dj/volca_fm/
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 平成28(2016)年1月22日、アナログプログラマブルポリフォニックシンセサイザーDave Smith INSTRUMENTS OB-6が発表されました。

 同日発表されたARTURIA MATIRIXBRUTEと同じく、本稿脱稿の時点で英文の公式サイトしかなかったので、以下の記事の内容が誤報となる可能性をお含み下さい。

 デイブスミスインストゥルメント公式サイトの「OB-6 Annanced!」に、シンセサイザーメーカーのオーバーハイムやマリオンシステムの創業者トム・オーバーハイム(Tom Oberheim)さん、シーケンシャルサーキット及びデイブスミスインストゥルメントの創業者デイブ・スミス(Dave Smith)さんが並んでいる画像と、Dave Smith INSTRUMENTS OB-6に関する解説があります。

 コルグが他社機であるARP ODYSSEYの復刻機を出すぐらいなので、デイブスミスインストゥルメントがオーバーハイム由来のアナログポリシンセを出しても不思議ではないのですけど、やはり、OB-6のフロントパネルの横線と「OB-6」のロゴデザインを見た時は、驚きました。

 英文なので本当の所はわからないのですが、あるいはここで、デイブスミスインストゥルメントが、自身もシンセサイザーメーカーを持つオーバーハイムさんの過去の仕事に由来するシンセを作った事のいきさつに、触れているかもしれません。

 Dave Smith INSTRUMENTS OB-6について記していきます。

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 フロントパネルに走っている横縞、

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 「OB-6」のロゴデザインは、かつてのOberheim OB-8を彷彿とさせます。

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 また「Tom Oberheim」のサインも入っています。ちなみにTom Oberheim SEM-PRO(Tom Oberheim SEM-PRO、SEM with MIDI to CVを見ました参照)には、1台1台にトム・オーバーハイムさんの手書きサインが入っています。

 しかしながら、それでもぱっと見た瞬間、OB-6がデイブスミスインストゥルメントのシンセサイザーである事を意識させられます。

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 まず、筐体はSEQUENTIAL prophet-6がベースになっていると思われます。

 筐体の寸法は、81.3 cm(幅)32.3 cm(奥行き) 11.7 cm(高)。prophet-6がは幅がもう8mm広い事以外は同じです。重量も同じ9.5kgです。

 ボタン類、特に丸く小さいランプが付いているものは、prophet-6、ひいてはSEQUENTIAL CIRCUITS prophet-5prophet-T8の頃のデザインを踏襲しています。

 フロントパネルの奏者側に横一列に並んでいる、オクターブトランスポーズ、ホールド、ポルタメントレイト、ポルタメントオン/オフ、ユニゾンオン/オフ、バンクセレクト、LED、10Sセレクト、1~8ボタン、書き込みボタン、グローバル、プリセットボタンのレイアウトが、prophet-6と同じです。

 ホイールレンジボタン、ユニゾンモード時のディチューンつまみはOB-6にのみあります。

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 赤くライトアップされた二つのホイール、そして鍵盤が49鍵で、ベロシティ、アフタータッチがある事、そして、ベロシティのディスティネーションが、VCF EG及びVCA EGのデプスだけであるという事も共通しています。

 6声ポリフォニックである事も同じです

 あくまで露出している部分に関してのみですが、パラメーター群について、フロントパネル左端から順に見ていきます。

 アフタータッチは、ディスティネーション(VCO1ピッチ、VCO2ピッチ、LFOデプス、VCA ENVデプス、VCF EGデプス、フィルターモード)から、一つに対してのみデプスを設定します。

 クロスモジュレーションは、VCF ENVとVCO2がモジュレータになり、各々のデプスを設定します。ディスティネーションはVCO1のピッチや波形、パルスウィズ、カットオフ、フィルターモード。

 LFOは、レイト、波形(サイン波、正逆鋸歯状波、矩形波、ランダム)、デプスがあり、ディスティネーションを、VCO1及び2各々のビブラートデプス、PWM、グロウル効果、トレモロの中から一つを選びます。

 VCOは1声あたり二つあり、波形を鋸歯状からパルス波まで連続可変出来ます。サブオシレータがあります。PWMのソースはLFOのみで、ENVを受ける事はできません。VCO2は1に対してディチューンをかける事ができます。

 ミキサーで、VCO1、2、サブオシレータ、そして、ホワイトノイズのレベルを設定します。

 VCFは、かつてのOberheim SEMのような2ポール。ローパス、ハイパス、バンドパスのどれか一つのタイプを選択します。専用のENVとそのデプスがあり、ベロシティをかける事ができます。キーボードトラックは、50%、100%、0があり、ボタンを押し送る形で選択します。ランプが消えた状態が0です。

 VCF ENVは、どうやらリバース曲線を設定する事はできないようです。

 VCAには、ヤマハのアナログシンセ(YAHAMA CS-5、CS-15等)同様、ENVデプスがあり、ベロシティをかける事ができます。

 VCF ENV、VCA ENVともに、リリースタイムとENVデプスつまみの間に、ベロシティをかけるか否かを決める自照型ボタンがあります。

 ちなみにSEQUENTIAL prophet-6の、VCF ENVデプス及びベロシティオン/オフはVCFセクションに、VCA ENVのベロシティオン/オフはVCA ENVセクションのENVデプスとアタックタイムの間にあります。

 アルペジエータ、ステップシーケンサーはprophet-6と同じものです。デイブスミスインストゥルメント社のシンセサイザーのアルペジエータには、かつてのRoland JUPITER-4、JUPITER-8のような押鍵順が反映されるアサインというモードがあります。喜多郎さんのフライングジュピターをシミュレーションできます。

 私の記憶が正しければ、かつてのオーバーハイム初のMIDIシンセは、Oberheim OB-8でした。その後、オーバーハイムはOberheim Xpander、Matrix-12、Matrix-6と、デジタルアクセスコントロールタイプの、そして、デジタルシンセのような数多のパラメーター構成のシンセを作るようになります。

 そして、今、Tom Oberheim SEM-PRO、SEM with MIDI to CV、Dave Smith INSTRUMENTS OB-6と、操作子群が露出した簡便な構成のシンセサイザーが出てきました。ここでも、実体を持つシンセサイザーはかくあるべき、という提案を見たような気がします。

 1980年代半ば、私の高校時代、楽器店でシンセサイザーを試奏する人達が、決まってヴァンヘイレンの「ジャンプ」のイントロを弾いていました。Roland VP-330等ボコーダーマイクに向かって「トキオ!」を言っている人達より多かった。このイントロに使われたシンセサイザーは、Oberheim OB-Xaだったそうです。

 Dave Smith INSTRUMENTS OB-6が使われる機会が多いのは、ヴァンヘイレン「ジャンプ」のイントロなのかもしれません。

 Dave Smith INSTRUMENTS OB-6、平成28(2016)年4月10日発売。価格は429,800円(税込)。

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平成28(2016)年4月12日追記。

 implant4さんで撮らせていただいた画像を添付いたしました。

 もちろん試奏もしたのですが、VCFの風合い等数点を除いて、SEQUENTIAL prophet-6との特段の相違を見つけられませんでした。したがって試奏記はありません。


Dave Smith INSTRUMENTS OB-6
http://www.fukusan.com/products/DSI/ob6.html

Dave Smith INSTRUMENTS OB-6
http://www.davesmithinstruments.com/product/ob-6/
デイブスミスインストゥルメント社サイトの記事。英文です。
取扱説明書(英文)のダウンロードもできます。

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 平成28(2016)年1月22日、アナログシンセサイザーARTURIA MATRIXBRUTEが発表されました。

 すでにアートリアのサイト(英文)に、MATRIXBRUTEに関する記事がアップされています。

 なにぶん私は英文に不案内なので、以下の文章が時に誤報になってしまう可能性の大なるをお断りしつつ、取り上げてみたいと思います。

 なお、平成28(2016)年11月7日、同月4日から6日まで東京ビッグサイト催された2016楽器フェアで撮影した画像を載せました。

 MATRIXBRUTEの姿に関して、キーボード及びコントローラー部の上に、角度調整が可能な筐体部分が載っています。そして、MATRIXBRUTEの機能上の特徴でもある、縦16横16、つまり256個の自照型マトリックスボタンが目立ちます。

 VCOは三つあります。その内二つは同じ仕様で、鋸歯状波、PW(矩形波を含む)、三角波があり、それらから一つを選択するのではなく、各々のレベルを設定する形で併用できます。

 また、これらの波形には、各々BRUTEシリーズの伝統ともいうべき、ウルトラソー(鋸歯状波)、パルスウィズ、メタライザー(三角波)といったパラメーターがあります。これらはマトリックスのディスティネーションとして、径時変化、周期変化等を加える事ができます。

 また、二つのVCOともにサブオシレータがあります。

 この二つ以外にもう一つVCOがあります。三つ目の通常のオシレータとして以外に、他のVCOへのモジュレータ等に使えるようです。

 VCO3の横に、ホワイト、ピンク、レッド、ブルーからどれか一つを選ぶ形のノイズジェネレータがあります。

 三つのVCO、ノイズジェネレータ、そして外部入力のレベルを決めるミキサーがあります。

 三つのLFOがあるはずなのですが、フロントパネル上には二つしか視認できず、おそらくあと一つは実体があるのではなく、デジタルアクセスコントロールタイプと思われます。

 フロントパネルに露出している二つのLFOは同じ仕様です。

 ディレイタイム、レイトがあります。波形は七つから一つを選択します。トリガーモードはシングルかマルチを選べます。

 VCFは二つあります。一つは、ローパス、ハイパス、バンドパスを備えた、これもBRUTEシリーズの伝統ともいうべきスタイナーパーカーフィルター。そして、もう一つは、モーグ由来のラダーフィルター。パラメーター構成は同じです。

 上下に並ぶ二つのVCFの間に、フィルタールーチンというセクションが配されていて、これら二つのVCFを直列につなぐか並走させるかを決める事と、二つのVCFのカットオフフリケンシーをまとめてコントロールするマスターカットオフという操作子があります。特に公演での演奏時、二つのセクションにまたがったカットオフフリケンシーを同時に開け閉めすることは困難ですが、マスターカットオフつまみがそれを可能にしてくれます。このマスターカットオフつまみは他のつまみよりもひとまわり大きくなっています。

 三つのENVはADSR型で、全て実体をもって露出しています。

 ENV3にはディレイタイムを設定できるので、ENV3を次に記すマトリックスのソースに、そして二つのVCO(片方のみでも)のピッチをディスティネーションにして、喜多郎KORG 800DVブラストーンリードのディレイオートベンドを真似るといった事ができます。

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 MATRIXBRUTEのフロントパネルでおそらく最も目立つセクションであり、MATRIXBRUTEのマニピュレーションの可能性の幅や奥行きの根幹ともいうべき、マトリックスというセクションがあります。

 パッチングの16のソースが縦に、そして16のディスティネーションが横に並んでいます。ソースとディスティネーションの交点のボタンを押すと、そのボタンのランプが灯ります。

 マトリックスの16のディスティネーションの内の四つ、13〜16は、奏者やマニピュレータがパラメーターを充てる事ができます。

 一つのソースは複数のディスティネーションのソースたり得、また、一つのディスティネーションは複数のソースを受ける事ができます。ケーブルを介したパッチングよりも作業上も見た目も簡便ながら、複雑な設定が可能だと思います。

 おそらく、数多の人がARTURIA MATRIXBRUTEを目にすると、このマトリックスで視線が釘付けになり、自分なりの設定のアイディアを夢想すると思います。私は昨夜MATRIXBRUTEの姿の画像を見て以来、脳みそに暇ができると、マトリックスをどんな事に使うかばかり考えています。

 内蔵エフェクターはディレイ(ステレオ/モノラル)、コーラス、フランジャー、リバーブがあります。

 16ステップのシーケンサーとアルペジエータがあります。このセクションの操作子に併せて、マトリックスの256個の自照型ボタンも操作子となります。

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 コントローラーは、ピッチベンド及びモジュレーションホイール。モジュレーションホイールは、マトリックスのソースの一つでもあります。

 鍵盤は49鍵(4オクターブ + 「ド」)。ベロシティ、アフタータッチがあります。ベロシティ、アフタータッチはもちろん、押鍵(Kbd)までも、マトリックスのソースになります。

 リアパネルには、音声関係やUSB、MIDI (IN、OUT、THRU)などに加え、CV IN、CV OUTが各々12あります。CV方式は、アナログシンセサイザーのディファクトスタンダードともいうべき、Oct/Vです。

 昨年KYOTO FESTIVAL of MODULAR 2015で、

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 EMS SYNTHI AKSを見た時、このマトリックスピンボードを持ったシンセの現行機があれば、また、今だったらプログラマブルにできるな等と様々思ったのですが、私がそんな事を夢想していた頃、おそらくアートリアさんは、このMATRIXBRUTEの開発を終えていたかもしれません。

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 ARTURIA MATRIXBRUTEは、シンセサイザーエンジン部分のパラメーターもマトリックスも、概ね構造化されずに操作子が実体をもって露出しているが故に、マニピュレーションに関して脳裏で音を鳴らしてから作業を始める私のような人間にとっても、音を探す(Roland JD-800試奏記参照)タイプの人にとっても、親しみやすいシンセサイザーだと思います。

 価格に関して、まだ噂の域を出ていないのですが、仄聞するに、あれ?と思うような甘さです。


平成29(2017)年3月24日追記。

 ARTURIA MATRIXBRUTE、3月29日発売、価格税込257,850円。

 既に取扱説明書も公開されています。


平成29(2017)10月11日追記。

 平成29年5月2日、NU茶屋町5Fのイシバシ楽器梅田店さんが、同ビル2Fでシンセや電子ドラムの特別展示をされたおり、撮らせていただいた画像を追加しました。

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ARTURIA MATRIXBRUTE(ディテール)

ARTURIA MATRIXBRUTE

ARTURIA MATRIXBRUTE(英文です)
https://www.arturia.com/matrixbrute/overview

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